引き篭もり隊最強伝説

やぼ

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引き篭もって5年

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何故こんなことになった。
俺は酷い鬱だった。
もう5年も引き篭もって
家にいたんだ。

他国の隣国への軍事侵攻が
きっかけで世界大戦が
起こり、世界情勢は一変した。

3ヶ月前に、俺に
召集令状が届き
俺は、俺の意志とは関係なく
ほぼ、強制的に自衛隊のトラックに乗せられた。

連れて行かれたのは
軍事演習場。

強制的に入隊させられ
軍事訓練を受けるはめに
なったのだ。

健康診断?
そんなものはなかったよ。
俺は酷い鬱病なのに。

国の存亡が掛かってる時は
鬱病は病気ではないと
分類されるのだそうだ。
めちゃくちゃだ。

ドローンなど
コンピューター操作が
出来ればいいらしい。

その能力があれば
身体の健康関係なく
兵士として合格らしい。
初心者でも、だ。


その訓練を受けていた。

アバター兵士を動かす為に。

アバター兵士とは、遠隔操作で
動かすロボットのことだ。

生身の俺達は戦わない。

そして、今、俺のアバターが
最前線にいる。

毎日が爆撃と撃墜だ。

アバターは死なない。
何度でもアバターセンター
で、蘇る。

俺は
俺の所属する部隊の小隊長の
指示に従って
そいつを動かすだけ。

元自衛隊だと言う
アバター小隊長が今日も
矢継ぎ早に!叫ぶ、
「逃げろ!」と。

俺はアバター兵士を
ドローンに乗せたが敵機から
撃墜された。

小隊長のアバター兵が
俺のアバターを担ぎ
助け出してくれた。

だが、
いくら無敵でも
アバター兵士は、敵の人間兵士の前では脆かった。

奴らは本当に戦争のプロだ。

そして、俺達は選抜された
ゲーマーの精鋭だが、作戦が
理解出来ていない上に
チームワークすらなかった。

俺のチームは、引きこもり選抜
だった。

「小隊長、一度、作戦立て直し
しませんか?」

俺がそう言うと

「そんな暇はないよ。斗真くん。兎に角、敵機を撃墜して
敵軍を上陸させない、のみだ!」

「しかし、アバターが
もう何体も狙撃されて、
これだけ損壊すれば補修も間に合わなくなりますよ。」


何か作戦を考えなければ。

こんな付け焼き刃のチームで
この隊長で大丈夫なのか?
戦争なのに。

「逃げてばかりでいいのか?」「俺達は何をやってるのか?」

俺がそう言うと

「人殺しさ。」

同じ部隊の不登校だったという17歳がポツリつぶやく。

「国を守ってるんだ。敵から、、、」


別のアバター兵を操る
同じ引きこもり25歳が叫ぶ。


そう、俺達は軍事侵攻して来る
敵国からこの国への侵略を
阻止するべく、北の最前線にいるアバター連隊だ。


敵機を撃ち落とし、地雷を埋め
狙撃する、そのアバター兵を操るのだ。


俺達は厳密には最前線にはいない。俺のアバターが戦っているのを遥か上空、宇宙から見ている。

宇宙船に乗って。

このことは軍の機密なので
ほとんどの国民は知らないだろう。

こんな軍事システムを
今迄、機密にして作っていたのか、国は。

核を量産するより、よっぽど
良いではないか。


最初は、そう思ったのだが
詰まるところ、戦争は戦争だ。


敵国は、生身の人間。
人殺しをアバターにさせている
だけだ。


戦争とは殺戮なのだ。

リセット出来ない殺戮ゲームだ。














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