現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

黒木シロウ

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四章『トマト編』

第430話 くちゃもちゃ

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「え・・・・・・?」
「お前たちの強さが分かった。個人では聖騎士隊長以上、聖騎士大隊長以下、二人で聖騎士大隊長ちょっと以下」

 それだけいうとクゥは学校の方に歩いていく。

 呆然としたあと、少しして俺とアイナはヒシッと抱き合う。

「バーガー様ぁ! 怖かったです!」
「俺もぉ!!」

 緊張の糸が切れた俺たちは訓練場から動けない。

 しかしアイナの胸の中で抱かれているおかげでメンタルが急速回復する!

「2人ともなにしてるの?」

 起きたスーが眠そうに瞼を擦りながら訪ねる。

「いや、なんでもないさ。なぁアイナ」
「は、はい!」
「ふーん? そんなことよりっ早く甘いものをたっくさんよこすの」
「それは覚えているのか・・・・・・」

 しかし、何だったんだ?
 クゥが最後に言ったのは、俺たちの今の強さか?

 だとしたら聖騎士大隊長、オショーよりは弱くて、聖騎士隊長のキッドより強いのか。

 そう考えると成長したと言える。クロスケの言葉も頷ける。

「あのクゥって人が俺たちの本当の師匠なのか・・・・・・」
「クロスケさんの話を聞く限りではそうみたいですけど」

 アイナは言いよどむが、意を決したのか口を再び開いた。

「あの人嫌いです」
「ああ、俺もだ。いただきますも言わずに食べようとするやつなんて嫌いだ」
「そういうことではないです」
「・・・・・・そうだな。勝てんのかな、なんなのに」
「・・・・・・頑張ります!」

 そういうアイナだったが、どこか悲しそうだ。
 絶対に勝てない相手、どえらい壁にぶち当たった時はだいたいこんな顔になるんだろうな。

 俺も生前、過酷な筋トレに明け暮れていた時もそうだった。伸び悩み、葛藤した。でも続けたから現代最強になれた。

「やってやろう。三騎士を超えるんだ!」
「はい!」

 俺達が気を取り直したところで、アイナが平垣の上あたりを見て口元を抑える。俺もすぐに視線を向ける。そこにいたのは、

「やぁやぁ! やっているっスね!」
「スカリーチェ!」

 そう現れたのはスカリーチェだ。平垣に上半身を乗せている。

「何の用だ」
「随分な言い方っスね。2人が修行しているからちょっかいを出しに来ただけでスよ」

 思いっきり邪魔しに来てんじゃねぇか!

「バーガー様、行きましょう」
「あ、ああ」
「ちょっと待ったっス」
「なんだまだ何かあるのか?」
「トマト」

 俺はそのワードを聞いて硬直した。

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