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第1章 魔道具(1)
#8 魔石の研究
しおりを挟む魔道具を作るのに重要になってくるのは魔石の質だ。だが質の高い魔石を入手するには莫大な費用が掛かるので練習に使うのには気が引ける。
ということで今日は質の高くない魔石でも、魔道具に用いる方法がないか研究することにした。
■■■
小さく質の安定しない魔石は安く幾らでも手に入るので、これを使えないか仕事を終えたエルラーと一緒に取り組むことにした。
「これまでに何か試したことはないんですか?」
「ないな、魔石を加工するだけでも高い錬金スキルがいるからな。ちなみにハヤトはどのくらいのランクなんだ?」
「錬金スキルはBだな」
「マジかよ……国のお抱え錬金術師なみじゃないか」
職人の心得のスキル効果が分かって、色々と試したあとに再度ギルドに向かって情報の更新を行って現状のスキルの状態を知った。
スキルランクが初めから高い状態だったのでこれが普通かと思ったがそうでは無いらしい。
「そんなに凄いのか? 他の生産系のスキルも軒並みBランクになってるんだけど……」
「はぁー、やっぱり勇者って凄いんだな。というよりそのユニークスキルか。俺も才能に目覚めないかな」
羨ましがっているエルラーだが、鍜冶スキルはAランクで自分より上である。だからこそ赤字を出そうが商会は彼を解雇しないし、役職も与えているのだ。そしてこの商会には他にも問題を抱えながらもAランクのスキル持ちが何人かいるらしい。
「でも加工は出来ても、知識はないから色々と教えてくれ」
「そうだな……でも扱いが難しくて値段も高い魔石で実験しようと思う奇特な人なんて俺らぐらいだろうし、文字を刻む以外の加工なんて誰もやったことがないだろうからな。うーん、まぁまずは組み木細工のように繋げてみるか」
ということで考えられる方法を次々に試していった。
■■■
検証の結果はどれも惨憺たるものだった。
「……何か昨日からずっと丸焦げな気がするんだけど」
「まぁ気にするなって、これは俺たちが努力した証なんだから」
「そんなものかな……」
まぁ煤まみれなのは置いておいても、何も結果を得られなかったのは頂けない。何か方法がある気がするのだが。
「そういえばまだ鍜冶のように溶かすとかはやっていなかったけどどうかな?」
「それは絶対に駄目だな」
「どうして? やってみる価値はあると思うんだけど」
「魔石はエネルギーの塊というのは知ってるよな? それを急激に加熱すると……」
「また爆発するのか。確かに高炉でそんなことしたら取り返しがつかないですね」
「ああ流石に俺の解雇どころではすまないし、商会が物理的に吹っ飛ぶ」
「それなら勇者を召喚する時に使う魔結晶ってどうやって作るんだ?」
溶かすことが出来ないと聞いて、それなら魔石を精製して魔結晶を作ると聞いたのを思い出した。魔石を直接使うよりも突破口になるかもしれないので是非とも作製方法を知りたい。
「それは……俺も知らないな。魔術絡みになるけど、もしかしたらアダムスなら何か知ってるかもしれんぞ?」
「そうか召喚に関わっていたアダムスなら知っていそうだな」
僅かな可能性が残っているのであれば何にでもチャレンジしてみたい。
ということで魔道具作りに反対しているアダムスに協力を申し出に行くことにした。
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