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四章『トマト編』
第472話 最後の修行12
しおりを挟む「なんでしょうか、この音は・・・・・・」
ミーミーと地響きのような音は地中からのようだ。というかこの音、聞き覚えがある。これは・・・・・・
「蝉」
そう蝉だ。この音の正体は蝉だ。
しかし数は一つだけだし、音量もとても大きい。
「せみ?」
「虫の仲間だ、求愛行動でこういう声を出す」
「バーガー様は博識さんですね」
「へへへ。・・・・・・だが様子がおかしい、こんな大気が震えるほどの音をこの距離から、それも一匹で出せるはずがない」
「魔物、ですか?」
「その可能性が高い」
この島で出会った魔物は黒(ブラック)い悪魔(デビル)だけだった。ここまで来て別の魔物が現れるとは思わなかった。
だが魔物なら倒すのみだ。修行の最後に相応しい相手だといいが、
「戦いますか?」
「相手次第だな」
幸いにもこの音で大まかな位置は掴める。
島の中心近くにいるようだ。
「少し距離を取ろう。見晴らしのいい木に登ってくれ」
「はい!」
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