【本編完結】『運命』の旦那様、本当の愛を教えてください!!

秋条かなん

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2章

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一通り有名な家紋の貴族に挨拶を済ませた。
皆、相手がヴァイザーということもあり目の前でグレンツェの悪口を言う者はいなかった。
しかし、歩くたびに「無魔力」という単語が聞こえる気がした。ヴァイザーの隣に歩くグレンツェに大きな声で言う度胸がある者はいないようだが聞こえるのは気のせいでは無さそうだ。

「グレンツェ、疲れただろう?少し休もう」

「私は大丈夫です!」

「ほんとか?この後も少し仕事の話をしたい者がいてな、付き合わせてすまない」

「いえ!、」

「では、私と休憩しませんか?グレンツェ様」

声をかけてきたのはエティーナだ。

「エティーナ、頼んでもいいか?」

「もちろんです。責任もって私がグレンツェ様の護衛をします」

楽しそうに笑ったエティーナはグレンツェの方を見て行きましょう、と笑いかけてくれる。

「グレンツェ、いい子にしてるんだぞ」

ヴァイザーはグレンツェの頭にぽんっと手を乗せるとエティーナに頼んだ、と目線を送る。

ヴァイザーと離れ、エティーナに着いていく。

「ヴァイザー様は随分とグレンツェ様に惚れているのですね」

「そんなことは、私と旦那様は『運命』ですので」

「『運命』、、」

「?」

先程まで笑顔で楽しそうだったエティーナは表情をなくし迷いなく進んでいく。グレンツェは着いていくしかなく気づけば大ホールを出て客間のような場所に着いた。

「そこにいる騎士さん達は戻っていいわよ、」

なんの事か分からずエティーナが振り返った方をグレンツェも見る。そこにはエニック卿とカイン卿がいた。

「ですが、」

エニック卿は少し困ったように言い淀んだ。

「私はヴァイザー様に直接グレンツェ様を頼まれたのよ」

明らかに困った様子の2人にグレンツェも申し訳なくなり声をかける。

「あの、私は大丈夫です!」

「グレンツェ様もこう言ってるし、ホールに戻っていて大丈夫よ」

にっこりと笑ったエティーナに言い返すことはできず2人は一礼し引き返した。

部屋に入ればエティーナはグレンツェに座るように促す。そこにはエティーナの侍女と思われる人が1人おり、お茶を入れてくれていた。

「今日は疲れたでしょう?このような場は初めて?」

「はい、慣れないことばかりで不安でしたがエティーナ様にこうして良くしていただいてとても嬉しいです。」

「まぁ、ほんとに可愛いわ。私のことはもっと気軽に呼んでちょうだい。」

「エティーナさん?」

「えぇ、それがいいわ。私はヴァイザー様の一個下の年齢なのだけどグレンツェ様からしたらお姉さん的な存在になりたいわ」

(旦那様は21歳だと聞いたわ。ということはエティーナ様は20歳。とても大人っぽいわ、、)

「私は兄妹もいなかったのでエティーナさんのようなお姉さんができたらとても嬉しいです。私のことも気軽にグレンツェとお呼びください」

「私も妹はいなかったらとても嬉しいわ。よろしくね、グレンツェ」

エティーナは一口お茶を飲み次は真剣な顔でグレンツェを見つめた。

「私ずっと気になっていたのだけど、『運命』ってどんな感じ?」

「実は私も『運命』はいまいち分からないのです。『運命』が分かるのは今はエルフォルク家だけだと旦那様は仰っていました。なので私と旦那様が『運命』であることは旦那様しか分かりません」

「ふーん、で、無魔力なのは何か消しているのかしら?」

「消している?」

「魔力を悟られないように消しているのかってことよ。相当高度な魔法だけど。私だってあなたから魔力を感じ取れないわ」

どうやらグレンツェから魔力が感じられないことを高度な魔法で隠していると思っているようだ。

「いえ、あの、、本当に無魔力なのです。今の時代とても珍しいのですが、」

「無魔力、、?それでエルフォルク家に嫁ぐというの?」

先程の笑顔とは違い鋭い目つきでグレンツェを睨む。

「わ、私も釣り合うなんて思っていません、、ですが旦那様は、」

「さっきから旦那様ってあなたまだ婚約もしてないわよね?」

「っ、はい」

「はぁ、まぁいいわ。ヴァイザー様が無魔力の女を選ぶということは『運命』はほんとのようね、『運命』でなければこんな価値のない女選ぶはずもないもの」

(こわい、、だけど無魔力なのは事実。何も言い返すことは無いわ、)

「黙っちゃってさ、、高い魔力を持っているなら少しくらい仲良くしてヴァイザー様に近づこうと思ったけど、、無魔力なら簡単だわ。提案があるの。」

エティーナは表情のない顔から一気に笑顔になりグレンツェに近づく。
隣に座ったエティーナはグレンツェに耳打ちする。




「私は血の繋がっていない子でも愛せるわ」









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