異世界最強宝具は社窓から。

一色瑠䒾

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【 案件 02 】 これが異世界転移と言う名の放置プレイ。

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 閃光でやられた視界が次第に回復すると、先に感じた緑の香りにうなずける世界が俺を待っていた。

「 何処だ・・・?ここは? 」

 俺は出て来た筈の扉側に振り返るが、そこは生い茂る木々と頬に当たる木漏れ日に、駅の構内ではない事は紛れも無いと悟った。

 これは夢では無い。アウトドアグッズ等を買い込んだ、ショップロゴ入りの買い物袋を片手に、そして、もう片方の腕にはビジネス鞄、さらにスーツ姿で大自然の中に俺はいた。
 場違いな容姿にかなり可笑しく滑稽であった。

 よく読んでいた異世界転移に憧れはあったが、まさか、自分がスーツ姿で異世界に来たとはね・・・。

 しかし、何にしろ。この異世界の情報がまるで無い状態では、このままやり過ごせやしない。

 俺は現在の所持品の確認をする事にした。
 手にしている買い物袋にはアウトドアショップで買い込んだ、マルチツール十得ナイフやらサバイバル系アウトドア用品一式に、お湯があればすぐ食せる携帯食は1週間分くらい。
 ビジネス鞄には会社の書類に筆記具、タブレット型端末に各種充電器とソーラーモバイルバッテリー、コンパクトデジタルカメラか。

 非常食の更新で大目に買った携帯食料が運良く、自給の不安を少しは回避出来た。鞄に入ってるバッテリーを使用する電子系統は全滅だろうな。ソーラーモバイルバッテリーで充電は可能だが、通信出来る環境では無いから本来の端末としての使い道は望めないだろう。それらは異国のオーパーツとして換金出来れば御の字だ。

 俺は身に着けているモノを確認する。全天候型腕時計の方位磁石コンパス機能はちゃんとある一定の方角を認識していた。これはいい、少なくとも進む方向に間違いは無い。しかもコイツはソーラー充電タイプで電池交換要らず。
 あとは、ポケットティッシュにハンカチーフ、現世界での通貨に紙幣と電子マネーカードの入った財布か・・・。攻撃力に防御力は限りなくゼロだろ(笑

 実際、広大な異世界に唯ひとり落とされると何とも心細いものだよな。ライトノベルに良くある、転生や転移時に神様からいただくギフトの設定が無いと、正直何しに異世界に招かれたのかが、疑問だよ。

 神様がいたとしたらまず、問い質といただしたい。それはもう小一時間では済ませない。


—— 異世界転移してから3日後 ——
 俺は大自然に5回目の愚痴を溢す。

「 ホント、俺が何か悪い事しましたかぁ~? 」

 相も変わらず、この大自然に聞こえる独り言がわびしさを倍増させていた。

 ただ、このジャングル放置プレイも終盤を迎えようとしていた。
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