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四章『トマト編』
第490話 最後の修行30
しおりを挟む「生憎ですが、私は『魔夏』のセミリオン、熱に対して絶対の耐性があります」
セミリオンからすれば相手の戦意を削ぐために放った言葉だったのだろう。しかしグレイブはさらに熱を帯びていく。
「これは攻撃じゃねぇッ!! 抑えきれない俺の怒りが漏れ始めているだけだッ!!」
「そうですか、ならもう一度くらいなさい『超振動』」
グレイブの体からさらに血が吹き出す。
だ、大丈夫なのか!?
隣で一緒に下を覗き込んでいるアイナが心配そうに言った。
「やっぱり私たちも加勢に」
「ダメだ、グレイブの発している熱は異常だ。近づくのは危険だ」
グレイブから出ている煙の量がさらに増える。
「『超振動』を二発も受けたのです。どこの高名な魔法使いかは知りませんが内蔵もズタズタになったはずです。いま楽に」
「紅蓮ソード!」
セミリオンが素早く伸ばした口を元の長さに戻す。
グレイブの体から煙に代わって炎が溢れだしている。
その炎は剣の形になっていく。グレイブは柄の部分を掴んで胸から引き抜く。
「その魔力の波長は・・・・・・聖剣!? 貴方は一体」
「王国軍三騎士の一人ッ!! 紅蓮騎士ッ!! グレイブ・ホーリーガーデンだああーーッ!! ああああーーッ!!」
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