89 / 342
CASE5 武器と魔法
31
しおりを挟む
**********
汗を流してならリビングに行くとめちゃめちゃ上機嫌なエドガーが座っていた。
見ているだけで分かる。
アゲハに謝れたんだなぁって。
ずいぶん無理矢理な理由でアゲハを連れ出した目的は謝罪で、ちゃんと話せたんだね。
「ほらアゲハ!モモカとソラが来たぞ!?渡さなきゃ!」
「なんでエドガーがそんな楽しそうにしてるんだよ…」
アゲハがやれやれって態度で私とモモカの席に来て、渡されたのは付け耳 ……じゃなくてヘアアクセ入った小袋。
私は水色、桃華はピンク。
二人の名前の通りの色のヘアアクセがいくつも入っていた。
「それね、シュナが二人にって。髪の毛長いから戦闘になれば結ぶ必要あるだろうし、女の子だし友達だからお揃いがいいんじゃないかってさ」
中には確かに色違いで物は同じ。
「かわい~っ!!ありがとう!シュナ!!」
モモカがお礼を言うと真っ赤になって俯いていた。
恥ずかしくてアゲハに渡させたのかな?
「使わせてもらうね。選んでくれてありがとう!」
シュナは思いっきり首を振りながら小さい声で「良かったら使ってね」って言ってくれた。
バンスクリップとかシュシュとか、普通にあるんだね、この世界。
シュシュで髪をしばったらエドガーにはテンション高く褒められた。
「よく似合っている!さすがシュナが選んだだけあるな!!」
言い方的に、私を褒めたというより、娘を褒めたんだろうけど。
アゲハをチラッと見上げたら、片手を頭に当てて複雑な顔をしていた。
どうしたの……かな?
「紙!紙貸して!」
突然のアゲハの大声に、瞬時に動いたのはエドガーだった。
紙とペンを渡した時にはさっきまでの笑顔は消えて、アゲハが書く内容をじっと見ていた。
書いていたのは日本語だった。
お楽しみ会
どれいふえた
ふくすうで
殺しあい
シンクロ使えない
手錠?
1週間後
光のまほうつかいはいない
単語をいくつも書いているけど、意味が全く分からない。
お楽しみ会って単語だけは聞いたことあるけど……。
「読めないな…アゲハのいた世界の言葉か……ソラ、読んでくれるか?」
エドガーに言われて読もうとしたけど、アゲハの手によって止められた。
アゲハを見たら静かにってポーズ。
言ったらいけないことが書かれているのかな?
しばらくしてからペンを置いたアゲハはちょっと疲れた顔をしていた。
「ミオからの連絡。だいたい訳せたけど……」
中を見渡して誰がいるかを確認していた。
ほとんど揃っているけど、いないのはルーラとミレイとイブキだけ。
「雪将軍、俺たちが奴隷解放したのに怒って解放した数の倍、奴隷を増やしたって」
「…は?どうやってだ?」
「支配地域の村をひとつ、自ら潰したらしい。そこの村人を奴隷にしたって。元々地図にも載らない小さな村だったらしい」
アゲハの言葉に全員が言葉を失っていた。
レジスタンスの奴隷解放が、逆にとんでもない事態を巻き起こした…そんな気がした。
「詳細をレオンまでに話したい。それから、みんなに話すか決めたい」
「今話せばいいだろ?なぜ話さない?」
ランさんが睨みながら言葉を発したけど、アゲハは目をそらさなかった。
「レジスタンスには元奴隷が多いからです。聞かなくていい話は聞かせたくない」
「ずいぶん…甘いな、お前は」
「だって俺、元奴隷だから。元奴隷の立場で聞いたら気分が悪い話ばかりだったのでね」
冷静な口調とは裏腹に、自分が書いていた紙を思いっきり握り潰していた。
それに気付いたのか、ランさんはそれ以上何も言わなかった。
汗を流してならリビングに行くとめちゃめちゃ上機嫌なエドガーが座っていた。
見ているだけで分かる。
アゲハに謝れたんだなぁって。
ずいぶん無理矢理な理由でアゲハを連れ出した目的は謝罪で、ちゃんと話せたんだね。
「ほらアゲハ!モモカとソラが来たぞ!?渡さなきゃ!」
「なんでエドガーがそんな楽しそうにしてるんだよ…」
アゲハがやれやれって態度で私とモモカの席に来て、渡されたのは付け耳 ……じゃなくてヘアアクセ入った小袋。
私は水色、桃華はピンク。
二人の名前の通りの色のヘアアクセがいくつも入っていた。
「それね、シュナが二人にって。髪の毛長いから戦闘になれば結ぶ必要あるだろうし、女の子だし友達だからお揃いがいいんじゃないかってさ」
中には確かに色違いで物は同じ。
「かわい~っ!!ありがとう!シュナ!!」
モモカがお礼を言うと真っ赤になって俯いていた。
恥ずかしくてアゲハに渡させたのかな?
「使わせてもらうね。選んでくれてありがとう!」
シュナは思いっきり首を振りながら小さい声で「良かったら使ってね」って言ってくれた。
バンスクリップとかシュシュとか、普通にあるんだね、この世界。
シュシュで髪をしばったらエドガーにはテンション高く褒められた。
「よく似合っている!さすがシュナが選んだだけあるな!!」
言い方的に、私を褒めたというより、娘を褒めたんだろうけど。
アゲハをチラッと見上げたら、片手を頭に当てて複雑な顔をしていた。
どうしたの……かな?
「紙!紙貸して!」
突然のアゲハの大声に、瞬時に動いたのはエドガーだった。
紙とペンを渡した時にはさっきまでの笑顔は消えて、アゲハが書く内容をじっと見ていた。
書いていたのは日本語だった。
お楽しみ会
どれいふえた
ふくすうで
殺しあい
シンクロ使えない
手錠?
1週間後
光のまほうつかいはいない
単語をいくつも書いているけど、意味が全く分からない。
お楽しみ会って単語だけは聞いたことあるけど……。
「読めないな…アゲハのいた世界の言葉か……ソラ、読んでくれるか?」
エドガーに言われて読もうとしたけど、アゲハの手によって止められた。
アゲハを見たら静かにってポーズ。
言ったらいけないことが書かれているのかな?
しばらくしてからペンを置いたアゲハはちょっと疲れた顔をしていた。
「ミオからの連絡。だいたい訳せたけど……」
中を見渡して誰がいるかを確認していた。
ほとんど揃っているけど、いないのはルーラとミレイとイブキだけ。
「雪将軍、俺たちが奴隷解放したのに怒って解放した数の倍、奴隷を増やしたって」
「…は?どうやってだ?」
「支配地域の村をひとつ、自ら潰したらしい。そこの村人を奴隷にしたって。元々地図にも載らない小さな村だったらしい」
アゲハの言葉に全員が言葉を失っていた。
レジスタンスの奴隷解放が、逆にとんでもない事態を巻き起こした…そんな気がした。
「詳細をレオンまでに話したい。それから、みんなに話すか決めたい」
「今話せばいいだろ?なぜ話さない?」
ランさんが睨みながら言葉を発したけど、アゲハは目をそらさなかった。
「レジスタンスには元奴隷が多いからです。聞かなくていい話は聞かせたくない」
「ずいぶん…甘いな、お前は」
「だって俺、元奴隷だから。元奴隷の立場で聞いたら気分が悪い話ばかりだったのでね」
冷静な口調とは裏腹に、自分が書いていた紙を思いっきり握り潰していた。
それに気付いたのか、ランさんはそれ以上何も言わなかった。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる