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四章『トマト編』
第439話 スタン・フロード
しおりを挟む「それを常に使いなさい」
「え、でもこれは」
魔力切れだし、盗まれる可能性もあるしで、あんまり持っていたくない。それに俺以外の人が触ると重くなるから扱いもめんどくさい。
「武器は使い込まないと馴染まない。それが伝説の剣なら尚更。肌身離さず持っていなさい」
「わ、わかった」
すごい説得力だ。
俺は木箱から伝説の剣、Mソードを咥え出す。
鞘も重いはずなんだが、重さをほとんど感じない。これもMソードの力か。もしかしたら重力を操作しているのかもしれない。
試しにMソードを解析してみると、『Mソードから勇者斬(ブレイブスルー)を検出。1回使用可能』とでた。
魔力の回復が終わり。勇者斬(ブレイブスルー)が使えるようになっているな。
あとは何ら変化ない。小枝のように振り回すことができる。
「スタン。バーガーの相手をしなさい」
「かしこまりました。お嬢さま」
スタンは恭しく礼をすると俺に向きまた礼をする。
「わたくし、スタン・フロード。お嬢様の執事をさせていただいております」
「俺はバーガー・グリルガードだ。あんたが稽古を付けてくれるのか?」
「わたくしのできる限りの範疇になりますが」
相手は年老いた白髪の老人だ。真の力を解放していないとはいえMソードは神クラスの武器。下手に当ててしまえば殺しかねない。
「では、バーガーさま、打ち込んできてください」
「いいのか?」
「ええ」
スタンは腰の剣を抜き払う。
本当にやる気のようだ。もし当たりそうになったら寸止めすればいいか。
「行くぞ!」
俺は最短距離で跳ね寄る。そして体をよじりMソードをスタンに向けてーー
「なっ!」
スタンの持つ剣の先が俺の眉間の数センチ先にある。
「はい、ではもう一本。見えているようですが、体が反応していません」
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