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CASE6 新人類開発施設
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それから5日間はひたすらシンクロの練習だった。
ジェスさんが作る空間の中ならどれだけ暴れても外に響かないとかで、日中はずっとそこで練習。
ジェスさんも空間を維持する練習になるって事で一石二鳥だって。
まだ魔法は安定して使えないけど、剣はだいぶ使えるようになった、、、と、思う。
だって、、、スーがスパルタだったんだもん。
アゲハはこの5日でかなり調子が良くなった……らしい。
ゼロさんの治療はもういらないって言ってた。
ゼロさんは「ようやく使いモノになる」って言ってたけど、言葉と裏腹に嬉しそうだったのは黙っていよう。
明日は、花将軍の新人類開発施設を破壊する日。
大丈夫かな……私。
夜、ニャンさんに断りを入れて外に出て星を見ていた。
前も移動する前日の夜は外に出て…レオンが来たんだよね。
それが、もうかなり昔の出来事な気がする。
………まだ1ヶ月も経ってないのにね。
「砂漠の夜に薄着してると風邪引くよ?」
振り向くとアゲハがいて、私の隣に座った。
差し出されたのは厚手の上着。
確かに…寒かったかも。
ありがたく受け取って羽織るとあったかい。
「空にある星…知ってる星座ないんだよね」
そう言いながら隣に座って二人で空を見上げた。
そうなんだけど、星は星。
見た目は全く同じ。輝きも。
「でも、綺麗だね」
「ね。日本より綺麗に見えるよね……町明かりがないからだろうけど」
二人でぼんやりと、空を見上げるのは変な感じ。
アゲハも別に何か言う訳じゃないし、私も話さない。
しばらくそんな状況だったけど、アゲハが急に寝そべった。
「どうしたの?」
「ん?んー…別に?やっぱり俺はこの世界に来て良かったなって思ったんだ、、、こうやって夜に外に出て星を見るのも自由だし、苦しくないし、、、」
私にとったら違和感しかないもんね。
今のアゲハの姿に。
「この世界のまま……正すべきところを正して生きていく。俺はそれでいいと思うのに………難しいね、、」
「うん、そうだね、、」
だから、戦うんだね。
生きていくために。
「明日が、心配?」
「うん。戦うって、経験があるようでないし……」
「……大丈夫だよ」
アゲハの方を見たら空を見上げたまま。
優しい表情。
「空は俺が守るから」
「………………え?」
そういう言葉、アゲハに言われたのはじめて。
いや、、、ねぇ。
急にアゲハが男の人なんだって、実感した。
「さて、明日に備えて早く寝よう?………あ、ヤバイ。背中砂だらけ」
立ち上がって慌てて砂をはらう姿はいつも通りのアゲハ。
背中もだけど、頭も砂だらけじゃん。
「しゃがんで。頭も砂だらけ」
素直に少し屈んでくれたから頭についていた砂をはらった。
そういえば、身長、、かなり高くなったね。
私より余裕で高い。
「なんか、、大人になってきたね」
「へ?どうしたの急に?」
「ううん、なんでもない」
不思議そうな顔をしていたけどさ
こうやっていつか、、、また歩幅が変わるんだなって感じたんだよ。
お互い大人になったらさ、一緒にはいられないなってね。
だから、今は……
今だけは、、、
――――――――――
――――――――――
「よし、じゃあ行くか」
翌朝、ゼロさんの号令で全員が立ち上がった。
渡された服は特別な繊維で作られた服らしくて、少々の魔法なら防げるとか。
すごいご都合主義な服だなぁ。。。
鎧みたいなの着させられないだけマシか。
「移動は?ゼロくん行ける範囲?」
「あぁ、ここまでなら。昨日ニャンばー…………さんに連れていかれたから」
「ニャンばーすごっ!さすが時の魔法使いだね!」
「スーもゼロも失礼な事言うんじゃないよ……」
呆れた様子のアゲハと対照的なスーとゼロさん。
本当にこれから戦うの?って感じ。。。
「よぉっしゃぁぁあ!!ソラちゃん!暴れるよぉーっ!!!」
スーが元気いっぱいだったから、あんまり緊張もしないでいられた。
「目ぇ瞑れ。今から行くぞ」
ゼロさんがそう言ってすぐに目を瞑ったら目の奥が明るく感じて、、、
この感じ、まぁまぁ慣れてきた。
目を開けると、砂漠。
目の前には巨大な…城?
これが、花将軍の城で、、、
アゲハが、新人類になった場所。
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