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由奈(YUNA)

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29.体育祭

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私はね、恥ずかしくて小声になっちゃったけど、、、


ついに最後の競技なんだって実感がわいたよ。


私はアンカーだから…男女混合リレーに出る人みんなから、「頑張って」って言葉を貰った。


ケイくんやすみちゃんみたいに話をする人から

平井くんみたいな普段は全く話さない人まで。


みんなに応援されたから、頑張らないと………。



スタートの号砲が鳴って、第一走者は平井くん。

すごく速いけど……平井くんの前には二人走っていて


三位で、第二走者にバトンを渡した。



「マジでくっそはえーんだけどっ!!」


走り終わった平井くんはすごく悔しそうだった。



次々にバトンを繋いで


三位から二位

二位から三位


って、順位争いをしながら、、次はアンカー、私の番。



私にバトンを渡すのはケイくんで


ケイくんが一気に二人抜いて、現在一位。



「うそ……」


このまま逃げ切れば………学年別では優勝?


目の前に迫ってきたケイくんは……私を見て、笑った。


まるで「心サンならやれる。大丈夫」って言われたみたいで……だから、身体から余計な力が抜けた。




ケイくんからバトンを受け取ってすぐ


「頑張れっ!!!」


って、聞いた事がないくらいのケイくんの声が背中から聞こえた。



私は走るのが得意。


大好き。



だから、アンカーは緊張したけど…


やっぱり今、すごく楽しい………!!





目の前には先生たちがゴールテープを持っていて


私がゴールした瞬間、ワッと歓声が上がった。




「すごーいっ!!!ぶっちぎりの優勝!!!」


ゴールにいたすみちゃんに勢いよく抱きつかれた。


え?


え?


優勝!!?



改めて周りを見ると確かに……私が一位だったっぽい……。



「すげー早かった!城山さんヤバくない!?」


「凄かったー!城山さんもだけど赤塚も!二人いなかったらビリだったかも!!」



リレーに出たみんなが駆け寄ってきてくれて、みんなから……とにかく褒められていた。


それが恥ずかしくもあり、嬉しくもありで、、だから、ちょっとだけ、泣きそうになっちゃったよ。
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