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四章『トマト編』
第424話 修行15
しおりを挟む女神ボイス詠唱の後、筋肉の精霊が出現する。
使う度にわかるが、やはりこの筋肉の精霊だけは他の魔法と比べても別格すぎるな。
「それがお前の切り札か?」
「そうだ!」
「ククク、カカカ!」
「どうした?」
「面白ぇなぁ、Sクラス上位、いや、頑張れば突破できるかもしれねぇな」
突然のクロスケからのお墨付きだ。つまりクロスケに勝てるかもしれない!
「行くぞ! クロスケ!」
「なんだ? それを使ったら気も大きくなンのか?」
俺はクロスケに躙り寄る。慎重にいく、筋肉の精霊ならクロスケの動きにも反応できるはずだ。
「カカカ、来いよ。射程距離内だろ?」
「言われなくてもやってやるさ! 筋肉の精霊!!」
「ウオオーーッ!!」
筋肉の精霊が繰り出したのは挨拶がわりの壁ドンパンチだ!
クロスケの顔面を捉えーーられない!
スルンと滑るようにクロスケの顔から拳がそれた。
俺の動体視力は見ていた、クロスケが流れるような動きで筋肉の精霊の拳をいなしたのだ!
「さぁ! じゃんじゃんこい! 殺り合おうぜェ!」
「ウオオーーッ!!」
筋肉の精霊の壁ドンラッシュ!
クロスケも既にポケットから手を抜き払い拳を作っている。
壮絶なラッシュ対決だ!
拳と拳がぶつかり合う! 分厚い壁に穴を開けるパンチを相殺するとは!
「アアアアーーッ!!」
「シャッ!!」
クロスケは筋肉の精霊のパンチを利用して高速スピン。そのまま回し蹴りを脇腹に繰り出す。
筋肉の精霊は脇を締めて腕で回し蹴りを防御する。ドシィと重い音がする。
クロスケはさらにそこから腕を蹴り逆回転、さらに追撃の蹴りを喰らわせる。
凄まじい衝撃に筋肉の精霊が押される。
俺自身も筋肉の精霊のオーラに包まれているため多少浮いたままオーラで地面を抉る。
「やるじゃねぇか! 面白ぇ! 面白ぇぞ!」
「戦闘狂(バーサーカー)かよ!」
フリスピーのごとく筋肉の精霊に俺を投げさせる。目標はクロスケだ!
つられて引っ張られる筋肉の精霊がその速度を乗せたパンチを繰り出す。
クロスケはヤクザキックで対抗。衝撃波が生まれる。
すかさずクロスケの足を掴み、振り上げ地面に叩きつける。
成功!
地面の方が抉れる。
「カカカ! 地面より俺の方が硬ぇよ!」
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