上 下
75 / 342
CASE5 武器と魔法

17

しおりを挟む
「なんだ、あの態度は…これだから、異界人の新人類などいらんと言ったのに」

ランさんがめっちゃブツブツ文句言ってるけどわざとかな?

異界人、三人いますよ、ここに。


「辞められない理由とやらがなけりゃレジスタンスはやってないって事ね。それがアイツの本心だろ?」

「あーっ!もーっ!!ゼロは黙れ。お前が口を開くと揉める!」

「は?結局レオンは甘いよな」

「なんとでも言え。どうすっかなぁ……はぁ……」


レオンが元気ないからみんなもシンとしてて

思わず、口を開いた。


「みんなが思う新人類って何?」


「え?どうしたの?」


「だから、私たちは新人類を知らないから。この世界の人から見たら新人類って何?」


「なるほど」って桃華は納得したけど、たぶんあんまり意味は分かってない。

私の聞きたい意図が分かった四人は表情が変わったけど口を開きはしなかった。


「うーん…人、ではない。蟲と同じだし……」

「人ベースの新しい生命体」

「人ではないけど……」

「人、だった……生き物」


ルーラとミレイとイブキとシュナは答えてくれたけど、あとの人は何も言わなかった。


「じゃあアゲハは?アゲハは何者?」


そう言った瞬間、ルーラたちはハッとなって、ギルバートさんたちは険しい顔になった。

スーは怖い顔をしてギルバートさんたちを睨んでいた。


「アゲくんに…何言った?」

「何も言ってねーよ」


スーの隣にいたゼロさんはレオンの方を向いて答えたけど、スーはワナワナ震えてた。

え?スーが怒って…る?


「言っただろ!!!おかしいと思った!アゲくんかなり変だったし!で、今のソラちゃんの質問!!ゼロさぁ!アゲくんにっ!人じゃないくらいの発言!したんだろっ!!!」

ビックリするくらい大声で

ビックリするくらい違う口調になったスー。

いつもゼロくんって呼んでるのに、呼び捨てになってるし……。


「耳元で叫ぶなっ!だから何も言ってねーよ!そう聞かれて答えなかっただけだ!」

「それは言ったも同等じゃねーか!お前死ね!!アゲくんに謝るまで口をきかねーからなっ!!」


そう言って思いっきりゼロさんの腕を殴ってスーが立ち上がった。

ゼロさんが文句言ってるけどスーは完全に無視。


私もだけど、、、スーの勢いに言葉が出ない。

てゆーか。スーはアゲハの態度と私の質問だけで理解したんだ。

頭いいっていうか、なんていうか、、、

スーの怒り方もビックリしたけど、アゲハの事で怒るっていうのも意外で、、、


「スー…なんかすご……」

呆然とした桃華を横目に、私も席を立ち上がった。


「空、どこに行くの?」

「アゲハの所」


そう言っても、誰も止めなかった。


しおりを挟む

処理中です...