パウー掌編集

さく

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雑多な未分類掌編共(単発完結シリーズ)

お題「Hしないと出られない部屋」(R15/軽微なスカトロ)

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 ダブルベッドとテーブル、椅子が二脚。
 あとペットボトルの水。

 殺風景な部屋だった。

 テーブルにはメモが置いてあり、

「ここに入ったカップルは24時間経つか、Hしないと出られません」

 と書いてある。

「ふざけんな! カップルじゃねえし!」

 そう言って気の強い沙耶がテーブルを叩く。
 僕はこの状況が少し嬉しかった。
 彼女がどう思ってるかは知らないが、出来れば付き合いたいと思うくらいは僕は好きだ。
 ガサツで乱暴だけど、時折見せる女の子らしい仕草がとても可愛い。
 長い黒髪を振り乱して僕をキッと睨む。

「ヤらねぇからな」

 あ、うん。わかってる。
 でも。問題があるんだよなぁ。この部屋。

「くっそ、騒いだら喉が渇いちまった」

 彼女はごくごくと水を飲む。

「あ、そんなに飲むと」

 そんな忠告も、ぎろりと睨まれて続かなくなる。
 しょうが無いか。
 水を飲まなくても、変わらないと思うし。

「とりあえず寝る。変な気を起こしたらぶん殴るからな!」

 彼女はそう言ってベッドに潜り込んだ。
 試されてるのか、信用されてるのか。

 僕はくすりとしながら、寝息を立てる彼女を見ていた。
 彼女が寝たのを確認すると、部屋の壁を検分する。
 唯一入ってきた扉は鍵がかかっていて出ることが出来ない。
 Hしたら出られるというけれど、監視カメラみたいなのもないし、どうやって判断しているかも解らない。
 スマホは圏外で使えないが、時間がわかる唯一のものなので、ゲームなどでバッテリーを消費できない。
 中々悩ましい状況だ。

 そんな事を考えていると、沙耶がもそもそと起き出す。

「もう時間たった?」

 君は24時間寝続けられるのか? と聞きたくなったが飲み込む。
 こんな閉鎖空間で喧嘩なんかしたくはない。

「まだだよ」
「まだ……なんだ」

 彼女の様子が少しおかしい。
 なんかもじもじしている。
 あ!

「ここの部屋……トイレないよね」

 気づいたか。だから、水をがぶ飲みするなと言おうと思ったのに。

「部屋の片隅でするか、ペットボトル使うかかな」

 淡々と言う僕に彼女は絶望の表情を浮かべる。

「なんで。なんであんたの目の前で……おしっこ……しなくちゃならないの?」

 恥ずかしいのかおしっこだけ妙に小声だ。

「別に僕の目の前しなくたって良いだろう」

 そもそも、男だって大変なんだ。
 意を決したのか、空のペットボトルを取り出すと、彼女は立ち上がり部屋の片隅に移動する。

「向こう向いて目をつぶってて。こっち向いたら殺すから」

 そんな物騒な事を言う沙耶にヘイヘイと気のない返事をして後ろを向く。
 衣擦れの音の後、少したってから、ペットボトルに注がれる尿の音が部屋に響く。

「や……音おっきい……」

 目を閉じて耳に神経が集中しているせいか、彼女のか細い声がはっきりと聞こえた。
 ジョボジョボという音は思ったよりも長く感じた。
 彼女がその羞恥に震えている姿を想像した僕は激しく勃起していた。

 流石に、処理出来ないいらだちを感じつつも、そのひとときは終わる。

「終わったわよ…」

 心なしか彼女の声が柔らかい。
 ツンとするアンモニア臭が微かに漂ってくるが、仕方が無いだろう。

「それ、蓋締めておいて」
「あ、ごめん」

 そして、彼女はテーブルの下にペットボトルを置くと再びベッドに入っていった。

 なんだかんだであと22時間。

 僕らは本当にここから出ることが出来るのだろうか。
 不安混じりのため息を吐き出しながら、僕は真っ白な天井を眺めていた。
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