番が欲しいアイツと、実らない恋をした俺の話。

飛鷹

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sideルーカス

4.

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あれからマメにギルドへ顔を出して、クエストを受けている。

それは、いいんだ。それは………。

ギルドでアイツと遭遇して、俺にはちょっと困った問題を抱えている。
もともと獣人のさがか、どうしても戦闘ってなると血がたぎって興奮してしまう。
討伐系クエストなんかでは、仕事が完了してもその興奮はいつまでも燻くすぶって、結局適当に相手を見繕って発散させるハメになるんだよな。

俺は一生を番に捧げ、番のために生きると言っても過言じゃない狼族の獣人だから、番に対する憧れと渇望はどの獣人よりも強い。
だからこの世にただ一人、唯一無二の番を見付けるまでは特定の相手を作りたくない。

それでも欲は発散させたしい、身体の相性ってモンもあるしで後腐れなく付き合えるヤツは数人いた。
なのに最近何でか黒い瞳のヤツばかっかり相手に選んでしまう。

何だコレ………。

あの時の衝動が、変な刷り込みとなってないよな?

ガリガリと頭を掻く。
ほんっと最近俺は何か変だ。

モヤモヤしたものを抱えつつ、クエスト達成後の報酬を手に酒場に向かった。

「よぉ!ルーカスじゃねーか!久し振りだなぁ!」

ザワザワと賑わう酒場の扉をくぐると、近くのテーブルでダンがパーティメンバーと共に呑んでいた。

「おう、久々」

「お前、聞いたか?今度ギルドから高ランク向けのクエストが入るらしいぞ」

「へぇ。獲物は何?」

「キングレッドヴァイパーってさ」

「あのデッカイ毒蛇か」

「そ!それそれ。お前大物の魔物討伐好きだろ?明日辺りクエスト張り出すってよ」

「面白そうだな」

このモヤモヤを発散させるには丁度いい。

「明日ギルドを覗いてみるわ」

「おう。俺達も参加する予定だからよ。宜しく頼むわ」

「ああ」

久々の大物だな。楽しくなってきた。

ダンが教えてくれた通り、翌日ギルドへ行くと例のクエストが貼り出してあった。



討伐対象:キングレッドヴァイパー(番なし)

募集冒険者ランク:Bランク以上

募集人数:10人前後

迷う事なくクエスト受注の紙を取り、窓口へと向かった。



      ★☆★☆



討伐当日の早朝、手早く準備を整えギルドに向かった。
久々の大物の討伐に、気分が高揚してくるのが分かる。
召集場所には既に冒険者が集まっていた。
視界の端に、見覚えのあるマントが映る。

「っつ!!」

そこにあの男、ノアがいた。
予想もしていなかったノアの存在に動揺する。
だけど………恐れていた、あの衝動はこない。

「よう、ルーカス!お前もか!」

「いや、お前なら絶対に受けると思ったんだよ。こーいう大物、好きだもんな」

ホッと胸を撫で下ろしていると、顔馴染みの冒険者が声をかけてきた。

「まぁな」

動揺を隠して、肩を竦め適当に往いなす。
高ランクの冒険者は、当たり前だけど人数が少ない。
だから、大体は知っている顔ぶれだ。

あちこちからの声に答えていると、ふと視線を感じた。
チラリと横目で確認すると、ノアが俺を見ている。

ノアが。

俺を………

俺を、見て………………。

瞬間。
ゾクゾクするモノが背筋を走った。

ヤバいっ!!!

慌てて視線を外す。
身を焼き尽くすような熱が、体内を駆け巡る。

これは、欲情だ………。

ぎりぎりと歯を喰い縛る。

何だよ、これっ!盛ってんじゃねーよ!

自分自身に悪態をつく。
必死に衝動を耐えていると、ふいっと視線が外れる気配がした。

やっべーなぁ………。

確かに顔も体型も、好みのど真ん中。
討伐前で高揚してるからって、コレはないわー。
片手で顔を覆い、はぁぁぁと苦い溜め息を漏らすのだった。



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