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文通と悪夢と再生
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◆◆◆◆◆◆
(文通)
◇◇◇◇
親愛なるルチアへ
ルチア、元気か?まあ元気ではなさそうだが、俺も元気ではない。何故なら陛下からとんでもない話を聞かされたからだ。陛下の話を信じるなら、この世界はゲーム世界で筋書きが決まっているらしい。
そして、アンリが四人の攻略対象者とイチャイチャしないと、陛下が暴君になるらしい。俺は陛下が乱心したのではないかと疑っているのだが、まあそれはいい。
陛下がアンリをイチャイチャさせるには、ルチアの力が必要らしいと言っていたが本当か?陛下からルチアを王城に出仕させるように命じられた。陛下によるとルチアには、半年の休養は許したがそれ以上は許してはいないとの事。ルチアを出仕させるために、陛下は一週間前に王家から迎えの馬車を送ったらしい。だが、ルチアの父上が威圧を放ち続けて馬車が吹っ飛んだそうだな。何やってんの、ルチアの父上は?陛下からの手紙は握りつぶされるから、俺がルチアと手紙のやり取りをすることになった。まあ、ルチアと文通するのは悪くはないが。むしろ、いい感じの花束を添えたいが、ルチアの事だからチョコとかの方がいいか?返事をくれ、ルチア。
ルチアが大切な人を喪った事は陛下から聞いた。「運命の番」を喪って半年で活動を再開しろは、無茶な話だよな。つうか、俺が辛い。お前の「運命の番」は俺だとマジで思っていたのに。
俺も半年領地に籠りたい。しかし、陛下の命令でアルフレートとアンリの動向を探っているので、王都を離れる機会さえ得られない。陛下によい報告ができるとは到底思えないのに最悪だ。何故なら、二人には全く進展が無いからだ。イチャイチャどころか、会話すらない。現在、アンリはΩ×Ωの小説制作に夢中になっており、だれも近付くことの出来ない不気味なオーラを醸し出している。因みに、ジャクソンの情報ではルチア×アンリの壮大なお話らしい。
まあ、ルチアは読まなくてもよいと思う。そんな状態なので、ルチアから良きアドバイスをもらいたい。陛下の圧力が半端ないので助けてくれ、ルチア。
追伸
俺のアソコがとんでもなく勃起する魔法の粉を入手した。スパニッシュフライという魔法の粉なのだが、これを飲むだけで折れなかった。実に完璧だった。いっておくが、オメガでは試していないぞ。あくまでもベータの尻で試した結果だ。俺の立派な勃起をぜひ幼馴染のルチアに見てもらい。
ラケール = トゥリエルより
◇◇◇◇
親愛なるラケールへ
ラケール、お手紙ありがとう。まず最初に忠告しますが、スパニッシュフライは毒物です。尿道が炎症を起こし、勃起状態になっているだけです。量を間違えると死にます。長く飲んでも死にます。ラケールが早死にしては辛いので、今すぐに服用を止めてください。それから、ベータの尻を実験に使わないように。本当に好きな人に挿入しなさい、ラケール。しかし、僕が「運命の番」を喪ったばかりなのに、下ネタを手紙に書くラケールには心底呆れます。だけど、まあよいでしょう。ラケールが手紙にチョコを添えてくれたら許します。
ところで、アルフレート兄上とアンリのイチャイチャの件ですが、僕に秘策があります。精神状態も良くなってきたので、そろそろ王都の邸に移ろうかと考えています。その際に、ダブルデートを提案したいのですがどうかな?僕とラケール、アルフレート兄上とアンリ。この四人で王都の有名な場所を回ります。デートコースはラケールに任せるけど、アンリの育った孤児院のある教会に寄りたいので自然な形で組み込んで下さい。教会でアンリと兄上を二人きりにするつもりです。実は二人は子供時代にここで出逢いを果たしています。もし、自然の流れで二人が教会でのエピソードを思い出したなら好感度が爆上がりします。
しかし、自然に思い出せない場合には、ラケールにはチューリップの花壇を荒らしてもらいます。チューリップの球根が、アルフレート兄上とアンリの記憶を呼び起こす鍵となります。もちろん、ラケールが花壇荒らしで教会関係者に捕まった場合には、すぐに救助できるように手配するので安心して下さい。それから、陛下には王妃と仲良くして、教会とは一定の距離を保つように忠告して下さい。カトリックである陛下に不満のある王妃は、フス派に取り込まれて改宗することになります。そして、陛下と王妃の対立が深まり、問題が大きくなっていきます。フス派は後にプロテスタントとなる宗派ですが、異世界でも血塗られた宗教弾圧が行われ、果ては宗教戦争に発展します。ですが、この世界では絶対に起こしてはならないと考えています。内乱が起きないルートがあるのなら、それを選択する事が正しいと僕は考えます。僕は僕の正しいと思った行いをします。きっと、ラケールなら理解してくれると信じています。
追伸
以前に、ラケールは言ってたよね?僕が自殺を図った後、僕を見て大切なものを喪ったと感じて涙が出たと。同時に、目覚めた僕に対して愛しいと感じたと。まさか、言った事を忘れていないよね、ラケール?もしも、アンリと兄上が婚姻したらちょっと寂しいなぁと思ってます。そうしたら、不意にラケールの底無しの明るさが、僕には必要かなって思うようになりました。会いたいよ、ラケール。僕は寂しい。本当に寂しくて辛い。こんなわがまま言えるのは、ラケールだけだって気がついて。会いに来てほしい。わがままだけど、会いたいよ。ごめんね、ラケール。最近、悪夢を毎日のように見て苦しいです。何度も見て心細くて耐えられない。ラケールに逢いたいよ。
ルチア = ガーディナーより
◇◇◇◇
親愛なるルチアへ
今すぐに逢いにいく、ルチア!
ラケール = トゥリエルより
◆◆◆◆◆
(悪夢)
『僕は『運命の番』としてライの首を噛む。そして、僕はライに想いを流し込む。ライの中のアルフレート兄上への愛情が消え去るまで』
『ごめん、ライ。大切な想いを奪ってごめん。ごめんな、ライ。奪ってしまて・・』
◇◇◇◇
これは悪夢だとわかってる。
だけど、怖い。
アルフレート兄上への想いが消えたから、こんな未来は決してこない。
来ないけど。
悪夢だとわかっていても、辛い。
何より、怖い。
◇◇◇◇
ルチア、聞こえる?
あのね、僕は何も出来なかった。
半年間も領地に籠って、僕はなにもしなかった。何も出来なかった。何も・・。
◇◇◇◇
『アルフレート兄上!』
『ルチア、どうした?』
『「どうした」ではありません!兄上がアンりと共に王城に攻めこむと聞きました。とても正気とは思えません!兄上はフス派に改宗された訳ではないのでしょ?アンリの為ですか?アンリの為に命を危険に晒すおつもりですか、アルフレート兄上!』
『アンリの為ではなく、俺自身の為に王城に向かうつもりだ。ルチアも王国の惨状を見て思うところはあるだろ?陛下は暴君と化した。陛下を討たねば惨劇は止まらない。今は、己の命を惜しむ時ではない。そうは思わないか、ルチア?』
『陛下は望んで暴君になった訳ではありません。それに、王城に攻め入れば必ずアンリを喪います。兄上に大切な人を喪って欲しくないのです!』
『アンリはレスキリアン王国打倒の旗頭として欠かせぬ存在となっている。彼も死を覚悟しているだろう。だが、アンリを死なせはしない!俺は仲間たちと誓った。何があろうとアンリを守ると。そして、クリストフェル = レスキリアンを討ち果たす!』
『アルフレート兄上!それでも、アンリは死ぬ運命にあるのです。兄上とアンリは幸せになれた筈なのに!どうしてこんなことに。駄目です、兄上。行かないで、アルフレート兄上!』
◇◇◇◇
ルチア、聞いて。
怠けていたわけじゃないんだよ?
ただ、本当に何もできなかったんだ。『運命の番』を喪って、半年間は寝たきりになってしまった。気分が上がったり下がったり。ふらふらふらふら。
ルチアの元に逝きたくて・・
ルチアと共に歩みたくて・・
◇◇◇◇
『残念だよ、ルチア。君には失望した』
『え?』
『アンリはこの国のオメガの為に立ち上がったというのに、ルチアは屋敷に引きこもり何もしようとしない』
『だって、僕は「運命の番」を喪ったばかりなのですよ?悲しくて辛くて。なのに、アルフレート兄上は、僕が何もしないと責めるのですか?』
◇◇◇◇
ルチア、ルチア。
傍にいっては駄目なの?
生きるのが辛い。辛くてたまらない。
寂しい。寂しい。
◇◇◇◇
『大切な人を喪ったのは・・ルチアだけじゃない。多くの人々が伴侶や子を魔女狩りで喪っている。アンリも多くのものを喪った。彼が全身を甲冑で覆っている理由を知っているかい?アンリは謂れなき罪で捕まり、ひどい拷問を受けた。死の寸前に救いだしたが、ひどい状態だった。アンリは全身に烙印をおされ、皮膚は焼き爛れている。右耳は削ぎおとされ、顔の皮膚の一部を剥がされた。今も身体中に包帯を巻いている』
『アンリは幸せになれたのに・・』
『そうだ。アンリは幸せになれた。陛下が乱心して暴君にならなければ、今頃は甲冑ではなく婚姻衣装を身に纏っていたかもしれない。だが、アンリは弱音を口にする事なく、同じ目にあった民衆を励まし続けている。立派だよ、アンリは。「王国を倒せ」との神の声を聞いたそうだが、きっと真実なのだろう。強くて心優しいオメガ。もしも平和な時を歩んでいたなら、アンリに婚姻を申し込んでいたかもしれない』
『どうして、もっと早くにそうしなかったのですか、兄上!そうすれば運命は変わったのに!アルフレート兄上もアンリも、幸せになれたのに!』
『現実から目を逸らすな、ルチア』
『いいえ!僕はこのルートを認めません!断じて認めません!アルフレート兄上やアンリの意思など、もう関係ありません。僕は僕の意思を優先します!僕が望むものは僕自身の幸せです。その幸せには、二人の笑顔が欠かせないのです。その為なら、二人の意思など完全無視です!僕は陛下側につきます。レスキリアン王国の破滅など阻止します。絶対にです!』
◇◇◇◇
これ以上、誰かを喪いたくない。
喪ったら・・今度こそ壊れる。
ルチアがこの体をくれた。だから、駄目だ。壊しちゃ駄目だ。
◇◇◇◇
『すでに崩壊は始まっている。今さら何ができるというんだい、ルチア?』
『まだ崩壊は始まっていません!この会話が全て悪夢だということも、僕は分かっています!僕は何度も何度もこの悪夢を見てきました。ですが、目覚めればまだ平和で・・僕が動き出せばまだ間に合います』
『そうだといいが、どうだろうね?』
『アルフレート兄上とアンリ=プラデスをハッピーエンドに導く為の鍵を、僕はずっと隠していました。それを実行するまでです。二人の意思なんて関係なく、ルートを開く鍵を使います』
『その鍵とは何のことだい、ルチア?』
『アルフレート兄上は、亡くなった父親に新種のチューリップの球根を盗むよう命じられていたでしょ?ガーディナー家の温室に忍び込んだ様に、王都の教会に深夜に忍び込んだ事があった筈です。違いますか、兄上?』
『違わないよ、ルチア』
『だけど、新種の球根は高値で取引されるから、教会の人は見廻りをしていた。盗難現場を見つかった兄上は、逃げ場を失い窮地に陥る。そんな兄上を助けてくれてのは、教会に併設された孤児院で暮らしていたアンリだった。アンリは兄上を逃がした後に教会の人たちに見つかり、犯人を逃がしたと折檻を受けました。いまでも、手のひらに少し折檻の傷が残っています。』
『確かに教会に忍び込んだことはある。だが、それで何が変わると言うんだい?』
『全てが変わります、兄上。それが、ハッピーエンドへのルートを開く鍵だからです!アルフレート兄上とアンリが教会を訪れると、二人は過去に出逢っていた事を思い出します。これで、二人の好感度は爆上がりするんです。しかも、爆上がりが半端ない。『他人レベル』なら『友人レベル』に、『友人レベル』なら『恋人レベル』に達します!これで、二人の笑顔は守られる。僕の笑顔も守られます!』
『それを知っていながら、何故今まで黙っていた?なぜ、誰にも話さず秘密にしていたんだ、ルチア?』
『そんなの決まっているじゃないですか!アルフレート兄上が大好きで、アンリに渡したくなかったからです!兄上を独り占めにしたかった!兄上に抱かれて愛されたかった。もっと、もっと、もっと!それ以外に秘密にする理由がありますか?』
『ならば、何故話す気になった?』
『だって、「運命の番」が奪ってしまったのだもの。僕があやまった選択を選ばないように、兄上への恋心をルチアが奪ってくれた。もう僕には、アルフレート兄上への情愛はありません。親愛の情だけです。だから、秘密にする必要がなくなったのです、アルフレート兄上』
『ルチアはもう俺を愛してはいない訳だね?もしも、俺が今もお前を愛していても、その想いは無視するのか?』
『想いは・・無視します、兄上』
『そうか』
『・・・』
『別れの挨拶をしよう、ルチア』
『はい、兄上』
『さようなら、ルチア』
『さようなら、アルフレート兄上』
◇◇◇◇
『僕が死ねば、君は僕の呪縛から解放されて、また恋ができる。誰とでも自由に恋ができるんだ。白紙の状態でライの人生を歩んで欲しいと僕は思ってる』
『ライ・・どうか、このまま逝かせて』
◇◇◇◇
ルチア。
生きるってしんどいね。
辛いね。
頑張るのって辛いよ。
すごく疲れて、くたくたなんだ。
ルチア、聞いてる?
◆◆◆◆◆
「起きろ、ルチア」
「え?」
「悪夢は終わりだ、ルチア」
「誰?」
「声でわかるだろ?俺は悪夢に苦しむルチアを救いに来た王子様だ」
「忠犬ラケール?」
「何故そうなる!?」
「何しに来たの、ラケール?」
「はぁ?お前が手紙で逢いにきてって書いてたから、王都から馬を走らせて来たのに!あーもういい。ルチアの父上に殴られ威圧を受けようと、寝室に突入した俺の事を、少しは労ってくれよ、ルチア」
「うん、ラケール。ありがとう」
「うお、泣くな!別に責めてないから。責めてないぞ。誰が責めても俺はお前の味方だ、ルチア。まじで・・味方だから」
「これから、アルフレート兄上とアンリをくっつける。二人の意思なんてまるで無視して、兄上とアンリを親しい関係にする。それが身勝手な行動だとわかってる。それでも僕の味方でいてくれる、ラケール?」
「当たり前だ。それがルチアの選択なら、ためらうな。正しいと思う道を歩め、ルチア!」
「ありがとう、ラケール」
「俺が傍にいる、ルチア」
「僕を一人にしないで、ラケール」
「こんな危なっかしい奴を一人にできるかよ。なあ、全部終わったら・・その、俺との事を真剣に考えて欲しい」
「ラケール」
「きっと、俺といると楽しいはず!」
「うん、きっと楽しいだろうね」
「よし、ちょっと笑った!」
「そう?」
「ああ、笑ったよ。ルチアは涙をいっぱい流したけど、また笑えるようになる。俺が保証する」
「ありがとう、ラケール」
「どういたしまして、ルチア」
END
◆◆◆◆◆
(文通)
◇◇◇◇
親愛なるルチアへ
ルチア、元気か?まあ元気ではなさそうだが、俺も元気ではない。何故なら陛下からとんでもない話を聞かされたからだ。陛下の話を信じるなら、この世界はゲーム世界で筋書きが決まっているらしい。
そして、アンリが四人の攻略対象者とイチャイチャしないと、陛下が暴君になるらしい。俺は陛下が乱心したのではないかと疑っているのだが、まあそれはいい。
陛下がアンリをイチャイチャさせるには、ルチアの力が必要らしいと言っていたが本当か?陛下からルチアを王城に出仕させるように命じられた。陛下によるとルチアには、半年の休養は許したがそれ以上は許してはいないとの事。ルチアを出仕させるために、陛下は一週間前に王家から迎えの馬車を送ったらしい。だが、ルチアの父上が威圧を放ち続けて馬車が吹っ飛んだそうだな。何やってんの、ルチアの父上は?陛下からの手紙は握りつぶされるから、俺がルチアと手紙のやり取りをすることになった。まあ、ルチアと文通するのは悪くはないが。むしろ、いい感じの花束を添えたいが、ルチアの事だからチョコとかの方がいいか?返事をくれ、ルチア。
ルチアが大切な人を喪った事は陛下から聞いた。「運命の番」を喪って半年で活動を再開しろは、無茶な話だよな。つうか、俺が辛い。お前の「運命の番」は俺だとマジで思っていたのに。
俺も半年領地に籠りたい。しかし、陛下の命令でアルフレートとアンリの動向を探っているので、王都を離れる機会さえ得られない。陛下によい報告ができるとは到底思えないのに最悪だ。何故なら、二人には全く進展が無いからだ。イチャイチャどころか、会話すらない。現在、アンリはΩ×Ωの小説制作に夢中になっており、だれも近付くことの出来ない不気味なオーラを醸し出している。因みに、ジャクソンの情報ではルチア×アンリの壮大なお話らしい。
まあ、ルチアは読まなくてもよいと思う。そんな状態なので、ルチアから良きアドバイスをもらいたい。陛下の圧力が半端ないので助けてくれ、ルチア。
追伸
俺のアソコがとんでもなく勃起する魔法の粉を入手した。スパニッシュフライという魔法の粉なのだが、これを飲むだけで折れなかった。実に完璧だった。いっておくが、オメガでは試していないぞ。あくまでもベータの尻で試した結果だ。俺の立派な勃起をぜひ幼馴染のルチアに見てもらい。
ラケール = トゥリエルより
◇◇◇◇
親愛なるラケールへ
ラケール、お手紙ありがとう。まず最初に忠告しますが、スパニッシュフライは毒物です。尿道が炎症を起こし、勃起状態になっているだけです。量を間違えると死にます。長く飲んでも死にます。ラケールが早死にしては辛いので、今すぐに服用を止めてください。それから、ベータの尻を実験に使わないように。本当に好きな人に挿入しなさい、ラケール。しかし、僕が「運命の番」を喪ったばかりなのに、下ネタを手紙に書くラケールには心底呆れます。だけど、まあよいでしょう。ラケールが手紙にチョコを添えてくれたら許します。
ところで、アルフレート兄上とアンリのイチャイチャの件ですが、僕に秘策があります。精神状態も良くなってきたので、そろそろ王都の邸に移ろうかと考えています。その際に、ダブルデートを提案したいのですがどうかな?僕とラケール、アルフレート兄上とアンリ。この四人で王都の有名な場所を回ります。デートコースはラケールに任せるけど、アンリの育った孤児院のある教会に寄りたいので自然な形で組み込んで下さい。教会でアンリと兄上を二人きりにするつもりです。実は二人は子供時代にここで出逢いを果たしています。もし、自然の流れで二人が教会でのエピソードを思い出したなら好感度が爆上がりします。
しかし、自然に思い出せない場合には、ラケールにはチューリップの花壇を荒らしてもらいます。チューリップの球根が、アルフレート兄上とアンリの記憶を呼び起こす鍵となります。もちろん、ラケールが花壇荒らしで教会関係者に捕まった場合には、すぐに救助できるように手配するので安心して下さい。それから、陛下には王妃と仲良くして、教会とは一定の距離を保つように忠告して下さい。カトリックである陛下に不満のある王妃は、フス派に取り込まれて改宗することになります。そして、陛下と王妃の対立が深まり、問題が大きくなっていきます。フス派は後にプロテスタントとなる宗派ですが、異世界でも血塗られた宗教弾圧が行われ、果ては宗教戦争に発展します。ですが、この世界では絶対に起こしてはならないと考えています。内乱が起きないルートがあるのなら、それを選択する事が正しいと僕は考えます。僕は僕の正しいと思った行いをします。きっと、ラケールなら理解してくれると信じています。
追伸
以前に、ラケールは言ってたよね?僕が自殺を図った後、僕を見て大切なものを喪ったと感じて涙が出たと。同時に、目覚めた僕に対して愛しいと感じたと。まさか、言った事を忘れていないよね、ラケール?もしも、アンリと兄上が婚姻したらちょっと寂しいなぁと思ってます。そうしたら、不意にラケールの底無しの明るさが、僕には必要かなって思うようになりました。会いたいよ、ラケール。僕は寂しい。本当に寂しくて辛い。こんなわがまま言えるのは、ラケールだけだって気がついて。会いに来てほしい。わがままだけど、会いたいよ。ごめんね、ラケール。最近、悪夢を毎日のように見て苦しいです。何度も見て心細くて耐えられない。ラケールに逢いたいよ。
ルチア = ガーディナーより
◇◇◇◇
親愛なるルチアへ
今すぐに逢いにいく、ルチア!
ラケール = トゥリエルより
◆◆◆◆◆
(悪夢)
『僕は『運命の番』としてライの首を噛む。そして、僕はライに想いを流し込む。ライの中のアルフレート兄上への愛情が消え去るまで』
『ごめん、ライ。大切な想いを奪ってごめん。ごめんな、ライ。奪ってしまて・・』
◇◇◇◇
これは悪夢だとわかってる。
だけど、怖い。
アルフレート兄上への想いが消えたから、こんな未来は決してこない。
来ないけど。
悪夢だとわかっていても、辛い。
何より、怖い。
◇◇◇◇
ルチア、聞こえる?
あのね、僕は何も出来なかった。
半年間も領地に籠って、僕はなにもしなかった。何も出来なかった。何も・・。
◇◇◇◇
『アルフレート兄上!』
『ルチア、どうした?』
『「どうした」ではありません!兄上がアンりと共に王城に攻めこむと聞きました。とても正気とは思えません!兄上はフス派に改宗された訳ではないのでしょ?アンリの為ですか?アンリの為に命を危険に晒すおつもりですか、アルフレート兄上!』
『アンリの為ではなく、俺自身の為に王城に向かうつもりだ。ルチアも王国の惨状を見て思うところはあるだろ?陛下は暴君と化した。陛下を討たねば惨劇は止まらない。今は、己の命を惜しむ時ではない。そうは思わないか、ルチア?』
『陛下は望んで暴君になった訳ではありません。それに、王城に攻め入れば必ずアンリを喪います。兄上に大切な人を喪って欲しくないのです!』
『アンリはレスキリアン王国打倒の旗頭として欠かせぬ存在となっている。彼も死を覚悟しているだろう。だが、アンリを死なせはしない!俺は仲間たちと誓った。何があろうとアンリを守ると。そして、クリストフェル = レスキリアンを討ち果たす!』
『アルフレート兄上!それでも、アンリは死ぬ運命にあるのです。兄上とアンリは幸せになれた筈なのに!どうしてこんなことに。駄目です、兄上。行かないで、アルフレート兄上!』
◇◇◇◇
ルチア、聞いて。
怠けていたわけじゃないんだよ?
ただ、本当に何もできなかったんだ。『運命の番』を喪って、半年間は寝たきりになってしまった。気分が上がったり下がったり。ふらふらふらふら。
ルチアの元に逝きたくて・・
ルチアと共に歩みたくて・・
◇◇◇◇
『残念だよ、ルチア。君には失望した』
『え?』
『アンリはこの国のオメガの為に立ち上がったというのに、ルチアは屋敷に引きこもり何もしようとしない』
『だって、僕は「運命の番」を喪ったばかりなのですよ?悲しくて辛くて。なのに、アルフレート兄上は、僕が何もしないと責めるのですか?』
◇◇◇◇
ルチア、ルチア。
傍にいっては駄目なの?
生きるのが辛い。辛くてたまらない。
寂しい。寂しい。
◇◇◇◇
『大切な人を喪ったのは・・ルチアだけじゃない。多くの人々が伴侶や子を魔女狩りで喪っている。アンリも多くのものを喪った。彼が全身を甲冑で覆っている理由を知っているかい?アンリは謂れなき罪で捕まり、ひどい拷問を受けた。死の寸前に救いだしたが、ひどい状態だった。アンリは全身に烙印をおされ、皮膚は焼き爛れている。右耳は削ぎおとされ、顔の皮膚の一部を剥がされた。今も身体中に包帯を巻いている』
『アンリは幸せになれたのに・・』
『そうだ。アンリは幸せになれた。陛下が乱心して暴君にならなければ、今頃は甲冑ではなく婚姻衣装を身に纏っていたかもしれない。だが、アンリは弱音を口にする事なく、同じ目にあった民衆を励まし続けている。立派だよ、アンリは。「王国を倒せ」との神の声を聞いたそうだが、きっと真実なのだろう。強くて心優しいオメガ。もしも平和な時を歩んでいたなら、アンリに婚姻を申し込んでいたかもしれない』
『どうして、もっと早くにそうしなかったのですか、兄上!そうすれば運命は変わったのに!アルフレート兄上もアンリも、幸せになれたのに!』
『現実から目を逸らすな、ルチア』
『いいえ!僕はこのルートを認めません!断じて認めません!アルフレート兄上やアンリの意思など、もう関係ありません。僕は僕の意思を優先します!僕が望むものは僕自身の幸せです。その幸せには、二人の笑顔が欠かせないのです。その為なら、二人の意思など完全無視です!僕は陛下側につきます。レスキリアン王国の破滅など阻止します。絶対にです!』
◇◇◇◇
これ以上、誰かを喪いたくない。
喪ったら・・今度こそ壊れる。
ルチアがこの体をくれた。だから、駄目だ。壊しちゃ駄目だ。
◇◇◇◇
『すでに崩壊は始まっている。今さら何ができるというんだい、ルチア?』
『まだ崩壊は始まっていません!この会話が全て悪夢だということも、僕は分かっています!僕は何度も何度もこの悪夢を見てきました。ですが、目覚めればまだ平和で・・僕が動き出せばまだ間に合います』
『そうだといいが、どうだろうね?』
『アルフレート兄上とアンリ=プラデスをハッピーエンドに導く為の鍵を、僕はずっと隠していました。それを実行するまでです。二人の意思なんて関係なく、ルートを開く鍵を使います』
『その鍵とは何のことだい、ルチア?』
『アルフレート兄上は、亡くなった父親に新種のチューリップの球根を盗むよう命じられていたでしょ?ガーディナー家の温室に忍び込んだ様に、王都の教会に深夜に忍び込んだ事があった筈です。違いますか、兄上?』
『違わないよ、ルチア』
『だけど、新種の球根は高値で取引されるから、教会の人は見廻りをしていた。盗難現場を見つかった兄上は、逃げ場を失い窮地に陥る。そんな兄上を助けてくれてのは、教会に併設された孤児院で暮らしていたアンリだった。アンリは兄上を逃がした後に教会の人たちに見つかり、犯人を逃がしたと折檻を受けました。いまでも、手のひらに少し折檻の傷が残っています。』
『確かに教会に忍び込んだことはある。だが、それで何が変わると言うんだい?』
『全てが変わります、兄上。それが、ハッピーエンドへのルートを開く鍵だからです!アルフレート兄上とアンリが教会を訪れると、二人は過去に出逢っていた事を思い出します。これで、二人の好感度は爆上がりするんです。しかも、爆上がりが半端ない。『他人レベル』なら『友人レベル』に、『友人レベル』なら『恋人レベル』に達します!これで、二人の笑顔は守られる。僕の笑顔も守られます!』
『それを知っていながら、何故今まで黙っていた?なぜ、誰にも話さず秘密にしていたんだ、ルチア?』
『そんなの決まっているじゃないですか!アルフレート兄上が大好きで、アンリに渡したくなかったからです!兄上を独り占めにしたかった!兄上に抱かれて愛されたかった。もっと、もっと、もっと!それ以外に秘密にする理由がありますか?』
『ならば、何故話す気になった?』
『だって、「運命の番」が奪ってしまったのだもの。僕があやまった選択を選ばないように、兄上への恋心をルチアが奪ってくれた。もう僕には、アルフレート兄上への情愛はありません。親愛の情だけです。だから、秘密にする必要がなくなったのです、アルフレート兄上』
『ルチアはもう俺を愛してはいない訳だね?もしも、俺が今もお前を愛していても、その想いは無視するのか?』
『想いは・・無視します、兄上』
『そうか』
『・・・』
『別れの挨拶をしよう、ルチア』
『はい、兄上』
『さようなら、ルチア』
『さようなら、アルフレート兄上』
◇◇◇◇
『僕が死ねば、君は僕の呪縛から解放されて、また恋ができる。誰とでも自由に恋ができるんだ。白紙の状態でライの人生を歩んで欲しいと僕は思ってる』
『ライ・・どうか、このまま逝かせて』
◇◇◇◇
ルチア。
生きるってしんどいね。
辛いね。
頑張るのって辛いよ。
すごく疲れて、くたくたなんだ。
ルチア、聞いてる?
◆◆◆◆◆
「起きろ、ルチア」
「え?」
「悪夢は終わりだ、ルチア」
「誰?」
「声でわかるだろ?俺は悪夢に苦しむルチアを救いに来た王子様だ」
「忠犬ラケール?」
「何故そうなる!?」
「何しに来たの、ラケール?」
「はぁ?お前が手紙で逢いにきてって書いてたから、王都から馬を走らせて来たのに!あーもういい。ルチアの父上に殴られ威圧を受けようと、寝室に突入した俺の事を、少しは労ってくれよ、ルチア」
「うん、ラケール。ありがとう」
「うお、泣くな!別に責めてないから。責めてないぞ。誰が責めても俺はお前の味方だ、ルチア。まじで・・味方だから」
「これから、アルフレート兄上とアンリをくっつける。二人の意思なんてまるで無視して、兄上とアンリを親しい関係にする。それが身勝手な行動だとわかってる。それでも僕の味方でいてくれる、ラケール?」
「当たり前だ。それがルチアの選択なら、ためらうな。正しいと思う道を歩め、ルチア!」
「ありがとう、ラケール」
「俺が傍にいる、ルチア」
「僕を一人にしないで、ラケール」
「こんな危なっかしい奴を一人にできるかよ。なあ、全部終わったら・・その、俺との事を真剣に考えて欲しい」
「ラケール」
「きっと、俺といると楽しいはず!」
「うん、きっと楽しいだろうね」
「よし、ちょっと笑った!」
「そう?」
「ああ、笑ったよ。ルチアは涙をいっぱい流したけど、また笑えるようになる。俺が保証する」
「ありがとう、ラケール」
「どういたしまして、ルチア」
END
◆◆◆◆◆
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せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
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名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
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BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
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……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
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ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
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断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
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追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
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BL
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ファンタジー
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「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
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とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
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それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
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(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
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BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
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本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
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一気に読みました。文才と語彙力がないので思いの丈を表しきれることができないのですが、とてつもなく好きです。
そしてハピエンの続きはどこですか!!!と台パンしようと手が疼く自分がいます。どうか…みんなが報われる最後を…………
他の方への返信を見たら、思いつくまま書くスタイルだった様で驚きでした。すごい………
素敵な作品をありがとうございます。
感想コメントありがとうございます。
嬉しい感想で元気が出ました。思い付くままに小説を書くスタイルが好きでプロットなしです💦
その為に、この作品では色々なところで破綻があったなと反省しています。自分の書きたいシーンに出会ったときに、続きを書くことが出来なくなりました。だから、ちょっと落ち込んでいました。
でも、嬉しいコメントをいただき元気が出てきました。感想コメントありがとうございました( 〃▽〃)
遅ばせながら、先程一気に拝読させて頂きました。
今度はゲーム世界かぁと思いながら、徐々に読み進め、前半ちょっと登場人物が被るところがあるなぁと思いましたが、後半壮大なファンタジー世界が一本の映画のようでした。鏡の霧に包まれるあたりから光景が目に浮かぶように丁寧に描写され、気持ちが昂り父上の腕の中で…作者様の思考がストップした気持ちよく分かりました。
物語的には、ゲーム世界のてんやわんやより雷とルチアの運命の方に重点が置かれている結果、ここで終わるのもまた必然と思えました。
あと私がオメガバース信者で無かったのも幸いしたのかも笑
アルミン的ラケールが幸せになれそうなのも嬉しい誤算。兄上は血が繋がっている以上、ゲーム的ハピエンに繋がるアンリと幸せになってもらいたいですね。
長々と書きましたが、なんだか第2章が始まりそうな読後感、今回も楽しめましたありがとう。
感想コメントありがとうございます。
そうなんです💦
ルチアとライが出逢い、父上が迎えに来た瞬間に、作者の思考が完全に停止してしまって。
ああ、私はこのシーンを描きたかったのか。たどり着くのに、ずいぶん時間がかかってしまった。
そう思うと、もう続きを書くことができなくなりました。
続編は考えてはいませんが、改稿はしたいなと思っている作品です。
コメントありがとうございました。
今日の発信泣けました。
本物のルチア?が最後に父上に看取って貰えて良かったです。
父上もルチアの思いを感じたからこそ、意志を尊重したんですね
感想コメントありがとうございます。
本物のルチアが父親の腕に抱かれて微笑む姿のところで、作者の脳みそがストップしてしまいました。これ以上は書けないと断念しました。
ラストにラケールとの文通を添えたので、まだお読みでなければよんで頂きたいです。ありがとうございました。