死にきれない私

やぼ

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クロの力

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数分後
勅使河原は、目を覚ました。
顔の傷が痛むのか呻いていた。

そして、倒れたまま
つぶやいた。

「ナナ、そこのクローゼットにお金あるから持ってってくれ」

「俺は指名手配されてるなら
銀行には行けないから」

「分かった。じゃねー」

ナナは明るい声で軽く返事した。

ナナとクロがクローゼットを
覗くと黒いスポーツバックが
あった。

クロがバックを開けると
札束がギッシリ詰まっている。

クロが不思議な念仏を唱える。
すると、ナナとクロはまた
さっきまでいたクロの境界線の
家にいた。

「テレポテーションだ!
クロちゃん凄いね!」

「それで私の身体も連れて来てくれたんだね。」

「僕の力というより、僕の一族は、もうずっと黄泉の番人だからね。人間が空想する超能力というのを持ってるんだ。」

「ナナが子どもの頃にも使ったよ。覚えてないかもしれないけど。」

「子どもの頃?」

そう言えば、クロと遊んでると
不思議なことばかり起こって
いたことをナナは思い出していた。


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