死にきれない私

やぼ

文字の大きさ
上 下
16 / 18

両親の死

しおりを挟む
病院に救急搬送された両親。
父の元に行くと、既に亡くなっていた。

母は、ナナを無事出産したが
出血が酷く、危篤状態になって
いた。

「お母さん、お母さん」

「あなたは、誰?」

「あなたの娘のナナです。」

「え、?今産んだばかりなのに?」

「未来から来たの」

「これは、神様が見せてくれてる夢ね。でも夢でもいい、赤ちゃんが見たい。」

「お母さん、死なないで」

「クロちゃん、お母さんに
私を、赤ちゃんを見せてあげること出来る?」

黒猫の眼光がピカッと一筋の
光線を放った。

オギァオギァ

泣いてる赤ちゃんの映像を
母は見た。

「ナナ。やっと会えたね。
抱きたい。ナナ。」

母は赤ん坊のナナを見て泣いてる。

「お母さん。お母さん。」

ナナは、泣き崩れた。

黒猫は、スッと人間に変身すると崩れ落ちたナナを抱き抱えて
暗闇に消えた。


しおりを挟む

処理中です...