立花家へようこそ!

由奈(YUNA)

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32.私と家族と立花家

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言わなきゃって思うのに言葉が出てこない。


みんな、私を見ていて、、言葉を待っているのに、、、


すると、お母さんの顔が少しずつ曇り始めた。


「お母さんはね、、心と一緒に過ごしたいよ?

確かに立花家に預けたけど……それは心にとってお母さんと一緒に海外に行くより、立花家にいた方が心の為になると思ったから。
本当にその通り……心は昔のように明るくなってよく笑うようになった。

だから……立花家には感謝してる。


でもね、心は私の娘だから……私だって心の成長を傍で見ていたい。

嫌いだからとか、面倒だからって理由で別々で暮らしていたんじゃないんだから……たから、この家で家族みんなで、、暮らしたいのよ」


お母さんの想いを……分からない私じゃない。


私だってお母さんが嫌いって訳じゃないし、私がこの家で暮らせるのも……無限じゃない。


大学生になって一人暮らししたいとか

社会人になって勤務地が他県って事もありえる。

お母さんだって、再婚して海外生活の可能性は高い。



ずっと今のまま……では、いられない。


お母さんは分かっているからこそ、私との時間も大切にしたいんだって気持ちは、、通じているよ。



でも、


だけど、、



私の希望


私の願いは……もう自分の中で答えが出ていて、、


私はいつの間にか、自分の意見をしっかりと持てる人間になったと思う。



これは、誰にも相談しないで決めた、私の願い


ずいぶんワガママなお願いなんだけど、だけど、譲りたくない想い。



だって、私の大切は、ひとつじゃないんだから………。







「お母さん、私ね………」




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