立花家へようこそ!

由奈(YUNA)

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11.立花家の秘密

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しばらくして、小さな声で話を続けた。

唯斗くんの、本当の気持ち。


「今はどうしていいか……正直分かんない。

今までずっと気にしないでいた事が年を重ねる事に気になって……。

この気持ちのまま、この家にいるのは……正直しんどい」


唯斗くんが気にしないでいた事?


「俺だけこの家で他人だって事……気にしないようにしていたけど……どうにもならない事実だけど……それが、、、苦しい」


そう言って俯いて顔を隠した唯斗くん。

ずっと思ってて、だけどずっと言わなかった言葉。

ようやく言おうと決めたんだろうけど、絞り出すように言ったから、きっと言うのも辛いんだと思う。

言うと、認めるみたいだから。

自分だけ、他人だって。










「ねぇ、それ、どーゆー事?」


みんな、会話に集中しすぎて立ち尽くしてる人に気づいていなかった。

葵ちゃんと嵐くんと明くん。

三人が、そこに立っていた。


「ねぇ、唯兄は俺のお兄ちゃんでしょ?俺だけ他人ってどういう意味?」


「ごめん、驚きすぎて声掛けれなくて……めっと早く声を掛けるべきだった」


たぶん、嵐くんが一番長く今までの会話を聞いていたんだと思う。


気まずそうに視線をそらしてる嵐くん。

今にも泣きそうな明くん。

それから、一番不機嫌そうな葵ちゃん。


三者三様の反応を見て「最悪……」って頭を抱えながら呟いた唯斗くん。


私は何か言うことも、どうすることもできなかった。



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