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■水に棲む
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東京から離れて、東北に向かった。
雪乃が調べたところ、東北のある山には物の怪が多く住む山があるようで
そこには川もあるから涼しいだろうし
しばらくは生活に困らないんじゃないかとの事。
「とは言えスマホ使えないのきっついからソーラーパネルの充電器持っていくしー、化粧水は絶対に忘れたらヤバい!!」
雪乃はスマホや化粧品など
山での生活に不要そうな物まで多数持ち込んでいた。
山の麓には人間がたくさんいて
皆、俺達のような登山の格好をしていた。
最初は人間に紛れて山を登り、途中で道を脱線した。
「うっわぁ~………獣道ってカンジ!」
道がどんどん悪くなっても、雪乃は楽しそうに歩いていて
かなり山の奥深くに入ったら、川が見つかった。
川の辺りは少し開けていて、人もこなそうだし、生活には困らなそう。
「川の近くでしばらく過ごすか?」
「そうだね!
ここ、湧き水が出てるから飲めるよ!!」
拠点をこの場に決め、テントを組み立てたり食べれる物を山で探した。
俺も雪乃も狩りもできるし野草の知識もある。
だから、野宿には全く困らなかった。
夜になれば辺りは真っ暗だが星はよく見えるし、何より涼しい。
「やはり、山はいいな」
「ねーっ。涼しいし!虫に刺されるのが嫌だけど」
そう言いながら二人で川に足を浸けながら昔の話をたくさん話した。
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