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1:バースでの新生活
18:アデリーナの秘密
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「シャーロットちゃん。いらっしゃい。待っていたのよ」
「セーラおばさま、こんばんは。今日はお招きありがとうございます。
「まあ、何を言っているの。もう、来年には我が家の娘になるのですもの。ああ、その日が待ち遠しいわね」
「シャーロットお姉様、ようこそ」
「エリザベス様も。こんにちは。」
「さあ、もう少ししたらフリードとエドワードも帰ってくると思うわ。」
夕食が始まる。料理長が、久しぶりのシャーロットを交えての夕食ということで気合の入ったメニューとなっている。
「シャーロット、今日は騎士団にくる前に図書館に行っていたんだろう。どうだった?教科書づくりは進んでいるのかい」
「ええ、頑張っているの。でも、私って絵心がないので、多分、絵の部分は絵師に頼んだほうが良さそう」
とため息をつく。デイビッドからも解剖の絵を写そうとして苦戦しているという話は聞いている。
絵を描こうとして四苦八苦しているシャーロットも可愛い。それが、解剖の絵であってもだ。
「きっと絵師に頼めば大丈夫さ」
アーサーは、慰める。
「そう思うことにするわ」
ふふッと笑う。
「そういえば、今日知らない人に声をかけられたの」
「え?それは男かい?」
シャーロットにはいろんな男が声をかけてくるとデイビッドからも報告を受けている。
「ええ、今日は外国の人でね。スコール国からきた方。エドガー オハラ クラウンという人で」
「「「クラウンだと(ですって)」」」
セーラとフリード、しかもエドワードまでが大声を出す。
皆がびっくりして3人を見る。
「3人ともどうしたのですか?」
フリードが難しい顔をしながら、
「いつかは話す必要があると思っていたことだ。仕方あるまい。本当はギルバートも一緒に話すつもりでいたのだがな」
とため息をつく。
シャーロットに向き合い、
「シャーロット、母君のことを覚えているか?」
と尋ねてくる。
「もちろんですわ。」
「母君の結婚前の名前はアデリーナ クラウン、スコール国の出身だ」
「「え?」」
アーサーたちが驚く。
「父上、そんなこと初めて聞きましたよ」
「ええ、そんな、びっくりしました。」
「もう昔の話だし、アデリーナ様はロバートと結婚してローヌ王国の人間となったのだ。ロバート達もきっとシャーロットとギルバートが大人になったら話すつもりだったとは思う。」
フリードが、亡くなったロバートを思い出し辛そうに話す。
「そういえば、昔、お母様に自分にはお祖父様やお祖母様はいないのか聞いたことがあります。ケントの祖父母は流行病でもう亡くなっていたのは知っていたのですが、母方の祖父母については知らなかったので。その時に、悲しそうにもうずっと会っていないのよと言われたことがあります」
「うむ、アデリーナ様はスコール国からローヌ国の女学院に留学されてきたのだ。バースでロバートと出会って二人は恋に落ちた。残念ながら、双方の両親から猛反対された。特にクラウン家は外国に娘を嫁がせるのは反対だったらしい。まあ、私も今となってはその気持ちは痛いほどわかる。無論、結婚させようと思っていた相手もいたらしい。そしてケントの方は、アデリーナ様が爵位の無い家だと嫌がったそうだ。」
「つまりお母様は平民だったということですか?」
「いや、爵位はないが、どうも大学の教授とか代々学者の家だったようだ。」
「何を言ってらっしゃるのです!スコールのクラウン家といえば、全世界の研究者の憧れ、頭脳集団とも言えるスコールのオックスバラ大学の学長を代々勤めている名家です」
エドワードが興奮している。
「え、姉上がクラウン家の一族だったということは、さっきのエドガー オハラ クラウンというのは、オックスバラ大学の学長をされているエドガー クラウン様本人ということですか!つまりその人は姉上の伯父上に当たるということ?」
エドワードの興奮はおさまらない。
「オハラというのはどうなのかしら。本当に同一人物なのかしら?」
セーラが尋ねる。
「著書には、いつもクラウンだけ記載されていますが多分 省略されているのだと思いますよ。」
エドワードが答える。
「セーラおばさま、こんばんは。今日はお招きありがとうございます。
「まあ、何を言っているの。もう、来年には我が家の娘になるのですもの。ああ、その日が待ち遠しいわね」
「シャーロットお姉様、ようこそ」
「エリザベス様も。こんにちは。」
「さあ、もう少ししたらフリードとエドワードも帰ってくると思うわ。」
夕食が始まる。料理長が、久しぶりのシャーロットを交えての夕食ということで気合の入ったメニューとなっている。
「シャーロット、今日は騎士団にくる前に図書館に行っていたんだろう。どうだった?教科書づくりは進んでいるのかい」
「ええ、頑張っているの。でも、私って絵心がないので、多分、絵の部分は絵師に頼んだほうが良さそう」
とため息をつく。デイビッドからも解剖の絵を写そうとして苦戦しているという話は聞いている。
絵を描こうとして四苦八苦しているシャーロットも可愛い。それが、解剖の絵であってもだ。
「きっと絵師に頼めば大丈夫さ」
アーサーは、慰める。
「そう思うことにするわ」
ふふッと笑う。
「そういえば、今日知らない人に声をかけられたの」
「え?それは男かい?」
シャーロットにはいろんな男が声をかけてくるとデイビッドからも報告を受けている。
「ええ、今日は外国の人でね。スコール国からきた方。エドガー オハラ クラウンという人で」
「「「クラウンだと(ですって)」」」
セーラとフリード、しかもエドワードまでが大声を出す。
皆がびっくりして3人を見る。
「3人ともどうしたのですか?」
フリードが難しい顔をしながら、
「いつかは話す必要があると思っていたことだ。仕方あるまい。本当はギルバートも一緒に話すつもりでいたのだがな」
とため息をつく。
シャーロットに向き合い、
「シャーロット、母君のことを覚えているか?」
と尋ねてくる。
「もちろんですわ。」
「母君の結婚前の名前はアデリーナ クラウン、スコール国の出身だ」
「「え?」」
アーサーたちが驚く。
「父上、そんなこと初めて聞きましたよ」
「ええ、そんな、びっくりしました。」
「もう昔の話だし、アデリーナ様はロバートと結婚してローヌ王国の人間となったのだ。ロバート達もきっとシャーロットとギルバートが大人になったら話すつもりだったとは思う。」
フリードが、亡くなったロバートを思い出し辛そうに話す。
「そういえば、昔、お母様に自分にはお祖父様やお祖母様はいないのか聞いたことがあります。ケントの祖父母は流行病でもう亡くなっていたのは知っていたのですが、母方の祖父母については知らなかったので。その時に、悲しそうにもうずっと会っていないのよと言われたことがあります」
「うむ、アデリーナ様はスコール国からローヌ国の女学院に留学されてきたのだ。バースでロバートと出会って二人は恋に落ちた。残念ながら、双方の両親から猛反対された。特にクラウン家は外国に娘を嫁がせるのは反対だったらしい。まあ、私も今となってはその気持ちは痛いほどわかる。無論、結婚させようと思っていた相手もいたらしい。そしてケントの方は、アデリーナ様が爵位の無い家だと嫌がったそうだ。」
「つまりお母様は平民だったということですか?」
「いや、爵位はないが、どうも大学の教授とか代々学者の家だったようだ。」
「何を言ってらっしゃるのです!スコールのクラウン家といえば、全世界の研究者の憧れ、頭脳集団とも言えるスコールのオックスバラ大学の学長を代々勤めている名家です」
エドワードが興奮している。
「え、姉上がクラウン家の一族だったということは、さっきのエドガー オハラ クラウンというのは、オックスバラ大学の学長をされているエドガー クラウン様本人ということですか!つまりその人は姉上の伯父上に当たるということ?」
エドワードの興奮はおさまらない。
「オハラというのはどうなのかしら。本当に同一人物なのかしら?」
セーラが尋ねる。
「著書には、いつもクラウンだけ記載されていますが多分 省略されているのだと思いますよ。」
エドワードが答える。
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