【本編完結】『運命』の旦那様、本当の愛を教えてください!!

秋条かなん

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3章

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グレンツェが目を覚ました翌日、グレンツェはヴァイザーと向かい合って夕食を食べていた。



「ではエティーナさんは事情聴取中ということですか?」

「あぁ、エティーナはグレンツェに嫉妬してやったことだと言っていたが問題があってな」

「問題、?」

「エティーナに付いていた侍女が建国祭の翌日に遺体で見つかった。エティーナもその侍女に提案されてやったと言っている。その侍女は記憶操作の魔法が使えるとエティーナに近づき建国祭の侍女に選ばれた。しかし実際に使われたのは消去魔法だった」

「消去魔法、、」

「実際に消去魔法を使ったのがその侍女なのかはまだ分かっていない。その魔法が成功しなかったため証拠隠滅のために殺された可能性もある」

「ですが、私があったのはエティーナさんとその侍女の方だけです」

「そうか。消去魔法は幻の魔法ともいえる。私も使うことはできない、とても強力な魔法だ。それほどの魔法使いが遠距離からの発動をできないとも言いきれないからな。まぁ消去魔法をエティーナが使っていないとしてもグレンツェを傷つけたことは事実だ。しかもあんな嘘までつきやがって、、」

首を傾げるグレンツェにヴァイザーはなんでもないと首を振る。

「そうだ、グレンツェ。花嫁修業は1週間休みだ。」

「えっ、そうなのですか?」

「あぁ、3日も目を覚まさなかったのだ。少し休め」



(って言われても花嫁修業がないとすることがないなぁ、、)

部屋で読み終わった本を閉じベットに横になる。刺繍などもまだ教わっていないので暇つぶしになるようなことがない。

(旦那様はお仕事だし、レイも私のお世話係ではないもの、1人で時間を潰さなきゃ)

部屋でゴロゴロするのも気が引けてグレンツェが部屋から出ればエニック卿とカイン卿が立っていた。

(そういえば2人は私の専属護衛よね?じゃあ、、)

「あの、外以外ならどこでも行けるのですか?」

「はい。ご要望があればご案内します」

エニック卿が答える。

「温室に行きたいのですが、」

「わかりました。ご案内します」

「あっ!その前に厨房に行ってもいいですか?」

「?はい、」

不思議そうに答えたエニック卿の前をわくわくしたように軽やかに廊下を歩くグレンツェは何かを閃いたようだ。

厨房に行き中に入れば料理長が驚いたようにグレンツェを見た。

「申し訳ありません!!グレンツェさま!まだ昼食はできていなくて、、」

「ううん!ちがうんです!今朝のパンとか残っていたら欲しいなーと思って」

「あぁ!なるほど、そうでしたか!もちろんあります!お腹が空いたのですか?」

料理長からしたらグレンツェは娘くらいの年齢だからかよく可愛がっているようだ。グレンツェもそれが心地よい。

「あの、実は、、」

グレンツェは2人の騎士たちに聞こえないよう料理長に耳打ちする。すると料理長は張り切り出して少し大きなかごバッグにいろいろと詰めてくれた。
エニック卿とカイン卿は私達が持ちます、とうるさかったがグレンツェが自分で持つと聞かないため渋々後ろについて歩き始めた。

エニック卿が教えてくれた通りに進めば綺麗な温室が広がっていた。外では無いが空気が澄んでいて気持ちがいい。

不思議そうに見守る2人の目線の先には何やら楽しそうに準備するグレンツェがいた。


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