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15話
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夕食まで招ばれた後、俺とルーカスは滞在先の家へと戻ってきた。帰り道の間ルーカスは無言だったけど、玄関ポーチに立ち鍵を取り出そうとしたところで、急に後ろからがばっと抱きついてきたのだ。
「ど、どうした、ルーカス? 気分悪いのか?」
「気分は最高だ。ノアの独占欲見せつけられて、さっきから興奮が収まらねぇんだよ。もう限界」
熱い吐息と共に、俺の尻に自分の昂ぶりを擦りつけてくる。既にガン勃ちしているのが、見なくてもよく分かった。
なんとか鍵を開け玄関に転がり込むと、扉が閉まる時間すら惜しむようにルーカスが唇を貪ってきた。
「んん、っぁ……、ちょ、ルーカス、ま……待てって……ぁ」
唇を割り入って、じゅっ、ぬちっと濡れた音を響かせながら口腔を蹂躙するルーカスの舌に翻弄されながら、俺はヤツの胸を押し返し距離を取ろうとした。でもその手を掴まれ、身体ごと壁に押し付けられて更に貪られてしまう。
「っん、んんん……、ふ、ぅ、ぁ」
口づけはいつもより激しく、俺に空気を吸う暇すら与えてくれない。漸く唇が離れた時には、肩で息をするくらい呼吸も乱れ、快楽に目に薄っすら涙を浮かべてしまっていた。ぼんやりと放心する俺の耳に、ルーカスの荒い息遣いが聞こえてくる。
「はっ、はぁ、はぁっ! ノア、ノア、ノア‼」
服の前身ごろを破かんばかりの勢いで開くと、ルーカスは次第に唇を下に下にと下げていく。首筋にねっとりと舌を這わせて強く吸ったかと思うと、ガジっと力を籠めて噛みつく。
俺のモノだと主張するようなその行動に、俺も自分の理性の箍が外れる音が聞こえた。
「あ、あん、ああ……っ! そ、こっ、気持ちっ、い……っ、ぁ」
声を押さえる事も忘れ、ルーカスの与える刺激にひたすら嬌声を上げる。
ルーカスは乳首に舌を絡ませ、押しつぶすように捏ね繰り回し、ぷくっと立ち上がったソレに歯を立ててくる。その刺激にゾクゾクとした快感を背筋に走らせながら、更なる刺激を求めて俺はルーカスの頭を抱き込んだ。
「ん、ルー……、ルーカス。もっとっ!」
「ノアは乳首イジメられんの好きだもんな」
喉の奥でくつりと笑いながら、ルーカスは俺の乳首に息を吹きかけるように囁く。その緩い刺激がもどかしくて、俺は腰をくねらせて、既に勃ち上がっていた自分のモノをルーカスに押し付けた。
「あー……いやらしい匂いがしてきた。すっげぇ興奮する……」
ルーカスはうっとりと呟きながら、既に寛げられていたズボンの淵に手を掛けると一気に引き下ろしてきた。途端に俺のモノが先走りの液を粘着かせながら、ぶるりと身を揺らして飛び出してくる。それを掌で包み込むと、ヤツは鈴口を親指の腹で柔く擦り始めた。
「ああっ、あ、あ、あっ」
「こっちも可愛がってやらねぇとな」
掌を上下に動かして、俺のモノを扱き始める。同時に乳首にも舌を這わせ、口腔内でころころと転がし始めた。
「まっ、い、しょは、や……ぁっ」
強すぎる刺激に思わず腰を引いて逃げようとしたけれど、ヤツの片方の腕ががっちり腰に回され逃げる事ができない。ちゅぽっと濡れた音と共に乳首から口を離すと、俺のモノを扱く手もそのままに、唇で肌を辿り始めた。臍の窪みに先端を尖らせた舌を入れると、ぐりぐりと舐めまわす。
「俺のぶっこんだら、この辺まで届くもんな。臍のちょい下、俺ので押し上げられてボコってなってんの見るの、マジで興奮する」
舌が臍から出て、ルーカスの言う場所に這っていく。そして、大きく口を開けるとその場所をガブっと強く噛んできた。
暫くして口を離すと、肌に赤く歯型が残る。その痕を愛おしそうに舐め、ルーカスはうっとりとを目を細めて俺を見上げながら囁いた。
「後でよく見とけよ。ここ、ガン突きしてやるから」
欲を孕む銀の瞳に見据えられ、俺は興奮にぶるりと身体を震わせた。
このルーカスの目。俺を求めて求めて求めて、堪らない程の渇望をチラつかせるその目に見つめられる度に、ルーカスは俺のモノなんだと実感するんだ。
「は、やく……っ、くれ……っ!」
我慢できずに震える手でルーカスの頬を包みこみ懇願すると、ヤツは興奮を隠せない様子でニヤリと哂った。
「まだ、後ろ、可愛がってないから、ダメ」
そう言うと、ルーカスは先走りでぬとぬとになった俺のモノを躊躇なく口に含んでいった。俺の腰が引けないように両手で尻の肉を掴んで押さえ込み、じゅっじゅっと淫猥な音を立てながら、舌で、上顎で、喉の奥でキツく緩く扱いていく。
「っっっっ‼ぁああ……っ」
根元まで咥え込み、鼻先をぐりっと下腹部の茂みに押し付ける。ごきゅごきゅと音が聞こえてきそうなヤツの喉の動きに、俺は堪らず声を上げた。
「やっ……っ、ルー……っ、ルー、カス、出るっ! 出る、から……っ!」
ルーカスの額を押して離すように促すが、ヤツは俺の言う事など聞く気もないのか、より一層激しく扱きだした。と、同時に尻を掴んでた手がゆるりと位置を変え、尻のあわいに隠れた孔を暴く。遠慮もなく指を潜り込ませると、いやらしく蠢かせながら抽挿を繰り返し始めた。
「はっ、はっ、はっ……、あああ」
前と後ろと、目も眩むような刺激を容赦なく与えられ、俺はもう喘ぐ事もできずに獣じみた息を吐き出すだけで精一杯だった。そんな俺の状態をよく分かっていたのか、ルーカスは口に含む俺のモノを一際強く吸いあげ、後孔にも深く深く指を押し入れた。
「っ、ひゅ……っ!」
強い刺激に目の前にチカチカと光がチラつき、ぐぐっと全身に力が籠る。次の瞬間、背筋を痛いくらいの刺激が走り抜け、俺はルーカスの口の中に白濁を放っていた。
「は、はあ、あ、あ……、はあ」
最早、痛いのか気持ちいいのかも分からない刺激に、内太腿が震える。そんな俺を、立ち上がったルーカスはどろんと我を失くしたような眼つきで見つめていた。
「……勃ち過ぎていてぇ」
ぼそっと洩らすと、自分のズボンの前を寛げ、グロいくらいに血管を怒張させた雄芯を取り出した。先走りに濡れ、下穿きとの間にねっとりと糸を引く。
「入れるぞ」
そう宣言すると俺の片脚を腕に抱え、後孔に昂ぶった雄芯を押し当てた。
「力、抜いてろ」
ちゅっとこめかみに口づけると、一気に中に押し入ってきたのだ。ずん! と激しく腹の奥に突き立てられ、激痛にも似た快感の波が広がった。
ずちゅ、ずちゅっと淫靡な音を響かせながら、抽挿入が繰り返される。
「はぁ、は、ノア! ノア!」
しんなりと眉を寄せ、荒い息を零しながら俺の名前を呼ぶルーカス。額から頬を伝い、顎から滴り落ちる汗、俺を力強く支える逞しい腕、羨ましい程の筋肉に覆われた腹筋、そして俺の最奥を目指して妖しく何度も振っている腰つき。
その全てが俺を興奮させ、絶え間なく快楽を生み出し、俺を縛る全ての枷を取り払っていく。そして叫び出したくなるのだ。
『コレは、俺のもんだ‼』……と。
醜い独占欲だと笑われても構わない。全てをなげうってでも欲しいのは、ルーカスだけなのだから。
「ああああっ、や、ルーカス! イく……っ! イく、イく、イく……っ!」
グポッ、グポッと最奥を抜き出しする度に生まれる快感に、覚えのある感覚が背筋に走り抜ける。ルーカスは荒い息を繰り返しながら、さっき自分が付けた噛み痕をゆるりと優しく撫で擦った。
「イけよ。この場所を俺に可愛がられながら、好きなだけイけ……っ!」
「――――――!」
ズン! と一際奥を抉られ、俺の顎がぐっと跳ね上がる。声もなく全身を戦慄かせ、俺は途方もない幸福を感じながら達してしまった。同時にぎゅっと腹に力が入り、ルーカスのモノを締めつける。
「っ、はっ! サイコー」
ルーカスの言葉と同時に、ヤツのモノも俺のナカに白濁を吐き出したのだった。
腹の奥がじわりと熱くなる。ヤツははあはあと息を吐き出しながら、更にぐいぐいと俺の尻に腰を押しつけて揺する。
奥の奥にまで自分を染み込ませたいとでもいう様な行動に、俺の身体に甘い刺激が走り、我慢できずにもう一度イってしまった。
「大丈夫か、ノア」
次の日の昼過ぎに目を覚ました俺に、ルーカスは甘く誂うように声を掛けてきた。
視線を横にながすと、俺に腕枕をするために横向きに寝転ぶルーカスが視界に入る。にこにこと笑顔全開で、纏う雰囲気さえも砂糖菓子のように甘い気がする。
「おま……、毒喰らったくせに、なんでそんなに元気なんだよ……」
重怠い身体を叱咤しながら腕を持ち上げて、額に張り付く髪を掻き上げながら毒づく。
そう、昨日確かに麻痺毒を受け、正に息も絶え絶えだったクセに、解毒した途端朝までセックスし続ける元気があるっていうのが納得いかない。
ムッツリと呟く俺を、ルーカスは好きで好きで堪らないといった様子で抱き寄せ、チュッチュと何度も髪に口づけを落としてきた。
「そりゃ俺は獣人だし、ノアより体力あるから。それにあんな可愛い独占欲見せつけられたら、興奮するなってのがムリな話だ。いくらでも力が湧き出るに決まってるだろ」
独占欲を可愛いと評する感性も、興奮すると力が湧き出るという謎システムも、なに一つ理解はできない。
でも、つまるところ俺達は両想いだっていうのは実感できたから、まぁ許そう。
俺はビキビキと痛む腰を宥めながらルーカスの腕からすり抜けると、ゆっくりと起き上がった。
「腹減ったしメシを食べよう、ルーカス。それから郷にいる間の予定も立てなきゃ」
「俺はこの家に籠もってセックス三昧でもいいけど?」
「お前ね……」
朝まで散々ヤリまくってたクセにと呆れてしまう。
「俺がお前の家族に知ってもらう努力するっていうのに、同意したろ」
「同意はしたさ。でもアイツら十分ノアの事理解したと思うし、受け入れたんじゃねぇのか」
「は?」
ルーカスの言葉に、きょとんと瞬く。そんな俺を可笑しそうに眺めると、ルーカスはベッドから立ち上がった。
「ま、ノアの好きなようにすればいいさ。で、気が済んだら帰ろうぜ、俺達の家にさ」
そう言って俺に手を差し伸べてきたルーカスを、俺は眩しく見上げる。
「そうだな。帰ろう。俺達の家に」
俺はそっと笑みを零すと、その腕を掴んで立ち上がった。
「ど、どうした、ルーカス? 気分悪いのか?」
「気分は最高だ。ノアの独占欲見せつけられて、さっきから興奮が収まらねぇんだよ。もう限界」
熱い吐息と共に、俺の尻に自分の昂ぶりを擦りつけてくる。既にガン勃ちしているのが、見なくてもよく分かった。
なんとか鍵を開け玄関に転がり込むと、扉が閉まる時間すら惜しむようにルーカスが唇を貪ってきた。
「んん、っぁ……、ちょ、ルーカス、ま……待てって……ぁ」
唇を割り入って、じゅっ、ぬちっと濡れた音を響かせながら口腔を蹂躙するルーカスの舌に翻弄されながら、俺はヤツの胸を押し返し距離を取ろうとした。でもその手を掴まれ、身体ごと壁に押し付けられて更に貪られてしまう。
「っん、んんん……、ふ、ぅ、ぁ」
口づけはいつもより激しく、俺に空気を吸う暇すら与えてくれない。漸く唇が離れた時には、肩で息をするくらい呼吸も乱れ、快楽に目に薄っすら涙を浮かべてしまっていた。ぼんやりと放心する俺の耳に、ルーカスの荒い息遣いが聞こえてくる。
「はっ、はぁ、はぁっ! ノア、ノア、ノア‼」
服の前身ごろを破かんばかりの勢いで開くと、ルーカスは次第に唇を下に下にと下げていく。首筋にねっとりと舌を這わせて強く吸ったかと思うと、ガジっと力を籠めて噛みつく。
俺のモノだと主張するようなその行動に、俺も自分の理性の箍が外れる音が聞こえた。
「あ、あん、ああ……っ! そ、こっ、気持ちっ、い……っ、ぁ」
声を押さえる事も忘れ、ルーカスの与える刺激にひたすら嬌声を上げる。
ルーカスは乳首に舌を絡ませ、押しつぶすように捏ね繰り回し、ぷくっと立ち上がったソレに歯を立ててくる。その刺激にゾクゾクとした快感を背筋に走らせながら、更なる刺激を求めて俺はルーカスの頭を抱き込んだ。
「ん、ルー……、ルーカス。もっとっ!」
「ノアは乳首イジメられんの好きだもんな」
喉の奥でくつりと笑いながら、ルーカスは俺の乳首に息を吹きかけるように囁く。その緩い刺激がもどかしくて、俺は腰をくねらせて、既に勃ち上がっていた自分のモノをルーカスに押し付けた。
「あー……いやらしい匂いがしてきた。すっげぇ興奮する……」
ルーカスはうっとりと呟きながら、既に寛げられていたズボンの淵に手を掛けると一気に引き下ろしてきた。途端に俺のモノが先走りの液を粘着かせながら、ぶるりと身を揺らして飛び出してくる。それを掌で包み込むと、ヤツは鈴口を親指の腹で柔く擦り始めた。
「ああっ、あ、あ、あっ」
「こっちも可愛がってやらねぇとな」
掌を上下に動かして、俺のモノを扱き始める。同時に乳首にも舌を這わせ、口腔内でころころと転がし始めた。
「まっ、い、しょは、や……ぁっ」
強すぎる刺激に思わず腰を引いて逃げようとしたけれど、ヤツの片方の腕ががっちり腰に回され逃げる事ができない。ちゅぽっと濡れた音と共に乳首から口を離すと、俺のモノを扱く手もそのままに、唇で肌を辿り始めた。臍の窪みに先端を尖らせた舌を入れると、ぐりぐりと舐めまわす。
「俺のぶっこんだら、この辺まで届くもんな。臍のちょい下、俺ので押し上げられてボコってなってんの見るの、マジで興奮する」
舌が臍から出て、ルーカスの言う場所に這っていく。そして、大きく口を開けるとその場所をガブっと強く噛んできた。
暫くして口を離すと、肌に赤く歯型が残る。その痕を愛おしそうに舐め、ルーカスはうっとりとを目を細めて俺を見上げながら囁いた。
「後でよく見とけよ。ここ、ガン突きしてやるから」
欲を孕む銀の瞳に見据えられ、俺は興奮にぶるりと身体を震わせた。
このルーカスの目。俺を求めて求めて求めて、堪らない程の渇望をチラつかせるその目に見つめられる度に、ルーカスは俺のモノなんだと実感するんだ。
「は、やく……っ、くれ……っ!」
我慢できずに震える手でルーカスの頬を包みこみ懇願すると、ヤツは興奮を隠せない様子でニヤリと哂った。
「まだ、後ろ、可愛がってないから、ダメ」
そう言うと、ルーカスは先走りでぬとぬとになった俺のモノを躊躇なく口に含んでいった。俺の腰が引けないように両手で尻の肉を掴んで押さえ込み、じゅっじゅっと淫猥な音を立てながら、舌で、上顎で、喉の奥でキツく緩く扱いていく。
「っっっっ‼ぁああ……っ」
根元まで咥え込み、鼻先をぐりっと下腹部の茂みに押し付ける。ごきゅごきゅと音が聞こえてきそうなヤツの喉の動きに、俺は堪らず声を上げた。
「やっ……っ、ルー……っ、ルー、カス、出るっ! 出る、から……っ!」
ルーカスの額を押して離すように促すが、ヤツは俺の言う事など聞く気もないのか、より一層激しく扱きだした。と、同時に尻を掴んでた手がゆるりと位置を変え、尻のあわいに隠れた孔を暴く。遠慮もなく指を潜り込ませると、いやらしく蠢かせながら抽挿を繰り返し始めた。
「はっ、はっ、はっ……、あああ」
前と後ろと、目も眩むような刺激を容赦なく与えられ、俺はもう喘ぐ事もできずに獣じみた息を吐き出すだけで精一杯だった。そんな俺の状態をよく分かっていたのか、ルーカスは口に含む俺のモノを一際強く吸いあげ、後孔にも深く深く指を押し入れた。
「っ、ひゅ……っ!」
強い刺激に目の前にチカチカと光がチラつき、ぐぐっと全身に力が籠る。次の瞬間、背筋を痛いくらいの刺激が走り抜け、俺はルーカスの口の中に白濁を放っていた。
「は、はあ、あ、あ……、はあ」
最早、痛いのか気持ちいいのかも分からない刺激に、内太腿が震える。そんな俺を、立ち上がったルーカスはどろんと我を失くしたような眼つきで見つめていた。
「……勃ち過ぎていてぇ」
ぼそっと洩らすと、自分のズボンの前を寛げ、グロいくらいに血管を怒張させた雄芯を取り出した。先走りに濡れ、下穿きとの間にねっとりと糸を引く。
「入れるぞ」
そう宣言すると俺の片脚を腕に抱え、後孔に昂ぶった雄芯を押し当てた。
「力、抜いてろ」
ちゅっとこめかみに口づけると、一気に中に押し入ってきたのだ。ずん! と激しく腹の奥に突き立てられ、激痛にも似た快感の波が広がった。
ずちゅ、ずちゅっと淫靡な音を響かせながら、抽挿入が繰り返される。
「はぁ、は、ノア! ノア!」
しんなりと眉を寄せ、荒い息を零しながら俺の名前を呼ぶルーカス。額から頬を伝い、顎から滴り落ちる汗、俺を力強く支える逞しい腕、羨ましい程の筋肉に覆われた腹筋、そして俺の最奥を目指して妖しく何度も振っている腰つき。
その全てが俺を興奮させ、絶え間なく快楽を生み出し、俺を縛る全ての枷を取り払っていく。そして叫び出したくなるのだ。
『コレは、俺のもんだ‼』……と。
醜い独占欲だと笑われても構わない。全てをなげうってでも欲しいのは、ルーカスだけなのだから。
「ああああっ、や、ルーカス! イく……っ! イく、イく、イく……っ!」
グポッ、グポッと最奥を抜き出しする度に生まれる快感に、覚えのある感覚が背筋に走り抜ける。ルーカスは荒い息を繰り返しながら、さっき自分が付けた噛み痕をゆるりと優しく撫で擦った。
「イけよ。この場所を俺に可愛がられながら、好きなだけイけ……っ!」
「――――――!」
ズン! と一際奥を抉られ、俺の顎がぐっと跳ね上がる。声もなく全身を戦慄かせ、俺は途方もない幸福を感じながら達してしまった。同時にぎゅっと腹に力が入り、ルーカスのモノを締めつける。
「っ、はっ! サイコー」
ルーカスの言葉と同時に、ヤツのモノも俺のナカに白濁を吐き出したのだった。
腹の奥がじわりと熱くなる。ヤツははあはあと息を吐き出しながら、更にぐいぐいと俺の尻に腰を押しつけて揺する。
奥の奥にまで自分を染み込ませたいとでもいう様な行動に、俺の身体に甘い刺激が走り、我慢できずにもう一度イってしまった。
「大丈夫か、ノア」
次の日の昼過ぎに目を覚ました俺に、ルーカスは甘く誂うように声を掛けてきた。
視線を横にながすと、俺に腕枕をするために横向きに寝転ぶルーカスが視界に入る。にこにこと笑顔全開で、纏う雰囲気さえも砂糖菓子のように甘い気がする。
「おま……、毒喰らったくせに、なんでそんなに元気なんだよ……」
重怠い身体を叱咤しながら腕を持ち上げて、額に張り付く髪を掻き上げながら毒づく。
そう、昨日確かに麻痺毒を受け、正に息も絶え絶えだったクセに、解毒した途端朝までセックスし続ける元気があるっていうのが納得いかない。
ムッツリと呟く俺を、ルーカスは好きで好きで堪らないといった様子で抱き寄せ、チュッチュと何度も髪に口づけを落としてきた。
「そりゃ俺は獣人だし、ノアより体力あるから。それにあんな可愛い独占欲見せつけられたら、興奮するなってのがムリな話だ。いくらでも力が湧き出るに決まってるだろ」
独占欲を可愛いと評する感性も、興奮すると力が湧き出るという謎システムも、なに一つ理解はできない。
でも、つまるところ俺達は両想いだっていうのは実感できたから、まぁ許そう。
俺はビキビキと痛む腰を宥めながらルーカスの腕からすり抜けると、ゆっくりと起き上がった。
「腹減ったしメシを食べよう、ルーカス。それから郷にいる間の予定も立てなきゃ」
「俺はこの家に籠もってセックス三昧でもいいけど?」
「お前ね……」
朝まで散々ヤリまくってたクセにと呆れてしまう。
「俺がお前の家族に知ってもらう努力するっていうのに、同意したろ」
「同意はしたさ。でもアイツら十分ノアの事理解したと思うし、受け入れたんじゃねぇのか」
「は?」
ルーカスの言葉に、きょとんと瞬く。そんな俺を可笑しそうに眺めると、ルーカスはベッドから立ち上がった。
「ま、ノアの好きなようにすればいいさ。で、気が済んだら帰ろうぜ、俺達の家にさ」
そう言って俺に手を差し伸べてきたルーカスを、俺は眩しく見上げる。
「そうだな。帰ろう。俺達の家に」
俺はそっと笑みを零すと、その腕を掴んで立ち上がった。
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二人とも自分の気持ちを改めて飲み込めた旅でしたね!
お互いが独占欲をぶつけ合ってて最高でした( *´꒳`* )
ぴょんた様
感想ありがとうございます〜!
今回はノアにも頑張ってもらいました😆✨
いつも、欲しいものが欲しいと言えない彼の、隠されていた独占欲。ご賞味くださいませ〜😆💖
4話
またノアとルーカスに会えて嬉しいです!!
お忙しい中更新ありがとうございます!
絶対的な味方のルーカスがいてノア良かったね😭!!出自は自分じゃどうしようもないことだけど、それからどう生きて行くかが大切ですよね✨
楽しみです!!
もくれん様
ルーカスのこの執着強めの愛情があるから、ノアも疑う事なく受け取る事ができるんでしょうねぇ……。
正に割れ鍋に綴じ蓋…………笑
読んで頂きありがとうございます!
新連載‼︎ありがとう😊😊😊
赤毛のサニー様
こちらこそ見に来て頂き、ありがとうございます!