死にきれない私

やぼ

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復讐の時

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警察官2人にはナナの姿が
見えなかった。

不動産屋は、気絶したようだ。
いきなりで、悪かったなと
ナナは幽霊の練習とはいえ
悪いことをしたと思った。
マンションを後にして
クロと街を浮遊しに行った。


「クロちゃん、これ、あまり
面白い遊びじゃないね。」

「そう?面白くないならやめる?」

やめると返事を返そうとすると
ナナの目の前を見覚えのある男
が通り過ぎていった。

ナナを騙した結婚詐欺師だった。

「お久しぶり、勅使河原さん」

詐欺師、勅使河原は知らん顔
していたが急に走りだした。

「こんにちは、勅使河原さん」

「な、なんだよ、お前なんか
知らねえよ。」

「私は、あなたを知ってるわ
ねえ、私のお金返してくれる」

「な、なんでお前、俺の横に
くっついて来れるんだよ~
ば、化け物か~」

「いいから、お金返してくれたら、消えてあげるわ。早く私の口座に全額振り込んでね!」

「振り込まなかったら、どうなるか、知らないからね。フフ」

ナナは、映画「螺旋」貞子の、ように前髪を垂らして
勅使河原の背中に乗った。

ずっしり、肩にかかる重みに
勅使河原は、震えて失禁して
しまった。

「わか、分かりました。明日
か、必ず、あなたの口座に」 

「ダメよ~今日、振り込んでよ」

ねえねえ、と、ナナは
勅使河原の肩を揺すった。

「わ、わっかりました!」

「振り込むの見届けてから
消えるから」



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