理想郷 - 私と幼馴染みの異世界物語 -

由奈(YUNA)

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CASE5 武器と魔法

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汗を流してならリビングに行くとめちゃめちゃ上機嫌なエドガーが座っていた。

見ているだけで分かる。

アゲハに謝れたんだなぁって。

ずいぶん無理矢理な理由でアゲハを連れ出した目的は謝罪で、ちゃんと話せたんだね。


「ほらアゲハ!モモカとソラが来たぞ!?渡さなきゃ!」

「なんでエドガーがそんな楽しそうにしてるんだよ…」


アゲハがやれやれって態度で私とモモカの席に来て、渡されたのは付け耳 ……じゃなくてヘアアクセ入った小袋。

私は水色、桃華はピンク。

二人の名前の通りの色のヘアアクセがいくつも入っていた。


「それね、シュナが二人にって。髪の毛長いから戦闘になれば結ぶ必要あるだろうし、女の子だし友達だからお揃いがいいんじゃないかってさ」


中には確かに色違いで物は同じ。


「かわい~っ!!ありがとう!シュナ!!」

モモカがお礼を言うと真っ赤になって俯いていた。

恥ずかしくてアゲハに渡させたのかな?


「使わせてもらうね。選んでくれてありがとう!」


シュナは思いっきり首を振りながら小さい声で「良かったら使ってね」って言ってくれた。

バンスクリップとかシュシュとか、普通にあるんだね、この世界。


シュシュで髪をしばったらエドガーにはテンション高く褒められた。


「よく似合っている!さすがシュナが選んだだけあるな!!」

言い方的に、私を褒めたというより、娘を褒めたんだろうけど。



アゲハをチラッと見上げたら、片手を頭に当てて複雑な顔をしていた。

どうしたの……かな?


「紙!紙貸して!」


突然のアゲハの大声に、瞬時に動いたのはエドガーだった。

紙とペンを渡した時にはさっきまでの笑顔は消えて、アゲハが書く内容をじっと見ていた。



書いていたのは日本語だった。


お楽しみ会

どれいふえた

ふくすうで

殺しあい

シンクロ使えない

手錠?

1週間後

光のまほうつかいはいない


単語をいくつも書いているけど、意味が全く分からない。

お楽しみ会って単語だけは聞いたことあるけど……。



「読めないな…アゲハのいた世界の言葉か……ソラ、読んでくれるか?」

エドガーに言われて読もうとしたけど、アゲハの手によって止められた。

アゲハを見たら静かにってポーズ。

言ったらいけないことが書かれているのかな?




しばらくしてからペンを置いたアゲハはちょっと疲れた顔をしていた。

「ミオからの連絡。だいたい訳せたけど……」

中を見渡して誰がいるかを確認していた。

ほとんど揃っているけど、いないのはルーラとミレイとイブキだけ。


「雪将軍、俺たちが奴隷解放したのに怒って解放した数の倍、奴隷を増やしたって」

「…は?どうやってだ?」

「支配地域の村をひとつ、自ら潰したらしい。そこの村人を奴隷にしたって。元々地図にも載らない小さな村だったらしい」


アゲハの言葉に全員が言葉を失っていた。

レジスタンスの奴隷解放が、逆にとんでもない事態を巻き起こした…そんな気がした。


「詳細をレオンまでに話したい。それから、みんなに話すか決めたい」

「今話せばいいだろ?なぜ話さない?」

ランさんが睨みながら言葉を発したけど、アゲハは目をそらさなかった。


「レジスタンスには元奴隷が多いからです。聞かなくていい話は聞かせたくない」

「ずいぶん…甘いな、お前は」

「だって俺、元奴隷だから。元奴隷の立場で聞いたら気分が悪い話ばかりだったのでね」


冷静な口調とは裏腹に、自分が書いていた紙を思いっきり握り潰していた。


それに気付いたのか、ランさんはそれ以上何も言わなかった。



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