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四章『トマト編』
第373話 怪物の眠る森22
しおりを挟む「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃいなの!」
「モーちゃん、スーを頼んだぞ」
「んもぉ~」
俺たちはスーとモーちゃんをベースキャンプに残して伝説山(アイナに長いから省略された)を登り始める。
メンバーは聖騎士大隊長のオショー、そしてその側近が10名。俺たち勇者パーティに、それとシャニーだ。
「って、なんでシャニー?」
「ぼ、僕は臆病だから、異変にすぐに気づけると思って志願したんだ」
「そうか、エリノアの耳や、アイナの目みたいな感じか」
「臆病とミーの耳を一緒にしにゃいでほしいにゃ。シャニー死んでも知らにゃいよ」
「ぼ、僕だって冒険者なんだ、伝説の剣を見たい気持ちには勝てないよ!」
「ジゼル、シャニーは魔力耐久どうにゃの?」
「問題ない」
「ちぇ、好きにするといいよ」
こうは言っているがエリノアも心配しているんだろう。そういうやつだ。
俺たちが伝説山を登り始めて数時間。
シャニーが異変に気づいた。
「む、向こうから気配がします」
「にゃら、ミーが見てくるよ」
いつものようにエリノアが斥候を買ってでる。
こういう時はジゼルは黙って頷くだけだ。
少しして。
「にゃああああ!!」
「エリー!?」
エリノアの叫び声だ。目を見開いたジゼルが真っ先に駆け出す。
「むちゃむちゃ・・・・・・。はれ、ほうほそ。わたひのすへ」
「にゃんだお前!」
エリノアの前に立ちはだかるのは、ぶよぶよの体をした赤黒い肉塊だ。細い手足とストレ〇チマンみたいな頭が生えている。
「わたひは、リーチれす」
リーチだと! 蛭の魔人がリーチと言ったな。まさかこいつが!?
リーチの名乗りが終わり数秒後、最後に何かが降ってきた。
落下物が叫んだ。
「そしてオラがクリスなんだな!」
「もう1頭!!」
背後に立つのは3メートルはある青い水晶の体を持つ魔人だ。
リーチよりもさらに太い体だ。
「挟み撃ちですかな」
「だな」
「ど、どうしよう!?」
「決まっている。戦闘開始だ!」
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