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第三章「風群妄執雲(かぜにむらがるもうしゅうのくも)」
【魂魄・肆】『鬼神啼く声儺にて聞く』30話「免罪符」
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「……相変わらず手前勝手な男ですね。反省はしているけれど、謝罪もしたい? 貴方が毎日やってくるたびに、亡き父上を思い出し、怒りと哀しみの呪縛から解かれない、この身を少しは顧みたことがあって?」
「……ッ」
「あなたは犯した過ちを謝罪すれば楽になるでしょうけど、それがどれだけ私を苦しめるか知らないでしょう」
「そ、それは……」
「謝罪という名の免罪符は、加害者を苦しみから解放しても被害者には生涯付きまとう毒気。こちらは、許しても許さなくても……決して楽にはならないのよ」
「しかしっ……私にはこうするしか」
「貴方が謝って父は帰ってくるのですか」
「……ッ」
「そうであれば許しましょう。でも、それは不可能。私があなたを許すことは決してありません。残念でしたね」
「……」
「……」
ヨイチは肩を落とす武人の背中を見つめる。小声で話す二人が何を言っているか知るよしもないが、その背中が玉砕を意味しているのは容易に想像が付いた。
彼は拳を握り固唾を飲んで見守った。報われぬ恋に立ち向かう男の姿に、自分を重ねていたからだ。
「……返す言葉も見つからない。全て千隼殿の言うとおりだ。傷痕に塩を塗るようなことしかできない自分が滑稽にしか思えない」
「本当にそうですね。どうです? 今から舞台にあがり道化役を演じてみては?」
千隼は口角を上げ意地悪く笑んだ。しかし、武人は意に介さないのか、微塵も動揺せずに腰元に手をやると、かつて彼女の父親から奪ってしまった宝剣を取り出した。
「そ、それはッ……」
「私が奪った菊水家の宝剣です。この刀を貴女にお返し致します」
「……」
「貴女は正しい。私は一生己の罪と向き合っていくしかない。どうか刀を受け取って下さい」
そう言って盛永は宝剣を元の持ち主に固く握らせる。そして立ち上がると、いまだ終演していない舞台を見ずに客席をあとにした。
「おいっ、千隼さん……これでいいのかよッ?」
「……」
盛永が去った席にヨイチが駆け込む。
背後から様子を伺うしかできなかったが、彼が立ち去ったあとに千隼の頬を伝った一筋の涙を見逃さなかったのだ。
そしてヨイチは胸元から何かを取り出すと彼女に突き付けた。
「あんただって盛永さんの気持ちに気付いていないわけじゃないっ。自分が許せないんだろう、父親を殺めた男を許してしまう自分がっ」
「私はッ……」
「これがあんたの答えなんだ。毎日、あんたは彼を追い返す自分を責めた。あいつの持ってきた花を捨てずに拾い、こうやって押し花にして……あんたはせめてもの償いにしたんだっ」
ヨイチが突きつけたのは、初めて彼らと出会った菊水家の門前で見つけて、拾っておいたものだ。
はじめは何かわからないほど使い古されていたが、それが押し花だということに気がついたのは先ほどのことだった。涙を見て確信がついた。
「やめて……やめて……」
「盛永さんはあんたを愛していた。ガキだってそれくらいわかるさっ、そしてあんたもなっ」
「やめてッ」
そう叫んで千隼は駆け出した。演者が舞うが観衆の視線は彼女に釘付けになる。それを見て不気味に笑んだ老人に気付かぬまま、ヨイチもまた彼女を追って駆け出すのだった。
――くくく、これでいい
○
「ハァハァ……」
千隼は激しく動揺していた。
少年の言う通りだ。いくら想いに蓋をしても、溢れ出る愛情を無視することはできない。
毎日飽きもせず花を持ち、門前払いにめげない武人にいつしか惹かれ始め、彼を許したい自分、憎む自分、そして彼を傷付けた自分……との葛藤の日々に暮らしていたのだ。
今夜とて式楽を愉しみに来たのではない。ただ、理由が欲しかったのだ。武人を受け入れるきっかけとなる出来事が。
それを、あの少年が用意してくれたが……最後の最後で素直になれない自分がいた。そこへ……
「おやおや、お嬢さん。こんなところにお一人では危ないですよ」
「……貴方はッ」
その老人は息を整え深呼吸する女性に近付くと、取り出した香炉を嗅がせ、気を失った彼女に面をかけ肩に担いで、再び演者が舞う舞台を目指した。
○
「盛永さんッ」
「追うな、少年ッ」
ヨイチは天満宮を出て千隼を追ったが、姿を確認することができず代わりに盛永を見つけた。傷心の盛永は必死に駆け出しヨイチの制止を振り払って逃げる。
「おっさんのクセにウジウジしてんじゃねぇッ」
そう言ってヨイチの飛び蹴りが盛永の背中を強打する。
そのまま転げるように地面に突っ伏す武人。ヨイチは泥塗れの盛永の胸ぐらを引き寄せて怒鳴った。
「千隼さんもアンタに気がある。素直になれないだけなんだ。それを……アンタが逃げてどうするッ」
「わ、私は……」
なおも視線を伏せ、真実を直視する事ができない盛永。
だが、その優柔不断な態度は観客らの叫び声で焦りへと変わる。人々が口々に「後仕手に女があがった」「あれは菊水家の宝剣や」と騒ぎ立てたのだ。
もしや……と思った二人は、再び観衆見守る舞台に戻る。
「あれはッ……」
「……千隼殿ッ」
舞台には演目の最終局面で、乱拍子に鬼女の面を外す千隼の姿があった。
観衆は本来女性があがることのない舞台に、塞ぎ込んでいた菊水家令嬢がいることに驚きを隠せなかった。それも奪われた宝剣を待って。
――喃 我こそは菊水家主 政重が怨霊なり
その瞳からは血の涙が流れ、持っていた鬼女の面の如く、恨みと哀しみで不気味に歪み、それさえも片手で粉々に粉砕すると、なにかが取り憑いたように空中へと舞い上がった。
「菊水家のご令嬢に怨霊が憑いたでッ」
「祟りやッ、政重殿の祟りやッ」
口々に叫び我れ先にと天満宮を後にする観衆。
真っ先に押し出ようとする彼らとは逆に、ヨイチと盛永は舞台を目指す。すると、上空から宝剣を片手にした女――鬼女の如き形相をした千隼が、それまでの声とは思えぬ悍ましい唸り声をあげる。
「己ェ、盛永メ……八ツ裂キニシテクレンッッ」
「……ッ」
「あなたは犯した過ちを謝罪すれば楽になるでしょうけど、それがどれだけ私を苦しめるか知らないでしょう」
「そ、それは……」
「謝罪という名の免罪符は、加害者を苦しみから解放しても被害者には生涯付きまとう毒気。こちらは、許しても許さなくても……決して楽にはならないのよ」
「しかしっ……私にはこうするしか」
「貴方が謝って父は帰ってくるのですか」
「……ッ」
「そうであれば許しましょう。でも、それは不可能。私があなたを許すことは決してありません。残念でしたね」
「……」
「……」
ヨイチは肩を落とす武人の背中を見つめる。小声で話す二人が何を言っているか知るよしもないが、その背中が玉砕を意味しているのは容易に想像が付いた。
彼は拳を握り固唾を飲んで見守った。報われぬ恋に立ち向かう男の姿に、自分を重ねていたからだ。
「……返す言葉も見つからない。全て千隼殿の言うとおりだ。傷痕に塩を塗るようなことしかできない自分が滑稽にしか思えない」
「本当にそうですね。どうです? 今から舞台にあがり道化役を演じてみては?」
千隼は口角を上げ意地悪く笑んだ。しかし、武人は意に介さないのか、微塵も動揺せずに腰元に手をやると、かつて彼女の父親から奪ってしまった宝剣を取り出した。
「そ、それはッ……」
「私が奪った菊水家の宝剣です。この刀を貴女にお返し致します」
「……」
「貴女は正しい。私は一生己の罪と向き合っていくしかない。どうか刀を受け取って下さい」
そう言って盛永は宝剣を元の持ち主に固く握らせる。そして立ち上がると、いまだ終演していない舞台を見ずに客席をあとにした。
「おいっ、千隼さん……これでいいのかよッ?」
「……」
盛永が去った席にヨイチが駆け込む。
背後から様子を伺うしかできなかったが、彼が立ち去ったあとに千隼の頬を伝った一筋の涙を見逃さなかったのだ。
そしてヨイチは胸元から何かを取り出すと彼女に突き付けた。
「あんただって盛永さんの気持ちに気付いていないわけじゃないっ。自分が許せないんだろう、父親を殺めた男を許してしまう自分がっ」
「私はッ……」
「これがあんたの答えなんだ。毎日、あんたは彼を追い返す自分を責めた。あいつの持ってきた花を捨てずに拾い、こうやって押し花にして……あんたはせめてもの償いにしたんだっ」
ヨイチが突きつけたのは、初めて彼らと出会った菊水家の門前で見つけて、拾っておいたものだ。
はじめは何かわからないほど使い古されていたが、それが押し花だということに気がついたのは先ほどのことだった。涙を見て確信がついた。
「やめて……やめて……」
「盛永さんはあんたを愛していた。ガキだってそれくらいわかるさっ、そしてあんたもなっ」
「やめてッ」
そう叫んで千隼は駆け出した。演者が舞うが観衆の視線は彼女に釘付けになる。それを見て不気味に笑んだ老人に気付かぬまま、ヨイチもまた彼女を追って駆け出すのだった。
――くくく、これでいい
○
「ハァハァ……」
千隼は激しく動揺していた。
少年の言う通りだ。いくら想いに蓋をしても、溢れ出る愛情を無視することはできない。
毎日飽きもせず花を持ち、門前払いにめげない武人にいつしか惹かれ始め、彼を許したい自分、憎む自分、そして彼を傷付けた自分……との葛藤の日々に暮らしていたのだ。
今夜とて式楽を愉しみに来たのではない。ただ、理由が欲しかったのだ。武人を受け入れるきっかけとなる出来事が。
それを、あの少年が用意してくれたが……最後の最後で素直になれない自分がいた。そこへ……
「おやおや、お嬢さん。こんなところにお一人では危ないですよ」
「……貴方はッ」
その老人は息を整え深呼吸する女性に近付くと、取り出した香炉を嗅がせ、気を失った彼女に面をかけ肩に担いで、再び演者が舞う舞台を目指した。
○
「盛永さんッ」
「追うな、少年ッ」
ヨイチは天満宮を出て千隼を追ったが、姿を確認することができず代わりに盛永を見つけた。傷心の盛永は必死に駆け出しヨイチの制止を振り払って逃げる。
「おっさんのクセにウジウジしてんじゃねぇッ」
そう言ってヨイチの飛び蹴りが盛永の背中を強打する。
そのまま転げるように地面に突っ伏す武人。ヨイチは泥塗れの盛永の胸ぐらを引き寄せて怒鳴った。
「千隼さんもアンタに気がある。素直になれないだけなんだ。それを……アンタが逃げてどうするッ」
「わ、私は……」
なおも視線を伏せ、真実を直視する事ができない盛永。
だが、その優柔不断な態度は観客らの叫び声で焦りへと変わる。人々が口々に「後仕手に女があがった」「あれは菊水家の宝剣や」と騒ぎ立てたのだ。
もしや……と思った二人は、再び観衆見守る舞台に戻る。
「あれはッ……」
「……千隼殿ッ」
舞台には演目の最終局面で、乱拍子に鬼女の面を外す千隼の姿があった。
観衆は本来女性があがることのない舞台に、塞ぎ込んでいた菊水家令嬢がいることに驚きを隠せなかった。それも奪われた宝剣を待って。
――喃 我こそは菊水家主 政重が怨霊なり
その瞳からは血の涙が流れ、持っていた鬼女の面の如く、恨みと哀しみで不気味に歪み、それさえも片手で粉々に粉砕すると、なにかが取り憑いたように空中へと舞い上がった。
「菊水家のご令嬢に怨霊が憑いたでッ」
「祟りやッ、政重殿の祟りやッ」
口々に叫び我れ先にと天満宮を後にする観衆。
真っ先に押し出ようとする彼らとは逆に、ヨイチと盛永は舞台を目指す。すると、上空から宝剣を片手にした女――鬼女の如き形相をした千隼が、それまでの声とは思えぬ悍ましい唸り声をあげる。
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