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父と娘
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「セシル……」
お父さんがあたしに気づいて名前を呟いた。
「お嬢様……お部屋にお戻りください」
アベルが作った笑顔であたしに言った。
あたしはアベルの顔を久々にしっかり見た気がする。
「お父さん……何の騒ぎ?」
あたしがアベルの言葉を無視してお父さん聞くと、あたしが知る『お父さん』ではなく『帝国3大将軍ハーン・アドレイ』の顔をして答えた。
「アベルは反逆罪だ。カナリーの真相を知らない者にカナリーの全てを話す事は反逆罪に値する。
それを知りながらもアベルはセシル……お前に話したようだな」
「そんな……お母さんが亡くなった原因を話すのが反逆罪なの?」
「アベルから聞いた通りカナリーは反乱軍の初代リーダーだ……カナリー・アドレイの意志を継ぐ無法者を増やさないため、箝口令をしいていた。
この箝口令は破ったら反逆罪……この国の決まりでアベルも知っていた」
アベルを振り返るとそれでもアベルは笑顔だった。
「私からハーン様に話しました。お嬢様に全てをお話した……と。お嬢様は全てを知る権利があると、私の勝手な判断です」
アベルはお父さんを見て言った。
「お嬢様に私が無理に教えました。お嬢様は知りたくもない話を聞かされたまでて罪はありません……お嬢様は関係ありませんのでどうか無罪ということでお願いします」
そう言ってアベルは頭を下げた。
「違うよ!お父さん!あたしは」
「お嬢様!!!」
アベルが慌ててあたしの言葉を遮った。
「お嬢様……反逆罪は死罪です。お嬢様に何かあれば私はそれ以上悲しいことはありません」
「でも……」
あたしが見たティエンの町、母の想い、国の事、父の事
あたしには思い悩む時間があまりになかったけど、大切な人を目の前で失うのだけは嫌だった。
それが、たとえ、あたしが反逆者となっても―――――
「あたしはカナリー・アドレイの意志を継ぎます」
お父さん―――帝国3大将軍に向かって反逆宣言をした。
お父さんがあたしに気づいて名前を呟いた。
「お嬢様……お部屋にお戻りください」
アベルが作った笑顔であたしに言った。
あたしはアベルの顔を久々にしっかり見た気がする。
「お父さん……何の騒ぎ?」
あたしがアベルの言葉を無視してお父さん聞くと、あたしが知る『お父さん』ではなく『帝国3大将軍ハーン・アドレイ』の顔をして答えた。
「アベルは反逆罪だ。カナリーの真相を知らない者にカナリーの全てを話す事は反逆罪に値する。
それを知りながらもアベルはセシル……お前に話したようだな」
「そんな……お母さんが亡くなった原因を話すのが反逆罪なの?」
「アベルから聞いた通りカナリーは反乱軍の初代リーダーだ……カナリー・アドレイの意志を継ぐ無法者を増やさないため、箝口令をしいていた。
この箝口令は破ったら反逆罪……この国の決まりでアベルも知っていた」
アベルを振り返るとそれでもアベルは笑顔だった。
「私からハーン様に話しました。お嬢様に全てをお話した……と。お嬢様は全てを知る権利があると、私の勝手な判断です」
アベルはお父さんを見て言った。
「お嬢様に私が無理に教えました。お嬢様は知りたくもない話を聞かされたまでて罪はありません……お嬢様は関係ありませんのでどうか無罪ということでお願いします」
そう言ってアベルは頭を下げた。
「違うよ!お父さん!あたしは」
「お嬢様!!!」
アベルが慌ててあたしの言葉を遮った。
「お嬢様……反逆罪は死罪です。お嬢様に何かあれば私はそれ以上悲しいことはありません」
「でも……」
あたしが見たティエンの町、母の想い、国の事、父の事
あたしには思い悩む時間があまりになかったけど、大切な人を目の前で失うのだけは嫌だった。
それが、たとえ、あたしが反逆者となっても―――――
「あたしはカナリー・アドレイの意志を継ぎます」
お父さん―――帝国3大将軍に向かって反逆宣言をした。
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