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さく

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オッドアイの少年の話(R15/NL/未完)

お題「オッドアイ」

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 俺には秘密がある。

 虹彩異色症。いわゆるオッド・アイというやつだ。
 右目だけが青く、妙に目立つので普段は眼帯でかくしている。いわゆる中二病っぽいが、これには訳があって、生活に支障が出ているためだ。
 普通のオッド・アイの場合、左右で見え方が異なるとか、生活に不自由すると言うことは殆ど無いらしいのだが……。

 秘密というのは、左目では普通に見えても、右目で見ると、人が人ではない。そんな見え方をしてしまう。
 理由はよくわからないが、どういう人間が人ならざるモノになるのかは解っている。

 悪人かそうでないか。
 自分に害あるものか、そうで無いものか。だ。

 今のところ右目で見て、人の形をしているのは、友人の雅人。
 あとは、クラスの女の子、瀬川宏美だ。
 他はなにがしか人ならざる部分が出ている。
 根っからの善人など居るはずもないので、むしろこの二人がおかしい。
 瀬川は気にはなっているが、話す切っ掛けも話題もない。

「なぁ、お前この間から瀬川をじろじろ見てるけど、気になるの?」

 昼休み、急に雅人に話題をふられ盛大に焦る。

「え? いや、まぁ気になるといえば気になるが」
「惚れた類い?」
「いや、あー。どうだろう」
「曖昧だなぁ、普通に話しかければいいじゃないか。あいつ結構人気あるんだぜ?」

 確かに。瀬川は結構いい線をいっている。
 肩に掛かるくらいの適度に長い黒髪。
 背も170位、スポーツをしているためか引き締まった体も相まってモデルのようだ。

「確かに、いいなとは思うけど、俺みたいな眼帯男はダメだろ」
「でもそれは、理由があるんだからしょうが無いだろう?」
「そりゃなぁ」

 雅人はこの秘密を共有している唯一の人間だ。
 半信半疑なのだろうが、右目で見ても何も変わらない彼は、よほどのお人好しか何かなのだろう。

「そういえば、瀬川のやつ、部活の先輩に言い寄られてるらしいぜ」

 彼女に出来るとは思っていないが、流石に他の男が近寄るのは余りいい気がしない。
 まぁ、相手がまともな男なら問題は無いが。
 放課後、雅人から教わったその先輩をグラウンド上で探す。
 眼帯を少しめくって相手を確認し、思わず顔をしかめた。

 こいつは、まずいな。

 大体、このような人間に付き合うと、徐々に「染まって」いくのを経験で知ってる俺は歯がみした。
 翌日、雅人に経緯を話すると、彼もうなり声を上げる。

「なぁ、彼女はまだ『平気』なんだよな?」
「大丈夫」
「じゃぁ、やっぱりこっちからアクションとったほうがいいんじゃねぇ?」

 雅人の言い分はもっともだ。
 あの手の輩は押しが強く、下品な物言いだが、ヤルだけヤッたら終わりって感じだろうしな。

「こういうのは思い立った時にやるのが一番なんだよ」

 そういって、雅人は立ち上がる。

「よ、最近一人で飯食ってるみたいだけど、俺たちと一緒に食わない?」

 急に声をかけられた瀬川が怪訝そうに声を上げて、こちらを見る。

「あいつがさ、君にちょっと興味あるみたいで話がしたいんだそうだ」

 そう言って立てた親指で俺を指さす。

「おい。まて、俺をダシにするな」
「なんだよ、まんざらでもないだろ?」

 そう言ってニヤニヤする雅人を見て俺は二の句が継げなかった。
 しかし、それをみて、彼女が吹き出す。

「まぁいいわ。最近ぼっちだったし。でも私と話しても、あんまり面白く無いわよ?」
「いいんだよ、美人と一緒に食う飯は旨い。な?」

 自然にこういう台詞が出る雅人は心底恐ろしいと思う。
 こういうのは乗るのが吉だ。

「ん、まぁそうだな。それは同意する」

 瀬川はそんな俺たちの行動にややあきれながら、昼食を同伴してくれるようになった。

 * * *

「まぁ、正直、私も気になってはいたのよ」

 食べながら宏美がそんな話を切り出してきた。
 その言葉に雅人は「あー」と解ったような声を上げる。
 解ってないのは俺だけか?

「気になってた? 何が?」

 その一言に、一瞬瀬川は絶句し、雅人は嘆息した。

「あんだけガン見してて、気づかないとでも思ったの?」
「あっ!」
「あっじゃねぇよ……」

 そうか、バレてたのか。
 困ったもんだ。

「ああ、ごめん。気を悪くしたのは謝るよ。でも君が気になってたのは本当なんだ。話もしたいと思ってたし」
「そうなの?」
「うん。最近、君があんまり良くない先輩に言い寄られてるって聞いたから」
「あちゃー、もう噂になってるんだ」
「うん、で、雅人と話しして、何か力になりたいなって思ってたんだ。それが今までの行動」
「なるほどね」
「美人ってのは本心だぜ? これを機にお友達になりたいとも思ってる」

 横から雅人が会話に割ってくる。

「それは今はいいから。で、実際どうなの? 先輩は」
「正直困ってるから、ありがたい。好みじゃないしね」
「おっしゃ、それが聞ければ十分だな」

 そういう雅人に俺も頷く。

「うん。それじゃ暫く三人で行動しようか。それで先輩を牽制しよう」
「え、でも何か悪いよ」
「平気平気。宏美ちゃんの側にいるだけで役得だから」
「雅人なれなれしいな」

 そんな会話に、瀬川はくすりと笑う。

「ふふ、宏美でいいわよ。『ちゃん』は恥ずかしいからやめてほしいかな」
「やったぜ!」

 雅人の名前呼びのタイミングの良さに驚いていると、

「君も、宏美ってよんでね。三人でつるんでるのに、名前呼びじゃないと不自然でしょ」
「お、おう」

 思わぬ役得が転がり込んできた。
 これから、例の先輩の攻撃をどのようにかわしていくのか、そんな算段を企てて行くのだった。
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