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第 五 話
しおりを挟む私は私の頭の中で未だ鳴り響く、警告音の様なものが気になっていた。
「 リドさん、私のVR機器が不調の様で警告音なのか、気付いた時から頭の中で鳴りっぱなしなのです 」
「 おっさん、それ、レベルアップ時の音に似てないか? 」
私は連続して流れる音に僅かな切れ目がある事に気付き、そこに集中して聞きいてみる。確かにレベルアップ時に流れるメロディーが次々と重なって、流れているようだった。
「 リドさんの言う通り、レベルアップ時の音が連続して鳴っているようです 」
「 だろ、先の緊急ミッションでクリアした経験値を未だに消化しようとしてるんだよ、それ。実は強制パーティー組んで、瀕死のおっさんのステータスをモニタリングしてる時におっさんのレベルアップログが流れっぱなしだったんだよ 」
リドさんが言う、パーティーチャットのログを確認すると、確かにレベルアップの文字とステータスの上昇した数値がひたすら記されていた。
「 …経験値ってそんなに入るものなんですか? 」
「 通常は知れているけどな。緊急クエストだったし、初心者救済アイテム使ったとは言え、おっさん、一人で高レベルなモンスターのドラゴントゥースウォーリアの大軍を一掃したからな(笑 あぁ、なんだかアカウント作り直して、初心者救済アイテム貰うんだったな~ 」
リドさんは冗談でそう言うも、若干、しまったなと言う顔をしていた。それを横で見ていたリアさんは、クスリッと笑っている。
「 その、レベルアップも現時点で俺らのレベルの二倍を超えているんだぜ 」
「 レベルだけが上がっても、中身が素人じゃ、どうにもなりませんよ(笑 」
「 ははは。まぁ、高レベルプレーヤーに優遇するスキルやクエスト条件があるからな、それだけを利用しようとする、捻くれた輩もいるからな、狙われんように注意が必要だって事さ 」
「 リドさん、気を付けます 」
その時、私のレベルは一旦100で止まり、ダイアログが表示されていた。
このゲームの設定上、レベルの上限は100レベルだと聞いていたが、このVRMMOサービスが始まってはいるが日が浅い事もあり、まだ誰しも80レベル以上に到達した者はいなかった。
『 レベル上限の解除をしますか? 』
私はレベルアップの音を早く終わらせたくて、未知なるレベルレンジにも関わらず、迷わずOKのボタンを押していた。
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