悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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作戦と誤算

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「しかし、我々の兵力をもってしてもロック城は落とせないでしょう……そこで、一つの策に賭けます。失敗したら“その者”は亡くなり、最悪解放団は壊滅状態に陥る可能性もあります」



「賭け?」



あたしが訝しげに聞いた。




「外部から崩せない城ならば内部から破壊します……つまり、解放団の誰かをロック城に送り込みます。ロック城の主に中央…さらには武器庫、防具庫、各兵士の部屋、できる限りの火薬を仕掛け、火を放ちます。
一気に内部を破壊できるくらいの火薬をばれないように設置し、火を放ち、逃げてください。そうすれば内部にいる兵士をはじめ、ロック城自体を兵力を使わず落とせます」




「た……確かに…しかし…」



レイルが口ごもった。あたしも言いたい事はわかる。



それを誰がするのか……だ。






「敵を欺くにはまず味方から……だからこの策はここにいる人しか伝えません。そして、私はロック城へはムウ将軍が適任と思います」



「待って!ムウ将軍にそんな危ない事を頼めない!あたしがやるよ!」



あたしが声を上げたけど、アニエスは首を横に振った。



「セシル殿ではハーン将軍に尋問された際に全て答えざるをえなくなります。また、ゼシカやアベル、ルイ、クリック、クレイルも同様。そしてサイ殿、ナタリー殿は我が軍に来たばかりで解放団を裏切ったとは怪し過ぎる……そうなるとムウ将軍にしか任せられません」



「しかし!ムウ将軍の命が危ないわ!」



レイもさすがに反対した。

ムウ将軍は裏切った3大将軍だから命が危ないのは誰が見ても明白。



「そうです……ですのでムウ将軍にはハーン将軍に『解放団には負けたが帝国のためにスパイとして活動していた。しかし元帝国3大将軍だから周囲から怪しまれて唯一わかったのは今の解放団の戦力とサイ殿とナタリー殿の裏切りくらい』と言ってください。
敵を信用させるためなら水上砦から西を攻める以外は全て伝えても構いません。我々の兵力や将がハーン将軍に知れても、ムウ将軍さえこの策を成功させてくれれば問題はありません」



「でも…」



あたしが渋ったらムウが手を振って制した。




「アニエス殿は解放団の命運を私に任せる……つまり私が帝国に寝返れば解放団の命運は尽きる……それを承知ですか?」




アニエスとムウはしばらく無言で見つめ合っていた。

ふっと息を吐いてアニエスが口を開いた。




「ムウ将軍は今は解放団の立派な将です。私はあなたを信じてます」



アニエスの答えにムウはこの役を引き受ける事を快く了承した。

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