124 / 149
オッドアイの少年の話(R15/NL/未完)
お題「オッドアイ」
しおりを挟む
俺には秘密がある。
虹彩異色症。いわゆるオッド・アイというやつだ。
右目だけが青く、妙に目立つので普段は眼帯でかくしている。いわゆる中二病っぽいが、これには訳があって、生活に支障が出ているためだ。
普通のオッド・アイの場合、左右で見え方が異なるとか、生活に不自由すると言うことは殆ど無いらしいのだが……。
秘密というのは、左目では普通に見えても、右目で見ると、人が人ではない。そんな見え方をしてしまう。
理由はよくわからないが、どういう人間が人ならざるモノになるのかは解っている。
悪人かそうでないか。
自分に害あるものか、そうで無いものか。だ。
今のところ右目で見て、人の形をしているのは、友人の雅人。
あとは、クラスの女の子、瀬川宏美だ。
他はなにがしか人ならざる部分が出ている。
根っからの善人など居るはずもないので、むしろこの二人がおかしい。
瀬川は気にはなっているが、話す切っ掛けも話題もない。
「なぁ、お前この間から瀬川をじろじろ見てるけど、気になるの?」
昼休み、急に雅人に話題をふられ盛大に焦る。
「え? いや、まぁ気になるといえば気になるが」
「惚れた類い?」
「いや、あー。どうだろう」
「曖昧だなぁ、普通に話しかければいいじゃないか。あいつ結構人気あるんだぜ?」
確かに。瀬川は結構いい線をいっている。
肩に掛かるくらいの適度に長い黒髪。
背も170位、スポーツをしているためか引き締まった体も相まってモデルのようだ。
「確かに、いいなとは思うけど、俺みたいな眼帯男はダメだろ」
「でもそれは、理由があるんだからしょうが無いだろう?」
「そりゃなぁ」
雅人はこの秘密を共有している唯一の人間だ。
半信半疑なのだろうが、右目で見ても何も変わらない彼は、よほどのお人好しか何かなのだろう。
「そういえば、瀬川のやつ、部活の先輩に言い寄られてるらしいぜ」
彼女に出来るとは思っていないが、流石に他の男が近寄るのは余りいい気がしない。
まぁ、相手がまともな男なら問題は無いが。
放課後、雅人から教わったその先輩をグラウンド上で探す。
眼帯を少しめくって相手を確認し、思わず顔をしかめた。
こいつは、まずいな。
大体、このような人間に付き合うと、徐々に「染まって」いくのを経験で知ってる俺は歯がみした。
翌日、雅人に経緯を話すると、彼もうなり声を上げる。
「なぁ、彼女はまだ『平気』なんだよな?」
「大丈夫」
「じゃぁ、やっぱりこっちからアクションとったほうがいいんじゃねぇ?」
雅人の言い分はもっともだ。
あの手の輩は押しが強く、下品な物言いだが、ヤルだけヤッたら終わりって感じだろうしな。
「こういうのは思い立った時にやるのが一番なんだよ」
そういって、雅人は立ち上がる。
「よ、最近一人で飯食ってるみたいだけど、俺たちと一緒に食わない?」
急に声をかけられた瀬川が怪訝そうに声を上げて、こちらを見る。
「あいつがさ、君にちょっと興味あるみたいで話がしたいんだそうだ」
そう言って立てた親指で俺を指さす。
「おい。まて、俺をダシにするな」
「なんだよ、まんざらでもないだろ?」
そう言ってニヤニヤする雅人を見て俺は二の句が継げなかった。
しかし、それをみて、彼女が吹き出す。
「まぁいいわ。最近ぼっちだったし。でも私と話しても、あんまり面白く無いわよ?」
「いいんだよ、美人と一緒に食う飯は旨い。な?」
自然にこういう台詞が出る雅人は心底恐ろしいと思う。
こういうのは乗るのが吉だ。
「ん、まぁそうだな。それは同意する」
瀬川はそんな俺たちの行動にややあきれながら、昼食を同伴してくれるようになった。
* * *
「まぁ、正直、私も気になってはいたのよ」
食べながら宏美がそんな話を切り出してきた。
その言葉に雅人は「あー」と解ったような声を上げる。
解ってないのは俺だけか?
「気になってた? 何が?」
その一言に、一瞬瀬川は絶句し、雅人は嘆息した。
「あんだけガン見してて、気づかないとでも思ったの?」
「あっ!」
「あっじゃねぇよ……」
そうか、バレてたのか。
困ったもんだ。
「ああ、ごめん。気を悪くしたのは謝るよ。でも君が気になってたのは本当なんだ。話もしたいと思ってたし」
「そうなの?」
「うん。最近、君があんまり良くない先輩に言い寄られてるって聞いたから」
「あちゃー、もう噂になってるんだ」
「うん、で、雅人と話しして、何か力になりたいなって思ってたんだ。それが今までの行動」
「なるほどね」
「美人ってのは本心だぜ? これを機にお友達になりたいとも思ってる」
横から雅人が会話に割ってくる。
「それは今はいいから。で、実際どうなの? 先輩は」
「正直困ってるから、ありがたい。好みじゃないしね」
「おっしゃ、それが聞ければ十分だな」
そういう雅人に俺も頷く。
「うん。それじゃ暫く三人で行動しようか。それで先輩を牽制しよう」
「え、でも何か悪いよ」
「平気平気。宏美ちゃんの側にいるだけで役得だから」
「雅人なれなれしいな」
そんな会話に、瀬川はくすりと笑う。
「ふふ、宏美でいいわよ。『ちゃん』は恥ずかしいからやめてほしいかな」
「やったぜ!」
雅人の名前呼びのタイミングの良さに驚いていると、
「君も、宏美ってよんでね。三人でつるんでるのに、名前呼びじゃないと不自然でしょ」
「お、おう」
思わぬ役得が転がり込んできた。
これから、例の先輩の攻撃をどのようにかわしていくのか、そんな算段を企てて行くのだった。
虹彩異色症。いわゆるオッド・アイというやつだ。
右目だけが青く、妙に目立つので普段は眼帯でかくしている。いわゆる中二病っぽいが、これには訳があって、生活に支障が出ているためだ。
普通のオッド・アイの場合、左右で見え方が異なるとか、生活に不自由すると言うことは殆ど無いらしいのだが……。
秘密というのは、左目では普通に見えても、右目で見ると、人が人ではない。そんな見え方をしてしまう。
理由はよくわからないが、どういう人間が人ならざるモノになるのかは解っている。
悪人かそうでないか。
自分に害あるものか、そうで無いものか。だ。
今のところ右目で見て、人の形をしているのは、友人の雅人。
あとは、クラスの女の子、瀬川宏美だ。
他はなにがしか人ならざる部分が出ている。
根っからの善人など居るはずもないので、むしろこの二人がおかしい。
瀬川は気にはなっているが、話す切っ掛けも話題もない。
「なぁ、お前この間から瀬川をじろじろ見てるけど、気になるの?」
昼休み、急に雅人に話題をふられ盛大に焦る。
「え? いや、まぁ気になるといえば気になるが」
「惚れた類い?」
「いや、あー。どうだろう」
「曖昧だなぁ、普通に話しかければいいじゃないか。あいつ結構人気あるんだぜ?」
確かに。瀬川は結構いい線をいっている。
肩に掛かるくらいの適度に長い黒髪。
背も170位、スポーツをしているためか引き締まった体も相まってモデルのようだ。
「確かに、いいなとは思うけど、俺みたいな眼帯男はダメだろ」
「でもそれは、理由があるんだからしょうが無いだろう?」
「そりゃなぁ」
雅人はこの秘密を共有している唯一の人間だ。
半信半疑なのだろうが、右目で見ても何も変わらない彼は、よほどのお人好しか何かなのだろう。
「そういえば、瀬川のやつ、部活の先輩に言い寄られてるらしいぜ」
彼女に出来るとは思っていないが、流石に他の男が近寄るのは余りいい気がしない。
まぁ、相手がまともな男なら問題は無いが。
放課後、雅人から教わったその先輩をグラウンド上で探す。
眼帯を少しめくって相手を確認し、思わず顔をしかめた。
こいつは、まずいな。
大体、このような人間に付き合うと、徐々に「染まって」いくのを経験で知ってる俺は歯がみした。
翌日、雅人に経緯を話すると、彼もうなり声を上げる。
「なぁ、彼女はまだ『平気』なんだよな?」
「大丈夫」
「じゃぁ、やっぱりこっちからアクションとったほうがいいんじゃねぇ?」
雅人の言い分はもっともだ。
あの手の輩は押しが強く、下品な物言いだが、ヤルだけヤッたら終わりって感じだろうしな。
「こういうのは思い立った時にやるのが一番なんだよ」
そういって、雅人は立ち上がる。
「よ、最近一人で飯食ってるみたいだけど、俺たちと一緒に食わない?」
急に声をかけられた瀬川が怪訝そうに声を上げて、こちらを見る。
「あいつがさ、君にちょっと興味あるみたいで話がしたいんだそうだ」
そう言って立てた親指で俺を指さす。
「おい。まて、俺をダシにするな」
「なんだよ、まんざらでもないだろ?」
そう言ってニヤニヤする雅人を見て俺は二の句が継げなかった。
しかし、それをみて、彼女が吹き出す。
「まぁいいわ。最近ぼっちだったし。でも私と話しても、あんまり面白く無いわよ?」
「いいんだよ、美人と一緒に食う飯は旨い。な?」
自然にこういう台詞が出る雅人は心底恐ろしいと思う。
こういうのは乗るのが吉だ。
「ん、まぁそうだな。それは同意する」
瀬川はそんな俺たちの行動にややあきれながら、昼食を同伴してくれるようになった。
* * *
「まぁ、正直、私も気になってはいたのよ」
食べながら宏美がそんな話を切り出してきた。
その言葉に雅人は「あー」と解ったような声を上げる。
解ってないのは俺だけか?
「気になってた? 何が?」
その一言に、一瞬瀬川は絶句し、雅人は嘆息した。
「あんだけガン見してて、気づかないとでも思ったの?」
「あっ!」
「あっじゃねぇよ……」
そうか、バレてたのか。
困ったもんだ。
「ああ、ごめん。気を悪くしたのは謝るよ。でも君が気になってたのは本当なんだ。話もしたいと思ってたし」
「そうなの?」
「うん。最近、君があんまり良くない先輩に言い寄られてるって聞いたから」
「あちゃー、もう噂になってるんだ」
「うん、で、雅人と話しして、何か力になりたいなって思ってたんだ。それが今までの行動」
「なるほどね」
「美人ってのは本心だぜ? これを機にお友達になりたいとも思ってる」
横から雅人が会話に割ってくる。
「それは今はいいから。で、実際どうなの? 先輩は」
「正直困ってるから、ありがたい。好みじゃないしね」
「おっしゃ、それが聞ければ十分だな」
そういう雅人に俺も頷く。
「うん。それじゃ暫く三人で行動しようか。それで先輩を牽制しよう」
「え、でも何か悪いよ」
「平気平気。宏美ちゃんの側にいるだけで役得だから」
「雅人なれなれしいな」
そんな会話に、瀬川はくすりと笑う。
「ふふ、宏美でいいわよ。『ちゃん』は恥ずかしいからやめてほしいかな」
「やったぜ!」
雅人の名前呼びのタイミングの良さに驚いていると、
「君も、宏美ってよんでね。三人でつるんでるのに、名前呼びじゃないと不自然でしょ」
「お、おう」
思わぬ役得が転がり込んできた。
これから、例の先輩の攻撃をどのようにかわしていくのか、そんな算段を企てて行くのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる