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四章『トマト編』
第356話 怪物の眠る森5
しおりを挟む俺たちは部屋に集まる。そして作戦会議を開始する。
「まず魔人について理解を深めたい」
俺のその言葉にジゼルが答える。
「知っていることを話す」
「ジゼル頼む」
「オウイエ。魔人は魔物が進化したもの」
「進化か、さっきも言ってたよな。ワンランク上がるって」
「そう」
「じゃあ、Sクラスの魔物が魔人になったらどうなるんだ?」
「なった個体はほとんどいない。進化するための魔力の必要量が段違いだから。でも九大天王と呼ばれる魔王の側近たちはSクラスから進化した魔人がいると噂されている」
九大天王? 四天王じゃないのか。まぁその話は今はいい。
「あの棘の魔人はどうだ?」
「魔人は魔物の時より小さくなったりするから、見た目だけでは強さはわからない。でも蛭の魔人と水晶の魔人はSクラス冒険者のパーティに勝っている」
「俺たちより強いってことか」
「にゃめてもらっちゃ困るよ。ミーなら戦えるよ!」
「エリーは強い。けどもっと強い可能性がある」
「ジゼルぅ」
「私は信じてる」
エリノアがジゼルに撫でられている。あらぁ。
「こ、こほん。それで、俺たちがあの怪物の眠る森から、無事に伝説の剣を持って帰る方法はあるか?」
「ある」
「教えてくれ」
「オショーの送った伝達が王国に届けば。王国から精鋭部隊が派遣される」
「それについて行けばいいのか」
「そう。今回はパーティだけでの行動は危険。もっと実力者たちを集めて軍事的規模で考えるべき」
「となると、ここまで来るのに1週間かかったし、2週間は下手に動けないな」
「バーガー様」
「アイナどうした?」
「外が騒がしいです」
「ミーが見てくるよ」
「私もついていく」
エリノアとジゼルが様子を見に部屋を出ていく。
「死者が出てしまいましたね・・・・・・」
「許せないな。勇者としても、ハンバーガーとしても」
「はい。必ず討伐しましょう」
伝説の剣はそう簡単には手に入らないということか。もしこの勇者パーティの誰かを犠牲にしなきゃ手に入らないようであれば、俺は仲間を取る。
そんなくだらない伝説にはつきあっていられない。
皆がいて、初めての勝利だ。
これからの事を女神に聞いてみるか?
女神ならどのタイミングで敵が現れるかとか、わかるかもしれない。
だが、女神の事だ。俺らの命なんかより、面白さを優先するだろう。必死に頼むだけではダメだ。
本当に危険な時じゃないと、この方法は使えない気がする。
それに何かあればまた夢に出てくるだろう。
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