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43話:哀しみと絶望の果て
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何が起きたのか、全然理解できなかった。
ズズズ……っていう地鳴りみたいな音がしたかと思ったら、執務室の壁という壁に、バキバキバキっ!と亀裂が入る。
「あ……」と思う間もなくドゴンっっ!!と激しい音と共に、立っていられないくらいの揺れが生じた。
天井が崩れ始め、パラパラと欠片が落ちてくる。
ここから離れなきゃ!
そう思って扉に駆け寄ったけど、取っ手を捻っても扉は開かない。
「ヴィネ将軍!居ますか?」
扉の前で守護しているはずのヴィネ将軍の気配もなかった。
「一体何が……」
そう呟くのと、天井が崩れ落ちるのはほぼ同時だった。振り仰いだ視界いっぱいに天井の一部が写る。
あれが直撃したら、僕は死ぬんだろうか……。
諦めにも似た感覚がじわりと湧いときた、その時。
ラニットの顔が頭に浮かんだ。
眉間にシワを寄せて、目付きも厳しく僕を見ている。怖そうな顔なのに、その瞳には僕を気遣う光が常に灯っていた。
ーーラニット…………!
思わずその名を呼ぼうとして……。落ちてきた瓦礫を身体のあちこちに受けてしまった。そこから先の記憶は、ない。
ゆっくりと目を開けると、そこは真っ白な天井、落ち着いた色調の上品な家具がセンスよく配置してある上等な部屋だった。その見知らぬ部屋のベッドに、僕は寝かされていた。
少し窓を開けているのか、微かな風が部屋へと入り込み繊細なレースのカーテンをゆらゆらと揺らしている。
随分時間が経っているのか、陽は既に高い位置まで昇っていて、空の青さを際立たせていた。
「………………あれ?」
そして僕はぱちぱちと瞬いて、もう一度窓の外を見つめた。
「空が青い………?ここって人間界、ですか……」
もっとよく見てみようと思って身体を起こしかけたけれど、僕は直ぐにそれを後悔した。
肘を付いて身体を捩った瞬間、脳天にまで突き抜ける程の激痛が走ったんだ。
「……………ぁっ…」
あまりの痛さに声も碌に出せず、絞り出すような呻き声だけが出る。
「ーーーー無理をするな」
崩れ落ちるようにベッドに倒れ伏した僕に、誰かが声をかけてきた。
静かな声。だけど、耳に凄く心地良く響く柔らかな声に、僕はそろりと視線だけを動かした。
「ーーーぁ………」
小さな声が洩れ出る。
窓とは反対側の、ベッドサイドに置かれた椅子に座る男を見て、思わず呟いてしまっていた。
「……天使様?」
腰に届く程に長い髪はサラサラで、しっとりと艶を含んで輝いている。肌は驚くほど白く、赤い唇がはっとするほど人目を引いた。
その人が持つ色彩は髪は黒、瞳は金と魔族そのものなのに、美しすぎる容貌と背中にある真っ白な羽が彼を天界に住まう尊き存在と錯覚させた。
「………違う。私は魔族だ、新たな魔王よ」
「………もしかして大公様ですか?」
「そうだ」
鷹揚に頷く姿は、謀略を巡らせ暗躍するタイプには見えない。
僕は痛む身体を宥めながら、何とか上半身を起こした。
それを見守っていた大公は、そっと手を差し出し僕の背中を支えると、座りやすいようにクッションを背部に当ててくれた。
「人間とは脆弱なものだな。ほんの一欠片の石が当たっただけで命を落としかけるとは……」
その言葉に、最後に見た景色を思い出す。そうだ、天井が崩れ落ちてきたんだった……。
「あの部屋を壊したのは大公ですか?」
「壊したのではない」
物憂げに呟くと、サイドテーブルから水差しを取り上げグラスに水を注ぎ手渡してきた。
丁度喉が乾いていた僕は、グラスをありがたく受け取る。
「貴方を、此方側へ連れてこようとした副産物だ」
「何故僕を?………あ、もしかして大赦に関係があるんですか?」
そうだ。確か魔界で捕らえている人間に大赦を与えるよう要求してきたのは大公だったはず。
「貴方に会ってみたかった、と言えば信じるか?大赦を要求したのは、貴方を魔界から此方に連れてくるためだ」
端的に言われても、僕にはよく理屈が分からない。
怪訝な顔で僅かに首を傾げてみせると、彼は口の端で「ふっ」と笑った。
「私は魔族領から出ることはできない。力も領地内でしか奮うことができないのだ。神が下した罰でそう決められている」
ああ、制約のことかな。チラリと考え、僕はグラスに口を付け冷たい水を一口含んだ。
「だが、私が要求したことに対して相手が承諾すれば、領地外でも力が奮える。今回で言えば、私が大赦を要求し魔界が承諾すれば、罪人を此方に移動させるという名目で力を使う事ができるんだ」
ふと、ラニットの言葉が思い浮かぶ。
ーー『大公は物事を移動させる力がある』
成る程。大公は、その力を使って執務室ごと僕を移動させたのか。
「ラニットはその事を知らなかった。だから私の要求を承諾して、まんまと貴方を拐われてしまったという訳だ」
じゃあ、大赦の要求は、僕を人間界に連れてくるためのものだったんだ。
ラニット、今頃それに気付いて怒り狂ってそう……。
最近、常に自分の目の届く範囲に僕を置いていたがっていたラニットだから、絶対に怒ってるだろうなぁ。
もう一口水を飲むと、僕はグラスをサイドテーブルへ置いた。
「それで?ラニットを出し抜き、僕を人間界に連れてきた理由はなんですか?」
真っ直ぐ大公を見ると、彼は美しい顔に艶やかな微笑みを浮かべてみせた。
「復讐を………」
歌うように告げる言葉は優しげで、慈愛さえ含んでいるように感じる。しかし行動はそれに反し、無慈悲に僕を追い詰めた。
手が伸ばされ、首をぐっと掴まれる。ゆっくりと嫐るように手に力が籠められ、じわりと息ができなくなっていった。
「三百年前みたいに、唯一の救いである『審判を下す者』を殺したら、人間界はどうなるかな?」
ゆるりと眦を緩め、楽しげな光を瞳に宿す。
「大事な者を奪われたら、ラニットはどうなると思う?」
ぐぐぐっと大きな手で喉を締め付けてくる。
僕は霞み始めた目で大公をずっと見ていた。
どうしても抵抗する気になれなくて、拘束されてもいない自由な手はだらんと身体の横に垂らしたまま、キツく首を締めてくる手を振り払おうとも思わなかった。
「怒り狂って私を殺す?それとも愛しき者を亡くして第二のザガンとなって世界を壊す?」
だって。
楽しそうに声を弾ませながら、大公は静かに涙を流していたんだもの………。
「それとも、ただ一人、無味乾燥な世界に取り残された自分を嘆き、胸を掻っ捌いて死ぬのだろうか?」
溢れ流れ落ちる大公の涙は、哀しいくらいに美しくて。だからこそ彼の深い絶望を強く感じとってしまったんだ。
ズズズ……っていう地鳴りみたいな音がしたかと思ったら、執務室の壁という壁に、バキバキバキっ!と亀裂が入る。
「あ……」と思う間もなくドゴンっっ!!と激しい音と共に、立っていられないくらいの揺れが生じた。
天井が崩れ始め、パラパラと欠片が落ちてくる。
ここから離れなきゃ!
そう思って扉に駆け寄ったけど、取っ手を捻っても扉は開かない。
「ヴィネ将軍!居ますか?」
扉の前で守護しているはずのヴィネ将軍の気配もなかった。
「一体何が……」
そう呟くのと、天井が崩れ落ちるのはほぼ同時だった。振り仰いだ視界いっぱいに天井の一部が写る。
あれが直撃したら、僕は死ぬんだろうか……。
諦めにも似た感覚がじわりと湧いときた、その時。
ラニットの顔が頭に浮かんだ。
眉間にシワを寄せて、目付きも厳しく僕を見ている。怖そうな顔なのに、その瞳には僕を気遣う光が常に灯っていた。
ーーラニット…………!
思わずその名を呼ぼうとして……。落ちてきた瓦礫を身体のあちこちに受けてしまった。そこから先の記憶は、ない。
ゆっくりと目を開けると、そこは真っ白な天井、落ち着いた色調の上品な家具がセンスよく配置してある上等な部屋だった。その見知らぬ部屋のベッドに、僕は寝かされていた。
少し窓を開けているのか、微かな風が部屋へと入り込み繊細なレースのカーテンをゆらゆらと揺らしている。
随分時間が経っているのか、陽は既に高い位置まで昇っていて、空の青さを際立たせていた。
「………………あれ?」
そして僕はぱちぱちと瞬いて、もう一度窓の外を見つめた。
「空が青い………?ここって人間界、ですか……」
もっとよく見てみようと思って身体を起こしかけたけれど、僕は直ぐにそれを後悔した。
肘を付いて身体を捩った瞬間、脳天にまで突き抜ける程の激痛が走ったんだ。
「……………ぁっ…」
あまりの痛さに声も碌に出せず、絞り出すような呻き声だけが出る。
「ーーーー無理をするな」
崩れ落ちるようにベッドに倒れ伏した僕に、誰かが声をかけてきた。
静かな声。だけど、耳に凄く心地良く響く柔らかな声に、僕はそろりと視線だけを動かした。
「ーーーぁ………」
小さな声が洩れ出る。
窓とは反対側の、ベッドサイドに置かれた椅子に座る男を見て、思わず呟いてしまっていた。
「……天使様?」
腰に届く程に長い髪はサラサラで、しっとりと艶を含んで輝いている。肌は驚くほど白く、赤い唇がはっとするほど人目を引いた。
その人が持つ色彩は髪は黒、瞳は金と魔族そのものなのに、美しすぎる容貌と背中にある真っ白な羽が彼を天界に住まう尊き存在と錯覚させた。
「………違う。私は魔族だ、新たな魔王よ」
「………もしかして大公様ですか?」
「そうだ」
鷹揚に頷く姿は、謀略を巡らせ暗躍するタイプには見えない。
僕は痛む身体を宥めながら、何とか上半身を起こした。
それを見守っていた大公は、そっと手を差し出し僕の背中を支えると、座りやすいようにクッションを背部に当ててくれた。
「人間とは脆弱なものだな。ほんの一欠片の石が当たっただけで命を落としかけるとは……」
その言葉に、最後に見た景色を思い出す。そうだ、天井が崩れ落ちてきたんだった……。
「あの部屋を壊したのは大公ですか?」
「壊したのではない」
物憂げに呟くと、サイドテーブルから水差しを取り上げグラスに水を注ぎ手渡してきた。
丁度喉が乾いていた僕は、グラスをありがたく受け取る。
「貴方を、此方側へ連れてこようとした副産物だ」
「何故僕を?………あ、もしかして大赦に関係があるんですか?」
そうだ。確か魔界で捕らえている人間に大赦を与えるよう要求してきたのは大公だったはず。
「貴方に会ってみたかった、と言えば信じるか?大赦を要求したのは、貴方を魔界から此方に連れてくるためだ」
端的に言われても、僕にはよく理屈が分からない。
怪訝な顔で僅かに首を傾げてみせると、彼は口の端で「ふっ」と笑った。
「私は魔族領から出ることはできない。力も領地内でしか奮うことができないのだ。神が下した罰でそう決められている」
ああ、制約のことかな。チラリと考え、僕はグラスに口を付け冷たい水を一口含んだ。
「だが、私が要求したことに対して相手が承諾すれば、領地外でも力が奮える。今回で言えば、私が大赦を要求し魔界が承諾すれば、罪人を此方に移動させるという名目で力を使う事ができるんだ」
ふと、ラニットの言葉が思い浮かぶ。
ーー『大公は物事を移動させる力がある』
成る程。大公は、その力を使って執務室ごと僕を移動させたのか。
「ラニットはその事を知らなかった。だから私の要求を承諾して、まんまと貴方を拐われてしまったという訳だ」
じゃあ、大赦の要求は、僕を人間界に連れてくるためのものだったんだ。
ラニット、今頃それに気付いて怒り狂ってそう……。
最近、常に自分の目の届く範囲に僕を置いていたがっていたラニットだから、絶対に怒ってるだろうなぁ。
もう一口水を飲むと、僕はグラスをサイドテーブルへ置いた。
「それで?ラニットを出し抜き、僕を人間界に連れてきた理由はなんですか?」
真っ直ぐ大公を見ると、彼は美しい顔に艶やかな微笑みを浮かべてみせた。
「復讐を………」
歌うように告げる言葉は優しげで、慈愛さえ含んでいるように感じる。しかし行動はそれに反し、無慈悲に僕を追い詰めた。
手が伸ばされ、首をぐっと掴まれる。ゆっくりと嫐るように手に力が籠められ、じわりと息ができなくなっていった。
「三百年前みたいに、唯一の救いである『審判を下す者』を殺したら、人間界はどうなるかな?」
ゆるりと眦を緩め、楽しげな光を瞳に宿す。
「大事な者を奪われたら、ラニットはどうなると思う?」
ぐぐぐっと大きな手で喉を締め付けてくる。
僕は霞み始めた目で大公をずっと見ていた。
どうしても抵抗する気になれなくて、拘束されてもいない自由な手はだらんと身体の横に垂らしたまま、キツく首を締めてくる手を振り払おうとも思わなかった。
「怒り狂って私を殺す?それとも愛しき者を亡くして第二のザガンとなって世界を壊す?」
だって。
楽しそうに声を弾ませながら、大公は静かに涙を流していたんだもの………。
「それとも、ただ一人、無味乾燥な世界に取り残された自分を嘆き、胸を掻っ捌いて死ぬのだろうか?」
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