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4章
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しおりを挟むいよいよ武闘会が始まる。
最初の部門が始まり観客も一気に立ち上がり、応援を始めた。武闘会が進んでいく事に盛り上がりは増していく。
これまでグレンツェはアランがエルフォルク家で魔法道具職人として働けるチャンスの機会という印象しかなかったが、思った以上の盛り上がりでやっと大きな大会であることに気づく。
(この大会は予選を勝ち抜いてきた人の最終決戦なのよね、、予選もやっていないアランは大丈夫かしら、)
きっとアランなら、と思っていたグレンツェもさすがに不安になる。
(もし優勝出来なかったら、、)
ぐっと体に力が入る。そんなグレンツェの気持ちを察したのかヴァイザーはグレンツェを落ち着けるように頭にぽんっと手を乗せる。
「アランが出るのは魔法道具部門だ。まだ少し後だ、ゆっくり観戦していろ」
「はい、ありがとうございます」
すると横からうふふ、と優しい穏やかな笑い声が聞こえた。
「ご無沙汰しております、ヴァイザー様。そして初めまして、グレンツェ様」
「っ、!」
長い艶のある綺麗な黒髪と女神と勘違いしてしまいそうなほど整った顔に思わず同性のグレンツェまでうっとりしてしまう。
(っ!こんなお綺麗な方、、建国祭では見かけなかったわ)
「久しいな、アローナ」
グレンツェは急いで立ち上がり挨拶する。
「初めまして、グレンツェと申します」
「まぁ!本当に可愛いわ、噂は本当のようね!私はスフィスト・アローナと申します。会えて光栄ですわ」
綺麗にお辞儀したアローナは所作まで美しい。あまりの美しさにぼーっとしていれば急にアローナに抱きしめられびっくりする。
「ほんとに連れて帰りたいわ、、いいかしら?ヴァイザー様」
「ダメに決まっているだろ、最近婚約したばかりなんだ」
「それはそれは、あの熱さも納得ですわね」
楽しそうなアローナとは裏腹にヴァイザーは嫌そうな顔をする。
「お隣いいですか?グレンツェ様」
「も、もちろんです!」
「急にびっくりしたでしょう?ごめんなさいね、、」
「いえいえ!とてもお綺麗で、、うっとりしてしまって、」
ここまで美人な方はエティーナを思い出してしまい少し戸惑ってしまう。ヴァイザーを狙うひとりなのかもしれない。容姿の整ったヴァイザーにはお似合いすぎる人だ。そんなグレンツェに気づいたのかヴァイザーはため息をつきながら言う。
「アローナは私の従兄妹だ。隣国に嫁いだから会う機会は少ないが私と唯一血が繋がっている人間だ」
「そうなのよ!言ってなかったわね、心配させてしまったかしら?」
「いえ、そんなことは!」
「いろいろ大変なことがあったと聞いたわ。急に連れてこられて大変だったでしょう?この人に何か悪いことはされてない?」
先程はヴァイザー様、と敬意をはらっていたのに急にヴァイザーに対して指を指したアローナはどうやら表向きの挨拶をしたらしかった。
「いえ!とっても良くしてくださって、、私にはもったいないお方です、」
「ほんとにいいお嫁さんを貰ったのね、、あなたしっかりなさいね!」
「言われなくても分かっている、」
少し子供っぽいヴァイザーは新鮮でグレンツェは少し嬉しくなる。
「私しばらくシュバルツ帝国に滞在するの!良かったらまたお茶でもしましょう!」
「はい!ぜひ!」
アローナは立ち上がるとグレンツェに手を振りながら元いた席に戻って行ったようだ。
「アローナはグレンツェとも気が合うだろう。あの人は誰にでも平等だ」
「とっても優しい方でした」
(エルフォルク家には優しい人しかいないのかしら。お城で働いている人も皆、私を見て嫌な顔をする人はいないし、)
そんなところで暮らせていることに改めて幸せを感じる。グレンツェが幸せを噛み締めていると会場がぶわっと熱気と歓声に包まれた。どうやら剣術部門が終わったようだ。
あっという間に次は魔法道具部門だ。
次々に参加者たちが入場してくる。皆が大きなロボットや大きな機械を持っている中でアランだけが小さな箱を持っていた。
「まさか、あの少年、、あの魔法じゃないですよね?」
後ろに控えていたカイエルが目を細めて言う。
「まさか、それを使った時点で処刑対象だ。さすがにそこまでバカではないだろう」
グレンツェも先程の優勝する、と言ったアランの言葉を信じていた。
(でも、!あんなに小さな道具でどうやって、、)
謎は深まるばかりだが、いよいよ魔法道具部門が幕を開けた。
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