現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

黒木シロウ

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四章『トマト編』

第388話 伝説の剣を抱いて11

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 突撃する俺をニードルハックは睨みつけている。動く気配はない。

 俺はMソードを横に振るう。ニードルハックは素早く飛び退く、とてつもない速さだ。

「チーターズの俊敏性か!」

 ニードルハックの足はチーターズの魔力を食らって強化されている。

 飛び退いたニードルハックの体に変化が現れる。
 棘が太く伸びていく。

 スカリーチェが解説した。

「あの魔人は魔力吸収力が高いみたいスね」
「魔力吸収力ってのはなんだ?」
「そうっスね。食べた魔力がそのまま体に蓄積されることはほとんどないんスよ。漏れるっス」
「ニードルハックは食べただけ吸収するってことか?」
「完璧ではないっスけどね。それに吸収した魔力を利用するのも中々早いっスね」
「じゃあ、いまのニードルハックはチーターズとリーチとクリス、3頭の魔人の能力を使うことができるのか」
「食ったのなら使えるはずっス。もちろん相性もあって使えない魔法やスキルはあるっスけどね」

 チーターズの俊敏性、リーチの吸血、クリスの魔法反射。
 そしてニードルハック自身の棘、あれに当たれば一撃でお陀仏だ。

 凶暴性の増した顔でニードルハックは喉を鳴らす。
 まるで猛獣を前にしているかのようなプレッシャーを感じる。いや猛獣よりヤバいんだけどさ。

 オショーたちの救援を期待するほど俺も楽観的なハンバーガーじゃない。セットが望めないのならば俺一人で何とかしなければならない。

 ニードルハックが俺のMソードを指さす。

「その剣はとても危険だ。だからお前から殺す」
「待て待て、その剣よりも俺自身の方が危険だ!」
「どっちにしろだ。ガルァ!!」

 ニードルハックが素早くこちらに駆け出してくる。

 いくら足が速いからと言って、俺だって素早さには自信がある。近距離戦闘において俺はそれなりに強い!

 ニードルハックの右手刀を俺は回避する。Mソードはとても軽い、俺の動きに支障はない。

 回避ついでに回転を加えて、Mソードで斬り掛かる。

 ニードルハックは左腕を盾にする。いくら固かろうとこの切れ味抜群のMソードの攻撃を防ぐことは難しいはずだ!

「棘除去(ニードルパージ)」
「なに!?」

 ニードルハックは左腕の棘を全て発射させる。ニードルハックの腕に当たる前にMソードに触れた棘が爆発する。

「ぐああーーッ!!」

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