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由奈(YUNA)

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28.大和くんの恋の行方

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ご飯を食べ終わってから唯斗くんに呼ばれて

私の部屋で二人になった。



「結局、大和への気持ちはハッキリと自覚したんだ?」


あ……なるほど。

気になったのは、この話ね。


「うん。大和くんはお兄ちゃんだなって今では思う。

ほら、私の兄…冬哉とは真逆でしょ?

大和くんはお洒落さんでかっこよくて優しくて……。


だから、憧れだったんだと思う」



……本当は、間違いなく恋だったと思う。


大和くんと手を繋ぎたいとかキスしたいとは思わなかったけど……

一緒にいるだけで楽しくてドキドキした。

その感じは、人生ではじめてだったから…―――――



気づいたら、その感情がなくなって…。

だから今は、憧れだったって、言えるんだよ。



「確かに心の兄さんはトークがまぁまぁ辛口だな。
大和は逆に甘すぎるくらいだし……うん、納得」


唯斗くんはそう言って頷いていたから

これで、私の話は、おしまい。



「ところで!
唯斗くんは夏休み遊ぶためにアルバイトの日数減らしたんでしょ?

どう?彼女さん、できた??」



私が聞くと唯斗くんは驚いた様子で


それから、声をあげて笑った。



「心にこんな風に聞かれる日が来るなんてなっ!

最初の頃は思いもしなかった!!」


唯斗くんが今みたいに笑う姿


私も最初の頃は思いもしなかったよ……って、言わないけどね。


「ひどいなぁ……自覚はまぁあるけど……」


「悪い悪い。

で、彼女?


いるよ。夏休みにできた」



笑って謝りながらサラリと彼女がいる発言をした唯斗くん。



「遊びじゃなくて真面目な感じ………?」


「心は俺がまだクズだと言いたいのか?」


「いや…………ごめんなさい」



唯斗くんの本気の恋。


相手は同い年の別の大学の人。


高校で仲良かった玲奈さんではないって。


「ちなみに、出会いは?」


「合コン」


「わぁ、大人だ…」



唯斗くんは嬉しそうに話すから

私まで、嬉しくなった。
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