“絶対悪”の暗黒龍

alunam

文字の大きさ
31 / 87

第30話 アンコウとケジメと

しおりを挟む


 俺の銃の強化なんだが難航している……嫌、強化は順調なんだ………
イキナリ何言ってんだ?と思うだろうが強化自体は上手くいっている。いき過ぎてどこまでも弄れて際限がない

 ミスリルになった事で魔力回路の効率が良くなり、まずリロード時間が大幅に短縮した。発射効率も上がったので有効射程距離が50メートル迄上がった、其処までは順調だった
 魔石自体も質の良い物に変わって魔玉石になっている
魔石は純度の高い物になっていくと魔玉石、魔宝石、魔結晶と名を変えていくと教えて貰った

 容量が大きくなった事により、装弾数を上げるか威力を上げるか、まずそこで悩みが始まった。弾幕か一撃か、好みが別れる問題でもある
 装弾数が同じ威力だと倍の12発になったので、一発の威力を倍にして6発のままにするか……どっちにするか悩む事小一時間

 結局、装弾数9発・威力1.5倍というなんとも中間に着地する優柔不断を発揮して、その調整に四苦八苦

 そして属性魔石があるのは知っていたのだが、魔石に魔力を通すだけなので俺にも魔法もどきがミスリル銃を使えば撃てるのだ
 炎魔石だったら火炎弾、光魔石だったら回復弾などだ……

 属性魔石は全部で炎・水・風・土・雷・氷・光・闇に無属性の9種類である
 どれも一長一短があり、どれを装填するか非常に迷ってる内に朝が来て出発まで後二日となった

 迷っていても仕方ないので、その日は無属性のままダンジョンに向かい43層で終了、帰ってきて思いついた事を試す

 魔石をセレクタ式に選べる様にリボルバー式の回転弾倉を作ってみる事にした、弾倉の魔石が変わる事によって全属性を装填してみたが、これの調整にまた夜なべして、出発まで後一日となる

 44層で2・3度戦った時点で気付いたのだが……というか、作る前の時点で気付いているべきだったのだが……9個も魔石をセットしていたらセレクタの調節が面倒くさい事この上なかった…… 
 敵の弱点に併せて属性を変えれるのは便利なのだが、一回毎にカチカチカチカチ
 敵が変わる度にカチカチカチカチ……嘘みたいだろ、作ってる最中は超名案じゃん!天才だな俺!とか思ってたんだぜ……

 結局、その後9割を無属性のまま使っていたのだが、前日のどの属性魔石を使うか迷ってる間の手慰みに作っていた、俺の爪で作ったダガーを銃に付けるアタッチメントを試してみた
 新たに銃剣となった俺のハンドガン……これは大成功だった
基本銃を撃ちながら突撃して格闘する俺に、銃剣突撃はすこぶる相性が良かった。なんせ射撃と格闘しかなかった俺に斬撃と刺突がついたので選択肢の幅が一気に広がった
 重量もほぼ変わらず、接近戦の能力が倍化し、掛かった手間はリボルバーの10分の1程度……
 銃に剣付けるとかwwwなんて半分洒落で作っていたのだが、凄いな銃剣……オールラウンド武器じゃん、舐めた口きいてスンマセンでした…… 






 なんて悉く思惑を外した2日目が終わり出発当日
また色々と改良を施したので改悪になってない事を祈るばかりであるが、今は別れの時である

 「それでは行ってきます、大姉さん」

 「ああ、すまないね。本当は一緒に行きたいんだが、どこから聞きつけたか国の方から復帰の催促がしつこくてね……色々と手続きが面倒な事になりそうだよ……これも戦術級である事のしがらみさね」

 「研究者にアヴェスタの事を聞くだけだから危険は無いと思うし大丈夫よ、心配しないで!」

 「おばあちゃま、いってくるね……さみしくなあい?」

 「凄く寂しい!アンリちゃん、おばあちゃん待ってるから早く無事に帰って来るんだよ!」

 相変わらずスゲーなアンリ、恐ろしい子……大姉さんすら篭絡していたのか……俺とユウメへの別れもそこそこに抱き合う二人、孫と認めてくれて甘々の様だ

 「婿殿、ウチのひよっ子を頼んだよ。ゴールドになってもまだ未熟者だ、足手まといなら三下り半突きつけて構わないよ」

 「もう!大姉さんっ!」

 「それは困ります、ユウメがいないと俺は何も出来ないんで」

 「ふぁ!?///」

 「おや?珍しい、婿殿が惚気かい?」

 「ずっと思ってた事ですよ、ユウメがいてくれたから今の俺があるんですから」

 そう、本心からそう言える……
ユウメと出会っていなければ、人と繋がる事なく俺は今でも森の中だ。ユウメがいなければ俺はアンリを連れて帰る事が出来なかった
 ユウメが来てくれるから、俺に何度負けても来てくれるユウメがいたから、俺はアンリを巣穴まで運べた
 ユウメがいなかったら、俺は安全地帯にアンリを運び、放り込む事も出来ないまま見捨てる事しか出来なかった
 安全とは言えない中途半端な場所で、投げ出す勇気も持てずに後悔したまま見捨てる選択肢しか選べなかった

 俺がユウメを女勇者だと呼んでいたのは、その容姿からだけじゃない
何度倒れても立ち上がる勇気なんて、普通の人間は持っていない。大きな困難に転んでも、また立ち上がれる奴は英雄だ。絶望を希望に替える事の出来る奴は勇者だ
 俺が希望アンリを捨てないでいられたのは勇者ユウメの存在だ

 そんな俺が大姉さんから希望ユウメを奪うのだ、大姉さんには男としてのケジメを……俺がユウメを貰う事をもう一度言っておかねばならない
 アンドンの俺だが、可愛いユウメの行く末を照らせる行燈であり続けたいと思う男である事を
 義母として、アンリを受け入れてくれた祖母として、俺達の家族として、人として尊敬出来る大姉さんに宣言せねば義理が立たない

 「まだまだ未熟者の俺ですが、ユウメを守る力は持っているつもりです。必ずユウメやアンリやオミやエルナ……勿論、大姉さんも守れる男になりますよ!だから今は行ってきます、義母さん!」

 「ははっ!そいつはいいねぇ!婿殿はモテモテだ、うかうかしてられないよ!ユウメ!私の娘は私に似て負けず嫌いなんだろ?」

 「……うんっ!うん!勿論よ、母さん!大姉さんの妹、私の母親を思って自分を母と呼ばせないのは分かってる!でも今は……今だけは母さんって呼ぶからね!」

 「しょうがないねぇ……可愛い孫の前で大泣きしてるんじゃないよ、あんたも母親になるんだからねぇ!」

 「大姉さんこそ私の娘の前でボロ泣きじゃない!」

 「ユウメちゃん、おばあちゃま。どこかいたいの?わたし、かいふくまほうもつかえるよ?」

 皆、本当の家族ではないが本物の家族になった3人が抱き合ってる姿は俺も胸が熱くなる……爺様に斬りかかられて、なし崩しになっていた所にキッチリと責任も取れて肩の荷が下りホッとする
 落ち着いた所で見渡すと、オミとエルナも貰い泣きしている
 
 「素敵でしたよ、アンコウ様!」

 「さすがです!親方様!」

 二人からも祝福とようやく『さすおや』言って貰えた俺は合格点だったようだ
いずれ二人とはどうなるか分からないが、今考える事じゃない。勿論、皆を守る決意に変わりはないが、まだユウメアンリで手一杯だからな!

 「よし!それじゃ学術都市まで新婚旅行ハネムーンと行きますかァ!」

 まだ先の見えない旅路じゃあるが、不発に終わっても問題ない!
転んでも、また立ち上がればいいだけだ!
 世のお父さんは泣きながらでも歯ぁ食いしばって戦わなきゃいけないしな!





============================================================================


 これにて第二部完
 連載開始から1か月経ちました、皆さまからの反応が何よりも励みになります

 ご意見・ご感想・お気に入り、常にお待ちしています

 最初の思いつきよりも長引いて、やたら設定が増えてますがもうしばらくお付き合いお願いします
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

処理中です...