953回転生した勇者様が魔王を倒したってよ。

一色瑠䒾

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俺は魔王討伐に成功したんだ。

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 俺は勇者だ。

 そう、あれは確か、約1万1千年前の事。
 あの日、ルガリア国王から魔王討伐の勅命を受けてから、俺は魔王に幾度と戦いを挑み続けてきた。
 気が付けば、俺は魔王に返り討ちにあっては敗れ、598回の転生を繰り返しては、未だに達成出来ずにいる魔王の討伐に励んでいる。

 これだけの転生を繰り返していると、世の中の生活に変化が現れ、城下町は巨大で背の高い建造物が立ち並び、情報や技術もそれはもう世界は近代的な進歩を遂げていた。

 魔王を倒す為に神々が作り出した勇者装備は、禁断の構造解析により九割は解明され、機能面や防御力が上がり、軽量化も成功していた。
 勇者伝統の対魔王専用防攻撃魔法さえ、上位古代語魔法の術式のほぼ解読により、魔法の再構築による最適化と重強化に併せて時短詠唱化まで施されていた。デバイスは杖では無く、リボルバー又はシューターなどの小型小銃かガントレット(金属製の籠手)の形状をしていた。
 お馴染みの勇者の剣も、今や刀身は実剣でなく、魔法と自身のエナジー(生命力)を核とするエナジードレインを複雑に併用した、真昼でもその刀身は眩しく発光する光剣(フォトン・スウォード)となっていた。

勇者の血筋である、俺の遺伝子情報もいつのまにか魔法科学者に盗まれ、新生勇者族のクローン研究と培養で実用一歩手前の30体による先鋭勇者軍を作り上げているのを聞かされていた。

 そして、俺は今、599回目になる魔王城の前に立っていた。

「 待たせたな魔王よ!前世での約束通り、お前を倒しに来たぜ! 」

「 あぁ、勇者よ!待ち侘びたぞ。玉座まで上がって来るがいい! 」

 俺は勇者専用魔法戦具シューターを使い、ゼロ詠唱で発動させた飛行魔法で魔王城の城門を潜り抜け、魔王が待つ玉座へ向かった。

 気掛かりは前世での魔王討伐時で、魔王城の玉座で俺が死滅する際、言い放った魔王のあの言葉。

「 次でキミには最期の魔王討伐に成るだろう 」

 その真意を知る為にも、逸る気持ちを押さえ込みながら。
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