40 / 61
第7章 魔石集め
#39 マーレ迷宮
しおりを挟むひたすらに魔物と戦った後、メイの町で体力を回復させマーレ迷宮に向かうことになった。
倒した魔物から得た魔石以外の素材は全て村で売却し、かわりに普通の回復薬いわゆるポーションを購入しておいた。
■■■
マーレ迷宮は最初のエリアはただの洞窟なのだが、暫く進むと潮の香りが漂う。ここは海が支配する迷宮のようだ。幸いにも足場は水で満たされている訳ではないので移動するのに負担は少ないが、滑りやすくなっているので既に何度も転けてしまった。
「ちょっ、もう少しゆっくり歩きませんか?」
「駄目だよ、それだと直ぐに魔物に気付かれかねないからね。こうして魔物の警戒範囲を避けるように移動しないと戦闘になるよ」
アトゥムスが持っている索敵スキル[気配察知]や[聞き耳]で事前に魔物の位置を把握して、戦闘を避けながら移動していることは分かるが、このままではたんこぶが無限に増えてしまう。
「せめて一回休憩出来ないですか?」
ゲームなどでは安全地帯があるので、何処かにあるのではないか期待して問う。
「あのねぇ、休憩するには何処かに拠点を作って仲間が休んでいる内は他の人が見張りをしないと駄目なんだよ。私たちにそんな余裕があると思う?」
「……無いですね」
僅か3人で迷宮に来ているのでそんな余裕は流石に無さそうだ。アトゥムスが一人で見張りをしてくれれば何とかなりそうだが、流石に自らそれを口にだして迷惑を掛ける訳にはいかない。
「まぁもう少し進んだら冒険者ギルドが迷宮内に作った拠点があるから、そこで休ませて貰おう」
「そんな所があるんですか! なら早くそこに行きましょう!」
休憩出来ると分かると自然と足取りが軽くなる。
到着した冒険者ギルドの拠点は洞穴の中に作られているみたいなのだが、中に入るには金貨5枚が必要だと言われる。流石に予想外の値段なので入ることを躊躇い引き返す。
「ちょっと高すぎませんか? ただ休憩するだけなんですよね?」
「まぁこんな場所で不通はゆっくり休めることは無いからね。それに警戒し続けながらここを維持するには冒険者を雇い続けないといけないから仕方ないよ」
「でもこんな値段をポンと払える人なんてあんまりいないでしょ?」
「そうでも無いかな。この迷宮でそれ以上の収入を得られるから村に戻らず効率良く狩りをする為に使う人は多いみたいだよ」
流石に金貨5枚を所持していないしアトゥムスに払ってもらうのも悪いので、仕方なく先に進むことにした。
■■■
時折アトゥムスの索敵範囲から漏れた魔物と戦闘になるも、アトゥムスが一撃のもとに屠るのでほとんど立ち止まることなく進んでいく。
現れる魔物は水辺に生息する魔物類でキラークラブやアンフィシャーク、そしてマザーパグラスなど様々だったが、どれもCランク以下なのでアトゥムスの相手にならない。
マザーパグラスは様々な魔物を近くに引き寄せるヤドカリ型の魔物なので、見つけたら先手必勝で倒した。見つかったのに気付かずに進んでいたらモンスタートレインになってしまうからだ。
そうしてさしたる障害もなく、目的のAランクの魔物がいるというエリアにやって来た。
そこは一面に水が張った場所で、中央に大きな穴がある。そのまわりも所々が水深の深い穴が開いていて、底で繋がっていると思われる。
「ここにAランクの魔物がいるんですか?」
「そうそう、聖騎士団に上がってきている報告書によればここにメガロドンが生息しているみたいだ」
「メガロドンってどんな魔物なんですか?」
「んー、一言で言えば巨大なアンフィシャークだね。あと回りをケルピーが守っているという報告もあるから気を付けてね」
足が生えたサメが巨大になった感じらしい。
「気を付けろって言われても……」
アトゥムスと会話をしながら奥に進んでいくと、まわりからケルピーをはじめ水生物の魔物が現れる。
「たぶんこいつらは斥候みたいやものだから倒したらメガロドンが出てくるぞ! ライナ警戒してくれ」
「はい! ハヤトさん、私から離れないで下さいね」
「わ、わかった」
数が多いのでどうしてもアトゥムス一人で対処しきるには時間が掛かる。なので溢れた魔物がこちらにやって来る。
それでも特訓の成果でライナが守りきれずに襲ってきた魔物の攻撃もしっかりと盾で防ぎ、その魔物をライナがすかさず倒す。
こちらの様子を伺いながら戦っていたアトゥムスは、問題なさそうということを確認して気にせずに戦うようになり直ぐに残りの魔物を倒しきる。
「ライナ、ハヤト! 大丈夫か?」
「はい大丈夫です」
中央の大きな穴を挟んで無事を確認する。
「直ぐにメガロドンが現れるから警戒を続けてくれ!」
アトゥムスがそう言った直後に中央の部分の水面が徐々にせりあがりメガロドンが姿を表す。
「でっ、でかすぎるでしょ!」
想像よりもはるかに大きく、穴のなかにたっているのに天井に余裕で達していて20メートルは優に達していそうだ。
こんな化け物を相手にアトゥムスは本当に一人で倒せるのだろうか……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜
ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」
「街の井戸も空っぽです!」
無能な王太子による身勝手な婚約破棄。
そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを!
ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。
追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!?
優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。
一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。
「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——!
今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける!
※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜を改題し、本日2026/3/9発売です!イラストは、にとろん様です。
よろしくお願い致します!
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる