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第21話 女勇者とそこから見た視点と
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そして実験的視点変更回、苦手な方はご注意を
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私の名はユウメ、昔の名は……もう捨てた
親しい人にも今後はユウメと呼んでほしいと伝えてある
私の叔母である大姉さん……叔母さんやお義母さんなんて呼ぶと怒るのだ、母と思う事に変わりはないのだけど…少しだけ寂しそうだったが納得してくれた
今、私は王宮の謁見を済ませた所だ
依頼内容である、討伐もしくは撃退を達成した訳ではないので報酬等は最低限しかない。むしろ、くれるだけありがたい位だ。
報告内容は、彼の龍は人語を理解し対話には対話を、武力には武力で答えてくる、こちらから害をなさない限りは安全である
およそ、人にどうこう出来る力ではなく歯向かう者には災禍しかないので手出し無用が最善策だと、今までの出来事はメッセンジャーとして生かされていただけに過ぎない、今後どうなるかわからないので森の最奥への立ち入りを禁止するべきだとも提案しておいた
と、半分嘘で半分本当の事で報告を終えた
人間にはどうしようもないので手出し無用が本当、その他の歯向かう者には等が嘘だ
アンコウ殿から提案された撃退案は止めておいた、渡された角もあるが私のマジックバックに仕舞ったままだ
こんなものを見せよう物なら、欲深い人間が我先にと圧しかける事は明白だからだ。こんなものをポンと渡すあのドラゴンは物の価値を知らないのか、それともお人好しなのか……多分、両方だろう
歯向かう者はもれなく結界の建物の中に投げ込まれるだけだし……
最初の依頼内容から大きく外れてしまった事だが無害であるという事だけは判明したので国側も一安心の様だ
幾らドラゴンの素材等が高価な物とはいえ、戦術剣士が成す術無く報告に戻って来たのを策や数でどうこう出来ると考える程、国も馬鹿ではない。それだけ戦術級の看板は伊達ではないのだから
これ以上は作戦級の…師団クラスの戦力以上を持って臨む事である
経済を……流通を制してこそ善しとするこの商業都市において、他国同士の物ならともかく自国の……人的被害と物資的損失でしかない戦争を、仕掛けられる事はあっても仕掛ける事はない。
師団を……軍を動かすとはそういう事なのだ
つまり暗黒龍に挑むなら戦争する覚悟がいると脅しておいた、勝てる見込みはゼロだとも……これでも挑もうというのなら、もう個人でどうこう出来る問題ではない。
助けの必要性があるとは思えないが大切な暗黒龍を守るため、戦術剣士の腕を振るうのみだ!
私はこれでも才能はあると自負している、戦術剣士である大姉さんに引き取られ、大姉さんの仕事で留守がちな幼い頃は大姉さんの師匠、今では私の師匠でもあるお爺様の修行の元メキメキと力を付けていき、15の頃には一緒に仕事を出来る迄に成長した
それからも実戦の中で頭角を現し、若くして戦術級百人隊長の実力を認められたのだから自惚れでないと断言出来る
そんな挫折という物を知らず、やって出来ない事は無いと思っていた私に最初の挫折がやって来る。大姉さんの病だ……
肺を病んだ大姉さんの日に日に衰えていく姿が辛かった、あの強かった叔母が弱弱しい姿になっていくのが嫌だった、大切な母に何もしてあげられない自分の無力さを痛感するしか出来ない自分が堪らなく惨めだった……
そこに訪れたのが2度目の挫折……暗黒龍討伐だ
莫大な報酬に釣られ、意気揚々と大姉さんを治療出来ると挑んだ私は気付くと結界の建物の中だった
最初は夢だったのかと思ったが擦り切れた衣服が、痛む身体が夢ではなかった事を証明する
それでは諦めきれない私はもう一度挑む事にしたのだが結果は変わらなかった……
ただ瞬殺される事はなく、しばらく相対してやれるだけの事はやったつもりだったが完敗だった。あの対峙した時のプレッシャーが、擦り切れ露わになった剥き出しの太股に圧し掛かり不安を感じたのを覚えている……
そして目覚めた結界の中で、既に成人済みの大人である私なのだが泣いた……それはもう恥も外聞なく泣いた
何でも出来るつもりでいた私が、大切な母を守ることすら出来ない無能な自分の不甲斐無さで泣いた、今まで周りに賞賛された力は何だったのか今までやってきた事はなんだったのか、自己の拠りどころを失い泣いた
泣いてスッキリして覚悟が決まった
何も無いなら命を賭けるだけだと、大姉さんが拾ってくれなかったらどうなっていたかわからない命だ。あっさりと決まった
それからは何度も挑んでは返り討ちを繰り返していく……その都度全力で足りない物は何かを工夫し、足りないのなら限界を超えて引き出す事を繰り返した。
挑む度に何日か動けない事もザラだったが動かない身体とは別に、心には出せる力を出し切った満足感で満たされていた。それでも尚、届かない存在に心から尊敬の念を抱いた
最後に大姉さんの一番の必殺技だった、私の幼い頃からの憧れ……雷光抜刀術の奥義を持って挑んで駄目だったら諦めようと思っていた。
何度挑んでも出来なかった技で、何度挑んでも傷一つつけられない存在に挑む、自暴自棄この上ない行動だったと思う。
結果は成功で失敗だった……奥義をもってして暗黒龍には敵わなかったからだ
その後のことは……これ以上は必要ないだろう。お人好しの暗黒龍と恩人のハイオークと義理堅いダークエルフと可愛い天使が待っているかもしれないから
「申し訳ありません!私がやりましたッ!!」
出会って早々アンコウ殿が頭を下げてくる……どうやら貸していた剣が折れてしまったようなのだ
「いえ、それは別にいいんですが……鋼の剣を折るとは相当ですね……」
今使っている魔法剣を手に入れるまで使っていた鋼の剣は業物と言っていいだろう、熟練の鍛冶師が鍛えた逸品は歴戦の戦士が使っても生半可な事では折れたりしない
それを一度のダンジョントライで折ってくる辺り、やはり彼は規格外なのだろう
魔法剣なら魔力回路を通って強化された切れ味や強度で使い物になるかもしれないが、さすがに魔法剣の予備なんて贅沢な物は持ち合わせていない
今、私のマジックバックにはアヴェスタとドラゴンの角という2大財産が入っている、正直落ち着かないのだが……おおよそ売ってしまえば買えない物はない程の価値のどちらかを換金すれば買えない事はないだろうが、この商業都市でさえこのクラスの魔法剣は滅多にお目にかかれる物ではないので、出物がない事にはどうしようもないだろう
鞘にも魔力回路があり、これを剣と反発させる事によって雷速の抜刀を、引き合わせることによって神速の納刀を、また誤って武器を落とした時に引き寄せたりと使い方は多種多様だ
その事をアンコウ殿に伝えると、とても興味深そうに質問してこられたので答えられる範囲で回答をしておいた
「それよりも、アンリちゃんのマジックバックを買いに行きましょう。こちらになります」
「は~いっ!アンコウちゃんいこっ!」
「お嬢様!走られては危のう御座います。私めの後ろをついて来て下さい」
「マジックバックはどんな縫製技術が使われているのか見るのが楽しみです!」
「それでも私がやりましたっ!!」
数日前まで一人結界の中で悶々としていたのが嘘の様な賑やかさだ、これが今の私の……
「ああ、ここです。ここならアンリちゃんの持ち運び出来るサイズもありますね」
そう離れていない場所なのですぐに着いた、各々見物するがアンリちゃんに合うサイズを店員に言って出して貰う
何個か試着していく内にアンリちゃんに似合う可愛らしいデザインの物をオミ殿が選んだ、やはり彼女の服飾のセンスはさすがだ。
「お~似合う似合う!そんじゃこれにすっか!」
「うんっ!ありがとうアンコウちゃん!」
「ところでこれって俺とアンリの今までの取り分で買えるモンなの?」
この質問には流石の私もムッと来てしまった
「アンコウ殿!私達はもうパーティ……そう、家族だ!誰其れの取り分なんかの垣根を作らないで貰いたい!」
「そうです!私が預かってる分もありますが、これを誰のだと別けて考えた事はありません!勿論私的に使う事もありません!皆で決めて使う物だと思っております!」
「私めの取り分等がある事自体がおかしいのです!どうかお嬢様には出来うる限り最高の物を贈って頂きたい親方様!」
思わず出た言葉にオミ殿もエルナも賛同してくれた
オミ殿は恩人でその実力も尊敬しているので敬称付きで今は呼んでいるが、いつの日か本当の姉妹の様になれたらと思っている
エルナは最初、私も様付けで呼んでくれたが姉の様に接して欲しいと言ったら姉様と呼んでくれている。オミ殿の事もオミ姉様と呼んでいるようだ
可愛い私達の妹……家族だ、そう!勢いで言ってしまったが私達は家族なのだ!
大姉さんとお爺様とお婆様……本当の家族ではないけど本物の家族
そこに増えた新しい家族達……いつか本当に本物の家庭にしたいと思うのはまだ私にも乙女の部分が残っていたのだろう、柄じゃないとは自分でも自覚している///
ワイルドな彼は、どう思っているのだろうか?
大姉さんには彼の事をワイルドと言ったら『まぁ外見で選ばないのは褒めてやる』と言われてしまった。異性の知り合いなんていませんのでよく分からない
少なくとも悪くはないはずだ、龍の時は大きすぎて分からなかったのですが人間の時に感じる太股へのプレッシャーの正体位、今まで修行しかしてこなかった異性との交際経験の無い私でも分かってるつもりです
オミ殿には女の私でも羨ましい武器がふたつもある、実力でも女の魅力でも負けたくない、姉妹でありライバルでもありたい
エルナはまだ少女ではありますが、整った顔立ちなので油断は出来ません。あの細さも羨ましい限りですし……
でも今はこの天使の様な笑顔の幼女に……
アンリちゃんにアヴェスタを返す所から始めよう
「それじゃアンリちゃん、支払いを済ませて荷物の移動をしちゃいましょうね~」
「はいっ!ありがとうユウメちゃん!」
「今日の探索で出た魔石と宗教都市の分もありますので、全然余裕ですしどなたかもう一人分買っても大丈夫ですよ?エルナはどうですか?矢の持ち運びにも便利ですよ?」
「とんでも御座いません!オミ姉様を差し置いてなどッ!……それに……あの、親方様を蔑ろにするのは……お二人の意図は理解しているつもりですが……」
「それでも私がやっちゃいましたか!?これあれですかねぇ!?どちらかと言えば大ヒンシュクって奴ですかねぇ!?」
デリカシーは無いけど察しのいい彼をからかうのはそろそろにしておこう、あの絶望の日々からこうなるとは誰が予想出来たでしょうか
きっと明日の事もこの面々なら予想も出来ないんじゃないのでしょうか……でも希望はある
一つ目の絶望は二つ目の絶望が壊してくれた
曰く、”悪龍の長””悪の根源””破壊神””最後の審判者”……そして絶望するだけの世界の最後の日を起こしてくれた龍の人が
だからこそ二つ目の絶望を私の力で倒したい!
剣士としての実力では無理なので女の魅力で……それなら可能性はゼロではないはずだ…………な~んてね///
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あなたへのオススメ小説で自分の書いた話を持ってこられたアルファポリスのおにちくのごときしょぎょー
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歯向かう者はもれなく結界の建物の中に投げ込まれるだけだし……
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つまり暗黒龍に挑むなら戦争する覚悟がいると脅しておいた、勝てる見込みはゼロだとも……これでも挑もうというのなら、もう個人でどうこう出来る問題ではない。
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私はこれでも才能はあると自負している、戦術剣士である大姉さんに引き取られ、大姉さんの仕事で留守がちな幼い頃は大姉さんの師匠、今では私の師匠でもあるお爺様の修行の元メキメキと力を付けていき、15の頃には一緒に仕事を出来る迄に成長した
それからも実戦の中で頭角を現し、若くして戦術級百人隊長の実力を認められたのだから自惚れでないと断言出来る
そんな挫折という物を知らず、やって出来ない事は無いと思っていた私に最初の挫折がやって来る。大姉さんの病だ……
肺を病んだ大姉さんの日に日に衰えていく姿が辛かった、あの強かった叔母が弱弱しい姿になっていくのが嫌だった、大切な母に何もしてあげられない自分の無力さを痛感するしか出来ない自分が堪らなく惨めだった……
そこに訪れたのが2度目の挫折……暗黒龍討伐だ
莫大な報酬に釣られ、意気揚々と大姉さんを治療出来ると挑んだ私は気付くと結界の建物の中だった
最初は夢だったのかと思ったが擦り切れた衣服が、痛む身体が夢ではなかった事を証明する
それでは諦めきれない私はもう一度挑む事にしたのだが結果は変わらなかった……
ただ瞬殺される事はなく、しばらく相対してやれるだけの事はやったつもりだったが完敗だった。あの対峙した時のプレッシャーが、擦り切れ露わになった剥き出しの太股に圧し掛かり不安を感じたのを覚えている……
そして目覚めた結界の中で、既に成人済みの大人である私なのだが泣いた……それはもう恥も外聞なく泣いた
何でも出来るつもりでいた私が、大切な母を守ることすら出来ない無能な自分の不甲斐無さで泣いた、今まで周りに賞賛された力は何だったのか今までやってきた事はなんだったのか、自己の拠りどころを失い泣いた
泣いてスッキリして覚悟が決まった
何も無いなら命を賭けるだけだと、大姉さんが拾ってくれなかったらどうなっていたかわからない命だ。あっさりと決まった
それからは何度も挑んでは返り討ちを繰り返していく……その都度全力で足りない物は何かを工夫し、足りないのなら限界を超えて引き出す事を繰り返した。
挑む度に何日か動けない事もザラだったが動かない身体とは別に、心には出せる力を出し切った満足感で満たされていた。それでも尚、届かない存在に心から尊敬の念を抱いた
最後に大姉さんの一番の必殺技だった、私の幼い頃からの憧れ……雷光抜刀術の奥義を持って挑んで駄目だったら諦めようと思っていた。
何度挑んでも出来なかった技で、何度挑んでも傷一つつけられない存在に挑む、自暴自棄この上ない行動だったと思う。
結果は成功で失敗だった……奥義をもってして暗黒龍には敵わなかったからだ
その後のことは……これ以上は必要ないだろう。お人好しの暗黒龍と恩人のハイオークと義理堅いダークエルフと可愛い天使が待っているかもしれないから
「申し訳ありません!私がやりましたッ!!」
出会って早々アンコウ殿が頭を下げてくる……どうやら貸していた剣が折れてしまったようなのだ
「いえ、それは別にいいんですが……鋼の剣を折るとは相当ですね……」
今使っている魔法剣を手に入れるまで使っていた鋼の剣は業物と言っていいだろう、熟練の鍛冶師が鍛えた逸品は歴戦の戦士が使っても生半可な事では折れたりしない
それを一度のダンジョントライで折ってくる辺り、やはり彼は規格外なのだろう
魔法剣なら魔力回路を通って強化された切れ味や強度で使い物になるかもしれないが、さすがに魔法剣の予備なんて贅沢な物は持ち合わせていない
今、私のマジックバックにはアヴェスタとドラゴンの角という2大財産が入っている、正直落ち着かないのだが……おおよそ売ってしまえば買えない物はない程の価値のどちらかを換金すれば買えない事はないだろうが、この商業都市でさえこのクラスの魔法剣は滅多にお目にかかれる物ではないので、出物がない事にはどうしようもないだろう
鞘にも魔力回路があり、これを剣と反発させる事によって雷速の抜刀を、引き合わせることによって神速の納刀を、また誤って武器を落とした時に引き寄せたりと使い方は多種多様だ
その事をアンコウ殿に伝えると、とても興味深そうに質問してこられたので答えられる範囲で回答をしておいた
「それよりも、アンリちゃんのマジックバックを買いに行きましょう。こちらになります」
「は~いっ!アンコウちゃんいこっ!」
「お嬢様!走られては危のう御座います。私めの後ろをついて来て下さい」
「マジックバックはどんな縫製技術が使われているのか見るのが楽しみです!」
「それでも私がやりましたっ!!」
数日前まで一人結界の中で悶々としていたのが嘘の様な賑やかさだ、これが今の私の……
「ああ、ここです。ここならアンリちゃんの持ち運び出来るサイズもありますね」
そう離れていない場所なのですぐに着いた、各々見物するがアンリちゃんに合うサイズを店員に言って出して貰う
何個か試着していく内にアンリちゃんに似合う可愛らしいデザインの物をオミ殿が選んだ、やはり彼女の服飾のセンスはさすがだ。
「お~似合う似合う!そんじゃこれにすっか!」
「うんっ!ありがとうアンコウちゃん!」
「ところでこれって俺とアンリの今までの取り分で買えるモンなの?」
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思わず出た言葉にオミ殿もエルナも賛同してくれた
オミ殿は恩人でその実力も尊敬しているので敬称付きで今は呼んでいるが、いつの日か本当の姉妹の様になれたらと思っている
エルナは最初、私も様付けで呼んでくれたが姉の様に接して欲しいと言ったら姉様と呼んでくれている。オミ殿の事もオミ姉様と呼んでいるようだ
可愛い私達の妹……家族だ、そう!勢いで言ってしまったが私達は家族なのだ!
大姉さんとお爺様とお婆様……本当の家族ではないけど本物の家族
そこに増えた新しい家族達……いつか本当に本物の家庭にしたいと思うのはまだ私にも乙女の部分が残っていたのだろう、柄じゃないとは自分でも自覚している///
ワイルドな彼は、どう思っているのだろうか?
大姉さんには彼の事をワイルドと言ったら『まぁ外見で選ばないのは褒めてやる』と言われてしまった。異性の知り合いなんていませんのでよく分からない
少なくとも悪くはないはずだ、龍の時は大きすぎて分からなかったのですが人間の時に感じる太股へのプレッシャーの正体位、今まで修行しかしてこなかった異性との交際経験の無い私でも分かってるつもりです
オミ殿には女の私でも羨ましい武器がふたつもある、実力でも女の魅力でも負けたくない、姉妹でありライバルでもありたい
エルナはまだ少女ではありますが、整った顔立ちなので油断は出来ません。あの細さも羨ましい限りですし……
でも今はこの天使の様な笑顔の幼女に……
アンリちゃんにアヴェスタを返す所から始めよう
「それじゃアンリちゃん、支払いを済ませて荷物の移動をしちゃいましょうね~」
「はいっ!ありがとうユウメちゃん!」
「今日の探索で出た魔石と宗教都市の分もありますので、全然余裕ですしどなたかもう一人分買っても大丈夫ですよ?エルナはどうですか?矢の持ち運びにも便利ですよ?」
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「それでも私がやっちゃいましたか!?これあれですかねぇ!?どちらかと言えば大ヒンシュクって奴ですかねぇ!?」
デリカシーは無いけど察しのいい彼をからかうのはそろそろにしておこう、あの絶望の日々からこうなるとは誰が予想出来たでしょうか
きっと明日の事もこの面々なら予想も出来ないんじゃないのでしょうか……でも希望はある
一つ目の絶望は二つ目の絶望が壊してくれた
曰く、”悪龍の長””悪の根源””破壊神””最後の審判者”……そして絶望するだけの世界の最後の日を起こしてくれた龍の人が
だからこそ二つ目の絶望を私の力で倒したい!
剣士としての実力では無理なので女の魅力で……それなら可能性はゼロではないはずだ…………な~んてね///
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