死にきれない私

やぼ

文字の大きさ
上 下
7 / 18

復讐は続く

しおりを挟む
勅使河原は、一度帰宅して
失禁したので、シャワーと
着替えをしたいと言う。

「いいよ。じゃ、銀行で待ってるから、本当に、あたしのお金3680万きっちり返してよ。」

「そ、そんなに持ってないよ」

「それなら警察に付きだすまでよ。」

「ハハハ。証拠もないのに」

「警察に被害届は出してるから、大丈夫。あんたが私の預金引き出してる映像も銀行の防犯カメラで押さえてるみたいよ。あんた詐欺常習でしょ、被害届は私だけじゃないみたいね。」

「わ、わかった。お前のこと
本当に好きだったし、お金のことは悪かったと思ってるんだ。でもあのときは、子どもが病気でお金が必要だったんだ。」

「高額医療費制度あるんだから、日本で3680万も治療費掛かるわけないでしょ。」

「わ、わかった。」

勅使河原は自宅マンションに
帰っていった。

ナナとクロも付いてきていた。

「何ここ、ウチより良いマンションじゃん。何が子どもがいるよ、ベッド1つしかないし、この贅沢なソファ、テーブル。」

「ナナや被害者の金で買ったんだろ。」

「腹立つ~」

勅使河原の贅沢な部屋に驚いていると、シャワーを終えた勅使河原が部屋に入って来た。

しかし、着替えたのはパジャマ
そのままベッドに寝ようとした。

「ちょっと、何寝てるの?
早く銀行行きなさいよ!」

ヒイィ~


「うん?まてよ、お前、幽霊なんだろ?ハン、幽霊に金なんか必要ないだろ。幽霊じゃ何も出来ないしな。」

勅使河原は、急に居直ったのか
ナナを睨みつける。

クロは勅使河原目掛けて
鋭い爪で顔を引っ掻いた。

ギァァー

勅使河原の顔は、みるみる
血まみれになっていった。

勅使河原には、黒猫は見えて
いなかった。

ナナも姿を消した。

「返せぇ~返せぇ~」

ナナの悲痛な声だけが部屋に響いていた。

血まみれの勅使河原は、
失神していた。
しおりを挟む

処理中です...