理想郷 - 私と幼馴染みの異世界物語 -

由奈(YUNA)

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CASE11 心の中

23

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【……涼?】


声を聞いたからなのかもしれないけど


アゲハが涼くんを認識した瞬間


視界が急に鮮明になった。


アゲハの前にはやっぱりノアと涼くん。


涼くんは少し髪が伸びたし雰囲気が結構変わったように見えた。

アゲハを見る目は、、、すごい冷たい。



『……っ、、なんでっ、ここに?』



アゲハが声をあげたら、目の前にいた二人は驚いた表情に変わった。


アゲハがフラフラと歩いてから、手を伸ばして涼くんの腕を掴んだ。


『………空と、、桃華、さん……二人を、元の、世界、に、、』



そう言った直後、視界が歪んで真っ暗になった。




この記憶の次に出てきたのは


アゲハが私を斬った瞬間の映像。



斬った側のアゲハ目線で私を見るってかなり変な感じがしたけど……


ザクッと斬られて血がドバッと吹き出すのを客観的に見たら、背中が痛い気持ちになった。


実際は痛くないけどさ……なんか、変な感じ。


アゲハが自我を取り戻した瞬間は、やっぱり私を斬った瞬間だったんだね。






「これ以上は新しい発見はないだろうが………」



ギルバートさんが口ごもったのは、この辺りから見える記憶。

記憶の底にいるせいか、暗く重たい記憶が見える。。。


アゲハが余命宣告をされた瞬間


入院中一人で寂しかった気持ち


それから、バルバドールの町の人に殺されそうになった瞬間……。



バルバドールでの出来事は深くは話してくれなかったし、今見ている記憶の前を見た訳じゃないから詳しくは分からないけど、、、

アゲハは最初は人々から向けられる憎悪にすごく怖がっていたけど、生きる事をすぐに諦めて、ようやく楽になれるんだって、そう思っていた。

どうせ死んでも誰も悲しまないし、むしろ喜ばれるから死んだ方がいいって………そう思って死を受け入れていた。


【自分の記憶になくっても……自分がした事には変わらなくて、、この人たちも俺の事情なんて知らない……自分のした事の責任とる方法が死ぬしかないなら……やっと、全てが終わりにできる…………けど、、俺が死んだって事すら、お母さんたちに知らせられないんだね、、、最後に会いたかったなぁ……】



アゲハはそう思いながら殺されるのを待ったけど、人々を止めたのはギルバートさんとエドガーだった。



「……だからアゲハは、、自分の命を軽く見てるんだな」


ゼロさんの声は力がなくて……

この時、ゼロさんとアゲハには何かあったのかな?



「さて、戻るか……」


ギルバートさんがみんなに声を掛けた時

エドガーだけはギルバートさんの声に反応しないで何かじっと見つめていた。



「エドガー……?」


私が声を掛けても気づかないくらい真剣に見ていたのは………。








「…………さぁ、帰ろうか?」



終わってからいつもの様子で私たちに声を掛けたエドガー。



エドガーが見ていたのは、私の位置からは見えなかった。

だけど……何となく分かる。


ここは、一番暗くて重たい記憶がたくさんある場所。


そこで、エドガーが食い入るように見るものなんて、、ひとつしかないよね?
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