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CASE5 武器と魔法

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アゲハのところに一度行ったけど、いなかった。

またみんなのところに戻ったのかもしれないよね。


夕飯の時間になって、ルーラが呼びに来てくれたけど、、、行きにくいような、、、


「何かあった?ギルバートもエドガーもみんな、機嫌悪い感じだよ?」

「え~……部屋にいたから知らないよ~……」

「……空って嘘が下手だね」


バレバレの嘘だけどルーラは追求しないでくれた。


私とルーラが入るとチラッと見られてそれから視線を外された。

アゲハは……来ていない。


「あっ、」

振り向くとシュナがいて、私とルーラを見ていた。


「シュナ、アゲハはどうだった?」

「お父さん…アゲハさん、食欲、ないって……」

エドガーは困った様子だったけど、来ないのは当然じゃない?って思ったり。

来にくいでしょ?

私だって今めっちゃ気まずいし……。


「ただね、、、ただ……」

シュナはそう言って足元をじっと見ていた。

みんながシュナに注目をして、シュナは気まずそうに余計小さくなってしまった。


「ずっ、ずっと……シンクロ、使ってたみたいで……すっごく、具合悪そうで、、、自分がやらなきゃって…言ってて……ちょっと、変、だった……」


チッてゼロさんの舌打ちが聞こえた。

シンクロはあまり使うなって話だったのに……。


「そうか…。分かった。私が話をしてくるよ」

エドガーが立ち上がって

私たちがいる方を見て驚いていたから振り向いたらアゲハがいた。

確かに、ずいぶん顔色が悪い。


「俺が行かないとアイリーンさんに迷惑かけるから。ルーラたちも早く座りなよ」


アゲハは普通に

だけど、機嫌も体調も明らかに悪そうだった。


「具合どーなの?」

「別に、平気だよ」


レオンとも会話はしてるけどすっごい不自然。

しかも、食事……食べてるようで食べてない。


「アゲハさん機嫌悪くないですか?」

「しかもいきなり調子悪め~。アゲくん何してたのさ」


スーは普通にアゲハに聞いてるけど、、、


「俺の役割を果たすための努力」


ピシッと空気が凍りついたのが分かった。

桃華も涼くんも、みんなアゲハが変だって分かってる。


「で、お前が今ぶっ倒れたら俺に迷惑かかるんだけど?」

ゼロさんがもっともな事を言ったけど、アゲハの視線が冷たかった。


「それをどーにかするのがゼロの仕事でしょ?」

「は?なにそれ」

「だって遊んで調子悪くした訳じゃないし。あと少しで使えるようになりそうだし……」


使えるって事は、魔法なのかな?


「だからって、無理するのは良くない」

「大丈夫、人間ほど弱くないから」


エドガーの言葉にも間髪を入れずに答えていた。


「ずいぶんな、、口をきく」

ついに、はじめて

ランさんが口を開いた。

ってか声もはじめて聞いたかも。


「事実を言っただけでしょ?俺は新人類だから……もうやめようよ、この話題」


そう言って笑ったから、分かったの。

笑えてない。

完全に無理してるって。

もう自分を繕えないくらい、、、本当は辛いんだね。


「アゲハ」

視線だけこっちを向いてくれたから


「もう、無理しないでいいよ。辞めたきゃ辞めちゃえば?レジスタンスを」

私の言葉に全員が言葉を失って、次のアゲハの答えを待っていた。

しばらく無言のまま

次に聞こえた言葉は、さっきよりも普通なトーンだった。


「その考えは俺になかったけど……残念だけど、辞められない理由のが多いよ」


そう言って席を立ち上がった。

食事はほとんど手をつけていなかった。





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