38 / 61
第7章 魔石集め
#37 戦いの準備をする
しおりを挟む魔石を手に入れるためにアトゥムス、ライナと一緒に魔物と戦うことになったが、ハヤトがそのまま一緒に付いていくと危険だということで、準備をすることになった。
ハヤトは『二人で取りに行ってくれたら良いのでは?』と思うが、自分で作ると言った手前、断ることが出来なかった。
魔物の解体作業以外では役に立てるどころか、足を引っ張る気しかしない。
■■■
アトゥムスは商会でハヤトの運動能力が酷いということは聞いていたみたいだが、まずはどれぐらいハヤトが動けるのか実際にライナと模擬戦をすることになったのだが……。
「はぁはぁもう無理」
「何を言ってるんですか、まだ始めて30分も経っていないですよ!」
「そんな体育会系の考え方を押し付けないでよ」
「たいいく? 良くわかりませんがほら次いきますよ」
「ちょっ、まっ!」
まだ休んでいたいのに、模擬刀で斬りかかられるので慌てて逃げる。
「アトゥムスさん、止めてください!」
「うーん、まぁ確かにこれだと厳しいね。実力云々とか以前の問題だし。ライナはどう思う?」
アトゥムスに話しかけられてようやくライナが攻撃を止めてくれる。
「そうですね、この人が一人でダンジョンに入ったらと5分と持たないでしょうね……」
「だよな……分かった、ちょっと防具を取ってくるからもう少し続けていてくれ」
「はい」
「はい……じゃない! ちょまっ、ぎゃー!」
ということで暫く聖騎士団の訓練場にハヤトの悲鳴が響き続けた。
■■■
「お待たせ……って大丈夫ですかい?」
ハヤトは仰向けになって倒れている。
「彼はもう……」
「そうか」
「っておい! 勝手に殺すなよ」
「まぁまぁ、冗談が通じるなら大丈夫だね。それで実際はどうなんだい?」
「うーん、少しだけ受身は上手くなってきたかな。でもまだ心許ないよ」
ライナが絞り出すように評してくれる。
「それはどうも、ってあれだけボコボコにされたら嫌でも回避しようとするわ!」
「まぁ足りない部分は防具で防ぐってことで、ハヤトはこれを着てくれるかな?」
アトゥムスがどこからか持ってきた革製の防具と盾を手渡される。
「これって結構高いのではないですか? 無事に返せる自信はないんですけど……」
少なくとも傷だらけにする自信はある。
「ああ、いいよいいよ。そんなに高いものではないし、アル君が快く寄付してくれたからね」
「またアルトリウスさんから貰ってきたんですか!? 可哀想に……」
「いいのいいの、彼には必要ないものなのだから。ほら遠慮せずに着て着て」
「はあ」
アルトリウスが誰だか分からないが、感謝しつつ身に纏う。非常に軽くて良いものだと分かるが、中古品だというのに傷が一つもついていない。
「これキレイ過ぎないですか? まだ使ってないのでは……」
「いやいや、ちゃんとアル君がいつも使ってた奴だよ。その辺の魔物の攻撃をくらうような実力じゃないのに妙に防具を集める慎重な奴だからね。だから一つぐらいどうってこと無いから気にせず使ってくれていいんだよ」
「そうなんですか……でも無事に帰ってこれた暁にはその人を紹介してください。きちんとお礼を言いたいので」
「分かった、ちゃんと剣を作れたら紹介してあげるよ。あとはそれを着た状態できちんと動けるようにならないとね」
「えっ! まだやるんですか!?」
「もちろんだとも。出来れば自分の身は自分で守れるようになって欲しいからねって逃げるなよ……ライナよろしく頼むよ」
また特訓という名の地獄を味わいたくないので逃げだすハヤト。しかし当然逃げ切れる訳もなく攻撃を受ける。とっさに盾を出してキレイに攻撃を受け止める。
だがそれでライナの火をつけてしまったのか、先程までよりも容赦ない攻撃が放たれるようになってしまった。
こうしてひたすらに受身の練習をして、ライナからの攻撃を完全に防ぎきれるようになるまでひたすらに特訓は続いたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜
ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」
「街の井戸も空っぽです!」
無能な王太子による身勝手な婚約破棄。
そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを!
ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。
追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!?
優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。
一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。
「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——!
今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける!
※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜を改題し、本日2026/3/9発売です!イラストは、にとろん様です。
よろしくお願い致します!
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる