パウー掌編集

さく

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オッドアイの少年の話(R15/NL/未完)

お題「眼帯」

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 最近、宏美の周りにウザい虫がたかり始めてきた。

 しかも一人はいけ好かない眼帯野郎だ。
 もう一人のややイケメンの男も邪魔でしょうがない。

 もう少しで堕とせる所だったのに、奴らのせいで部活には出なくなるわ、話すタイミングはずらされるわで、いい加減イライラしてくる。

 一発ヤッたら満足するし、その後はお前らにくれてやるから宏美の処女は俺に寄越せ。
 そんなクズな考えをその男、楠木は考えていた。

 * * *

「それで、部活には出なくていいのか?」
「別にいいわ。先輩とは顔を合わせたくないし、それに貴方達とつるむ様になってから、なんか不穏な感じがするのよねぇ」
「でも、練習とか」
「ああ、別にインターハイ目指すとかそこまで真面目にやってる部活じゃないし。緩い活動だから平気。それに一人だって練習できるしね」

 そんな事を言っているが、宏美は結構な逸材だと思ってる。

「あ、そうだ。楠木先輩調べてきたぜ」

 ドヤ顔で雅人が言う。

「しかし、まぁ、予想通りというか、想像通りのクズだな」

 後輩の女の子を喰いまくってるという噂は聞いた事があるが、どうやら真っ黒だったようだ。
 雅人の話を聞くうちに、俺も宏美もずいぶんと顔色が悪くなっていった。

「もういいや、その辺で勘弁してくれ」
「流石に酷い。それよりも、よくそこまで調べられたわね。雅人君も大概だわ」
「お褒めにあずかり光栄でございます。お姫様」
「やめて」

 たしかに、雅人の奴はどうやってそんな情報を入手したのか。
 少し気になった俺はちらっと右目で見る。
 うーん。問題はないようだ。
 それとも、正義はこちらにありだから、変な風に見えないのかもしれない。
 実際、この力もよくわかってないしな。過信も禁物なのかもしれない。

「それでな……とりあえず、こんな感じで……」

 こしょこしょと話をする。
 悪巧みは悪巧みなのだが、こういう平和な悪巧みは嫌いじゃない。

「本当にそんなのでうまくいくの?」
「ふ、俺のプロファイリングは完璧だ」
「俺も流石にそれで何かあるとも思えないんだけど」
「それより、部活出なくなって一週間だっけ?そろそろ先輩もしびれ切らしてくるんじゃないかなぁ」

 雅人の言葉にあからさまにうへぇという顔をする宏美。
「なるべく俺らがフォローするから安心してくれ」

 そう言って、雅人は胸を叩いた。

「なぁ、宏美、部活でてこいよ。俺、お前のこと買ってるんだぜ?」

 楠木が下心満載で宏美に尋ねる。

「ごめんなさい。ちょっと先約があってね。あ、雅人君」

 そういって宏美は雅人に駆け寄ると、腕を組む。

「お。待たせたな宏美。今日は俺ん家でいいんだよな」
「うん、今日は家に親がいるからね」
「そっか。それじゃ行こうか」

 そう言って先輩を無視して歩いて行く。
 楠木はただ呆然として、二人の後を眺めていた。

 * * *

「あのさ」
「ん?」
「ここまでする必要あるんだっけ?」

 雅人は腕に当たる胸の感触が気になって仕方が無い。

「不満?」
「いや、役得なんだけどね」
「なら、いいじゃない」

 そんな宏美の言葉に雅人ははぁとため息をつく。
 なんだか申し訳なさそうな顔をしているのを見て、宏美が問う。

「ん? 清司のこと気にしてるの?」
「ん、まぁなぁ。元々宏美に声描ける切っ掛けもあいつが気にしてたからだったし」
「ふぅん」
「まぁ、そろそろ離れてくれないかな。周りの視線が痛い」
「つれないわねぇ」
「同じ事を清司にやってくれるなよ? あいつは免疫ないんだから」
「えー。ちょっと反応楽しみにしてたのに」

 その言葉に雅人は頭をかかえるのだった。

 翌日。
 楠木が声をかけようとしたところを間髪入れずに、宏美が声を上げる。

「あ、清司君、遅い!」
「すまん、待たせちゃって悪いね」
「日誌届けるだけなのになんでそんなに時間かかってるのよう」

 宏美はふくれっ面で俺をつつく。
 楠木は昨日とは違う男の俺を怪訝そうな目で睨んでいるが、気にしない事にする。

「そういえば、おとといが初めてだったんだよね。どうだった」
「うん、雅人君が優しく教えてくれたから大丈夫。昨日も彼の家に押しかけてやっちゃった」

 ちょっと舌を出して言う彼女に少しどきどきしながら言葉をつなぐ。

「ああ、確かにあいつは上手いからなぁ。問題は僕が満足させてあげられるか何だけど」
「平気平気。あいつもなかなかテクニシャンだって言ってたよ」
「その評価は……じっくり攻める派だからどうしても一戦に時間がかかっちゃうんだよ」
「ふぅん。とりあえずしてみない事にはわからないわね。相性もあるし」

 そう言って他愛も話を交えながら外を歩いて行った。

 * * *

「さ、上がって」

 家に着いた俺は、彼女を部屋に招き入れる。
 部屋には既に、雅人が座って待っていた。

「どうだった?」
「途中までついてきてたっぽいかなぁ」
「結構きわどいこと言ってたから、都合よく勘違いしてくれると良いんだけど」
「言葉だけだと、私凄いビッチかも」
「いや、結構ノリノリだった」
「酷いなぁ。まぁ楽しんでやってたのは確かだけど❤」

 そう言って、宏美は可愛く笑った。

「ところで、今日もやるよね?」
「あー、ひょっとして、結構はまった?」
「うん。ずっとぼっちプレイだったから、人とやるの楽しくて!」
「ああ、わかる。一回協力プレイでやっちゃうとソロは辛いんだよねぇ」

 そう言って、俺はいそいそとスマートフォンを取り出す。

「そういえば家の学校ってスマホ持ち込み禁止じゃないから、その気になれば、学校でもできるんじゃない?」
「そう言われてみればそうだなぁ」
「今度屋上あたりでやろうよ」
「いいねぇ」
「屋上で三人プレイ3Pか……」
「またそういうことを……」

 雅人の言葉に俺は半ばあきれながら、眼帯を外す。
 鮮やかな青い目で二人を見るが、二人とも変わりは無い。

「噂には聞いていたけど、本当に色が違うんだねぇ」

 宏美はしみじみと俺の目をみてそういった。

 基本家では眼帯を外しているので、うっかりしていた。

「ごめん。気持ち悪い?」
「あ、気を遣わせちゃった? むしろこっちこそごめん。気持ち悪くはないよ」
「おーい、お前ら、二人の世界作るんなら俺は帰るぞ」

 雅人が茶々を入れて、空気が和む。
 しかし、不思議だ。
 何故この二人だけは普通の人間に見えるのだろうか。
 雅人は付き合いが長いから解らないではない。
 裏表はないように見えるし、思ったことをストレートに言う。

 となると、宏美のほうも同じような類いの人間なのかもしれない。
 言うなれば、雅人の女バージョンか。
 それはそれで、結構楽しいかもしれない。
 友人として付き合い始めたばかりだし、人となりはゆっくり見極めていけば良い。
 そんな事を考えながら、ゲームを起動する。
 俺たち三人は、たっぷりと時間をかけて、ゲームに没頭するのであった。
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