天念少女~スタート~

イヲイ

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罪は罪でしょう

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~罪は罪でしょう~

 《ぜーんぶぜーんぶ、私がしたことなんて事、今更でしょう?
 私はかつて、最愛の弟を失った。その後も片手を失ったけど、それはどうでもいい。だってその時は善果が生き残ってくれていたんだもん!私は善果が大好きだからさ。とても似ているんだ、弟に。あの子はもはや、私の弟で妹のようなものだ。
 それに、あの事故ではもうひとつ嬉しいことがあった。今は亡き透夏ちゃんが異世界での日記をつけていたんだ。それだけじゃない、昔一瞬見たとき、あの子は一枚一枚の表にはペンで日記、裏にはブラックライトで文字を書いていた。そのあと忘れられた日記をこっそり盗み見たとき、異世界で学んだ『本物の魔法の使い方』を記入しているのだと気がついたけど、当時の私じゃ異世界の言葉の解読は不可能で。
 そのあと、ノートはもう私の目に入ることはなかったけど、私はあの日見た文字を研究することにした。ああそう、ノートに貼ってた写真は取れちゃったから、ついでに持って帰ったっけ。あれ、どこやったっけ。まあ良いか。
 で、文字をやっとこさ解読できた時、ノートはもう完全にどこにあるかわかんなかった。私はあの時ノートを盗まなかったことを後悔したっけな。手当たり次第に聞いたけど、私の必死さに恐怖や危険を覚えた人だって多くいたみたいで、怖がりながら知らないって答えてたっけ。
 だけど、正珠達が見つけてくれた。なんで知ってるかって、そりゃあ、正珠達が入学する前から食堂に監視カメラを付けていたからだよ。音声はないんだけど。初めから監視カメラがあるのが当たり前だったのなら、中々その存在には気づかれないからね、私の準備が完璧なんだよ。
 だからこそ、パーティーの日総達が正珠達の後を付けようとしたのもニュアンスでわかったし、悠太が卯月に私達が開発した、私達人間の使える魔法を教えたのも見届けた。
 にしても、校長は本当に役に立ったな。卯月と文月をダシにいくらでも使える。
 本当は、あの方と、あの方の知り合いの協力もあってだけど初めに卯月達を苦しめたのも私だと言うのに、それに気づくには校長は遅すぎたんだ。
 そのお蔭で情報がたくさん手に入った。だからこそ生徒の人それぞれにあった偽物の魔法を卯月達を通してかけて、夜中、八人に気がつかれないように外に集めて、それから一気に捕まえることだって出来た。しかも、卯月が使う偽物の魔法の使い方の基礎は実は知らずの内に校長も教えていたなんて、考えただけで面白い。やっぱり『あの方』の言う通り、校長にも偽物の魔法の使い方を教えといて良かった。それに詳しい校長の友達が校長に学ぶことを薦めて、後は良い感じの教材さえ作れば校長だってなんの意思も持たずに偽物の魔法が使えるからね。あとは探求心のある卯月が興味を示し、校長は偽物の魔法、人が創った魔法を教えてやる。これで完璧だ。
 ああそうそう、善果に連絡いれたこともあったっけ。善果と正珠達の繋がりもつくっておきたいなと思ったの。他人に興味がないよう振る舞う善果にも二十一年前、無力な自分が何も出来なかった時と違って、今度は私があのようなものを起こせるほど立派になった姿を見てほしかったからさ。
 え?じゃあ、私はなにがしたいのって?
 そんなのひとつ。
 あの子を生き返らせたいんだ。
 私はあの方から…神から授けられた目を持ってる。それはとても特別で、研究対象の『素質』が見える。『特質』だって見える。あ、因みに素質は異世界へ行くことを許される為に必要な最低限の条件。そしてどうやら、私にもそれはあるらしい。

 二十一年前…確かに異世界への扉は開かれた。
 透夏ちゃんのノートはその異世界での生活の案内本でもある。
 透夏ちゃんが独特な字なのも、異世界での影響を受けたからだ。それほどまでに異世界に長くいた透夏ちゃんが遺した本だ、ブラックライトで書かれた事も、解読すればきっと良い情報になる。
 いつでも二十一年前と同じような惨劇が起きるように準備も完璧だ。
 そりゃ、私が仕向けた偽物魔法は特定の八人には利かなかった。けれど二十一年前は事故で即死しなかった子が五人もいた。
 これは奇跡以外の何者でもない。卯月と怪我をさせた男子達は別室にいれておいて、その当時五人が死んだときと同じような状態で殺してやるんだ。だからちゃんと別室に閉じ込めとかないと。
 …まあ私が今から起こそうとしてるのは二十一年前と違ってそもそもバスの事故じゃないし、事故の日と今の日付けは合わないし、ぐだぐだな所はあるけれど、私は二十一年前の事故となるべく状況を似せて私のタイミングで事件を引き起こせてしまうようになるべく努力した。

 それにそもそも、あの事故はそれほど再現しなくても良い、あくまで再現しているのは念の為ってわけ。
 
 異世界へ行く条件に当てはまるのは、確か『一度に素質人間の大量消滅』だけなはずだから。
 
 なるべく確実に大量消滅を第一の目標として、それを達成した上でバス事故の状況にも近づけるんだ。うーん、やっぱりあの日の運転手達も捕まえておこうか?

 後は四人が来るのを待って、ノートを貰って、目の前で皆殺して、そしてあの四人も殺されようとしたとき、きっと異世界への扉は開かれる。
 素質のある者が大量に殺される…それを見て、神様は果たして放っておくだろうかな?
 今度こそ、私を見てくれるだろう。
 まさか、ね。また私が忘れられるなんて、無いはずだよね。

 私は鏡の前で私と話し終えると、立ち上がり、私の部屋を後にした。

 今日は、雨。とっても素敵な雨の日だ!》



 牢から出て、はや数時間。そろそろ総のお腹が深刻に音を鳴らし始めた頃、遠くの行き止まりに扉が見えた。
 本日数十個目の扉を前に、さすがに二人もぬか喜びはしない。
 「あ、ドアだ!けどまた空き部屋じゃないだろうな…」
「階段かもしれないよ!前上へいけるかも!」
「その階段、今まで何個あった?」
「五個だね」
「はぁ、地下何階まであるんだ…そして俺達は今どこなんだ…」
 総は膨れっ面のまま呟く。
 どこを歩いてもまるで出口も、窓すら見えないことや、一階づつ上がることしか出来なく、さらに各フロアごとの階段の位置がばらついているため二人はここを地下に広がる施設と推測していたのだ。横に非常に広い施設は縦にも長そうで、それが総達を鬱屈な気分へと誘う。
 「くっ…しかしまあ、牢から出れたんだ。頑張るしかないな!行くぞ、トール!」
「あ、うん!」
 透はドアを前に先々進む総とは違い、常に背後に注意していた。
 それなりに大きい狼学園校舎が二つほどすっぽり入りそうな広さの施設で、だというのに総と透はまだ一度も人に出くわしていないのである。
 確かに細かく道は別れて迷路のようで、人とと出会うのにも苦労するのだろうが、それでも人気が全くないのは逆に透を不安にさせた。一方の総などはそんなことに注意を払うわけでもなく、まさに能天気と言えるだろう。少し滑りやすい廊下をスケートのように透の前を進んでは、振り返って透を呼ぶのだ。その間もムーンウォークで進むので、見ている側としては転ばないか心配になる。
 「総、前見て歩かないと転ぶよ!」
「だいじょーぶだって!それより早く、トール!!ってうわぁっ!」
「総!」
 ほら、言わんこっちゃない…
 そんな言葉を考えるまもなく、総を受け止めようと走る。空を切りかけた総の手をなんとか取ろうとしたが、わずかに遅く、総は思いきり尻餅を付いてしまった。
 「グヘッ!」
「あわー!ごめん大丈夫!?」
「おう、大丈夫だ。」
 透は慌てて伸ばした総の手を取り、立つのを手伝いする。華奢で細くて、なのに力強い手だ。
 その時、透はあることに気がついた。
 「あれ…総の手、綺麗だね」
「ん?あー、へへ、そう言われんのは嬉しいな!」
 総は少し照れくさそうに人差し指で頬を搔いたが、透は緩やかに首を振った。
 「そうじゃなくて…いやそうでもあるんだけど…肝心なのは、牢屋にいた時だよ…総の手、血が出るほど鉄格子殴ってたでしょ?」
 総は昨日を思い出す。一日ほど前には痺れを切らした総は鉄格子を物理的に破壊しようとしていた。結局、ずっと警告していた透が、総の手に血が見え始めた頃に強制的に終了させたのだが、その時の傷は一日二日で全く無かったことになるような傷ではなかった。
 そんなことを思い出してから総はこう結論付ける。それはどこまでも楽観的な思想だった。
 「なんか大丈夫みたいだぜ。ほら俺丈夫だからさ!」
「ええ…」
 心配事をたったの二十文字で済ましてしまう総を見ていると、余計に心配してしまう透だが、そんなことより、と総は話しに区切りを付けた。
 「怪我と言えば、俺はトールの方が心配だ。トールさ、頭痛がってたろ」
「えっ!?」
「必死に隠してたけど、俺にはわかるんだぞ!すぐに収まってたようだが、いつ再発するかもわかんねえし、何よりトール、よく頭痛来てるじゃんか。」
「そ、そんなことないよ!」
 今度は透が強く問い詰められ、慌てて否定する。
 確かに総の行為を止めたあと、自身も頭痛に見舞われていた。しかしいつもの通りすぐにおさまったためになにも言わないでいたのだ。
 ――それがまさか、薄暗い空間でも総にばれるとは思っていなかった。
 「トールも使えるような頭痛薬を渡したくはあったんだけどな、それ入れてる缶ケースを落としちまったみたいでさ。ポケットにあるのは香り袋とゲーム機と絆創膏なんだ」
「ゲーム機も入ってるんだ」
「おう!」
 総はニカッと笑う。透はそれを見て内心ガッツポーズをした。総の心配症は一度発症するとおさめるのには非常に長い時間が必要となるのだ。だから今回はうまく話をそらせたと透は安心する。
 心配してくれるのはありがたくとも、総があまりにも大袈裟すぎて聞いていて申し訳なくなるのだ。
 話をもとに戻させないため、そのままゲームに会話をシフトする。
 「総すごいゲーム好きだもんね。牢にいる間、しなかったんだ」
「そりゃそうだろ、一機しかないのにさ。それに俺は、トールと話す方が楽しいんだ!」
「ふふ」
「なんで笑うんだ!」
「いやあ、総らしいなってね」
「はあ…?っておい頭を撫でるなー!」
 透は混乱する総を微笑ましく思いながら、こんな状況ではあるものの、改めて素直な少年に心暖まる自分を幸福に感じた。

 「じゃあ開けるぞー!」
「まって何かしらの罠が…」
「ごめんもう開けた!」
 とたん、目の前の扉は思いきり放たれる。
 そこには、二人が始めてみる光景と、久しぶりの人影があった。

 「なんだよ、ここ…」
 今までは無機質で清潔だった廊下や空き部屋とは違い、ここでは一転、薄暗くて汚い一つの牢が、二人の前には広がっていた。
 総が開けた時見た扉は銀色に映っていたのに、今、総が背にする扉の裏側は苔やカビや錆で黒ずんでいる。足元は錆びた地面の、所々で水が貯まっていて、地面の表面の汚れが水面に浮かんである。
 鉄格子は総達がいた時とは比べ物にならないほど汚れきり、まるで炭の棒のようだ。
 ポタリと透の髪を濡らしたのは、天井からの汚れた水だ。
 不衛生すぎる牢屋である。
 しかも気にするべきは、そこだけではない。
 牢屋の奥の、ほとんど光もない空間に、見慣れた人影があった。
 「っ、誠、悠太!!」
「卯月…も…!?」
 総と透は同時に安堵し、そして不穏な気配を察した。
 左端に悠太、右端に卯月、やや左気味に誠がそれぞれそっぽを向いていた。とても仲が良いとは言えない。
 ――これは…
 そこでなんとなく察した総にいち早く気がついた誠が、大袈裟に安堵した笑顔を見せた。
 「総、透!良かった、無事で…!!」
「おう!俺らは大丈夫だ、それよりもそっちは…」
「俺たちも大丈夫だよ!…体は。」
 チラリと誠は悠太を見る。悠太も安堵の顔を見せていたが、誠が苦笑いしながら目を細めて視線を送るとすぐにまた目を逸らした。
 「……と、とりあえず鍵を開けよう。こっちの牢屋は牢に付いてるんじゃなく南京錠だから、クリップとか、細いものさえあれば開けれそうだ。」
「透、ピッキング出来るの!?」
「上手く行くかはわかんないけどね」
「そんときは俺が物理的に壊すぜ!このナンキンジョーならなんとかなりそうだしな!」
 どや顔で語る総には絶対に無茶させまいと透は誠からポケットにあったクリップを受けとると、単純な構造だった南京錠をこじ開ける。カチャリと聞こえた時は、透には大きな達成感が当然出来ていた。水色の膝は汚れた水のせいで染みが出来たが、そんなものはお構いなしだ。
 「開いたか!?」
「開いたよ!」
 透と総が牢屋を開けると誠と悠太は礼を言いながら外へ出る。
 「こんな場所、気分悪いだろ。この部屋はましだから外に出ると良いよ」
「そうだね、総。それに透も…ありがとう」
 総は足で入ってきた扉を押すが、当然入ってきた時も押したので扉は開かず、仕方なく汚れた手すりをつかんで引く。因みに、先ほど牢を触った時、既に手は汚れてはいたが総はそれにまだ気がついていない。恐らくこれからも気づかないままでいるだろう。

 こうして誠を外に出すと、今度は悠太と卯月を外に出るよう促す。
 「…………」
「…………」
 悠太は牢の外、卯月は牢の中で座り込んで、一向に動こうとしなかった。無言でも、悠太の苛立ちはその場の者達にひしひしと伝わった。
 まずいと感じて、総は二人を離そうとする。
 「悠太、とりあえず外に」
「卯月、お前は立たないのか」
 総の言葉を遮って、悠太は卯月に語りかける。悠太にはもはや卯月しか写っていない。
 卯月は怒りを抑えた声がおかしく感じて、クツクツ笑う。
 「お前、そんなに苛立ってんじゃん。今立てばお前に殺されかねねぇからなぁ」
「…なにがおかしい」
「なにがおかしい?わからないか?全てだよ。お前が必死こいて俺への怒りを抑えて冷静になろうとしてることも、お前が俺を殺したいほど恨んでることもな。全くもって愚かだよ、お前はさ」
「…………」
「なんだよ、殴りたきゃ殴れよ!ハッ、まあお前にそんな度胸があるとは思えねえけどな!」
 あ。
 思わず総は目を見開いた。
 ――やばい。
 悠太の青い眼光はギラつき、瞳は小さく光を失っていった。
 徐に右の拳をあげ、卯月との距離を一歩二歩と縮める。卯月は顔をしかめ、思わず身構えるが、悠太の左手は正確に卯月の胸ぐらへと向かっていった。
 慌てて総は間に割り込み、両手を広げて卯月を庇う。
 「待てって悠太!」
「どけよ。」
「やなこった!殴る気だろ!」
「殴るで済ますものか」
「余計ダメだろ!一旦深呼吸してよ!」
「どけ」
 話が通じないことを悟った総は、それでも尚悠太の前から消えない。
 ただ焦点が卯月にあった悠太は、もう理性はほとんど残ってない。
 透も悠太の後ろでそっと肩を抑える。
 「落ち着いてよ悠太、今の君は…」
「うるせぇ!彼奴は殺さないと俺の気が済まない!」
 途端、悠太は透の手を振り払い、『障害物』の総に拳を振りかざす。
 驚く総を、総だとすら認識できていなかった。

 振り払われた透は咄嗟に両手を悠太の両脇の下辺りに潜り込ませ、その勢いまま一度に上へとあげる。不完全な羽交い締めにわずかに体制を崩した悠太の右手は宙をさ迷い、わずかに緩む。その隙に総は右足を一歩斜め左前に踏み込むと、自らの左手を伸ばし、空を切ろうとする悠太の右手首を掴んで抑える。わずか一秒にも満たなかったほどの刹那はそれでも悠太を止めることに成功した。
 悠太の背が総の背よりもある程度高かったため、総は足を浮かしつつ、最後により強く、総にとって太い悠太の手首を握った。
 痛みともいえないような刺激は悠太を大人しくさせるには十分だった。
 「どっ、どうしたの!?」
 その後すぐ、誠は悠太達が出てくるのが遅いことを心配し、牢のある部屋に顔を再び覗き込ませる。そこで悠太を二人がかりで止めている光景に驚きつつも、すぐに理解した。他でもない、二日間このギスギスして不機嫌な悠太と卯月を側で宥めていたのは誠なのだ。流石にもう卯月が原因で悠太が切れたことは理解したのだ…正直二人がかりで止めなければ悠太が卯月をそのまま殴るほど、切れていた悠太は見たことがなかったが。


 「総、悪かった。」
「別に良いって、怪我してねえし。俺強いもん!」
「はは…そうだな」
 すぐに理性と呼ぶべき冷静さを取り返した悠太は、頭を下げて謝った。
 清潔の残る廊下では悠太と誠、そして卯月の汚れ具合が目に見えて伺えて、それほどまでに不衛生な牢に二日もいたのだと考えると、彼らを閉じ込めた犯人が許せなくなる。しかし総は悠太に怒りを向けることはなかった。あるのは安心感だけだ。
 「それよりも悠太、頭の包帯は大丈夫か?」
 総は頭を指差した。悠太は殴られただけあって、包帯が巻かれていたことを、明るい廊下でやっと総や透は気がついたのである。悠太は痛みが全く無いことを伝えると、今度は誠の方にも頭を下げた。
 「ええ!?なんで俺にも!?」
「この二日間、お前には迷惑かけたからな」
「…………ん。いいよ」
 やっと悠太の本調子が戻ってきたと誠はひと安心すると、今度は悠太の見つめる先を全員で向く。
 ドアの前、ずうっと目を合わせようとしない男を。
 「おい、卯月。ちゃんと話して貰うからな。」
 悠太は右手に力を込めて、止まらない震えを必死に抑えようとする。当然のことではあるが、悠太の中の今だ恨みは抜けきっていない。
 「アリスは今回の事件で酷く傷ついた。卯月が思うよりも遥かに、な。そしてそれはアリスだけじゃない…」

 悠太は思い出す。

 「俺の愛する人を泣かせた罪は大きいんだぞ。卯月も俺も…理由があったは知らねえが、罪は罪だ。お前にいかなる理由があろうと、簡単に許すなんて出来ないんだよ。話せ。全部。この事件の目的も、お前が加担した理由も。残りの奴らがどこにいるのかも、全て。」
 そう吐き捨てつつも、悠太は確かに、卯月の言葉を待とうとしている。
 総達は時間も忘れて、二人の和解を待った。
 音の響く廊下は、暫しの静寂に包まれた。
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