立花家へようこそ!

由奈(YUNA)

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21.普通の家庭の定義

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ひなちゃんたちとは早めに解散して、立花家に戻るとやっぱりお母さんとお兄ちゃんがいた。


「……でねっ!ないわーって思った!!」


廊下まで響くお母さんの声。

誰に話してるのかな?


って、思いながらリビングに入ったら……立花家全員が、いた。


「弱いヤツほどよく吠える」


「ほんとソレ!
いざ痛いところを突かれるとハッキリと言えなくなる姿、ぜひ見てほしかったわよ!」


「そしてベテラン先生に叱られた……ダサいな」



充さんとお母さんは、もう言いたい放題。

私が来ても二人は気づかないくらい盛り上がってる。


お兄ちゃんは誰とも話さずスマホ見てるし、充さん以外の立花家のみんなはお母さんたちの会話を聞きつつも全然違う話をしたり……



うん……みんな、自由だね。



「あっ!ここちゃんお帰り!!」


明くんが一番最初に気づいてくれて

その声でみんなが私に注目した。


「ただいま……帰りました、」


「おかえり」



間髪入れずに返事をしたのはまさかのお兄ちゃん。

お兄ちゃんから返事を貰うとは思わなくて、思わず顔をすごい見ちゃった。


「何?」


「いや……別に、、何も…」



……おかしいなぁ。


立花家の人だったら『おかえりって言われたのに驚いたんだよ』って、絶対に言えるのに……。


お兄ちゃんには、そんな事も言えないよ。



「ねぇ心。明日は休みよね?空いてる?」


お母さんに聞かれたけど、明日は別に予定はない。

土曜日だから学校も休み。


「空いてるよ?」


「じゃあ!明日はお出掛けしましょっ!!」


お母さんに満面の笑みでそう言われたら断れないよ……。


お兄ちゃんは?って聞きたかったけど

やっぱりお兄ちゃんには、、ちょっと聞きにくくて聞けなかった。
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