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四章『トマト編』
第361話 怪物の眠る森10
しおりを挟む「というわけだオショー」
俺がさっき話した内容を説明する。
まぁ説明するほどのこともない。
全軍を持って進軍し敵をサーチアンドデストロイして回るだけだ。
タスレ村でも定期的に狩猟団を結成して森に魔物を狩りに行っていたな。あれも魔物が増えすぎないようにするための防衛手段だったんだ。
「さすがは勇者様。誠に勇敢な提案ですな」
「言っておいてなんだが、無理そうか?」
「いえ。私もこの地にいる者たちの命を握る身。進退窮まった状態でどうしていいものか悩んでおりました」
ジゼルがずいっと入り込んでくる。
「引くか攻めるかの二者択一。半端な判断は反対せざるを得ない」
「わかりました。ここから出て全軍を持ってして事に当たりましょうぞ!」
ここからは早かった。オショーは聖騎士隊長たちに命令して各聖騎士たちに命令を下す。
「明日の朝には聖騎士全軍が進撃可能となります」
「よし」
「ですが、冒険者たちはどうしたらいいか。戸惑っている者が多いと聞きますな」
「それは俺たちがなんとかしよう」
「おお。頼もしき言葉。勇者様にお任せしましょう」
俺たちはオショーのいる部屋を後にする。
「エリノア、一緒に冒険者たちのところに来てくれ」
「にゃんだかんだ言って結局はミーの力を借りるんだから」
「貸しは返すさ。エリノアなら冒険者たちにも顔が聞くだろ?」
「さぁにゃ。命がかかってるときにゃら、人間どうにゃるかわからにゃいよ」
「なぁに、何とかするさ。彼らの協力も必要不可欠だろう」
「バーガー様、私も行きます!」
「わかった来てくれ」
俺とアイナとエリノアは食堂に向かう。
冒険者は酒場が大好きなんだ。ここでは食堂がその役目を担っている。
俺たちが食堂に入ると冒険者たちの視線が集まる。
ここにいるだけで50人くらいか。ほとんどの冒険者が集まっていると言える。
この部屋にいる俺とアイナ以外すべてSクラスの冒険者。
つまり小龍(ワイバーン)より強い者たちが50人いるのだ。
その視線は鋭い。
冒険者で殺されたのは4人。それぞれペアで行動しているところを狙われた。
「俺はバーガー・グリルガード。見たまんま勇者だ」
ざわめくわけが無い。知っている事だ。
「君たちはこれからどうする?」
俺の問いかけに一番奥に座っている男が答えた。
「一時的に冒険者全員を一つの大きなパーティとして結成し、王都に帰還する」
そうだよな。命あっての物種だもんな。
これがCとかBクラスの冒険者ならまだ残ったかもしれないが、彼らはエキスパートだ。無理に危険を犯したりはしないだろう。
ならば、
「伝説の剣」
俺のその発言に冒険者たちの目の色が変わった。
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