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四章『トマト編』
第519話 魔王城の平凡な日常
しおりを挟む空飛ぶ城塞型超巨大ゴーレム。通称『魔王城』は王国を目指して魔界を飛んでいる。
そしてここは玉座の間。黒を基調とした空間に玉座まで続く真っ赤なカーペットが敷かれている。
そのカーペットを挟むように九大天王たちが並んでいる。
って、なんだこの神妙な雰囲気は。
「おいコラ、はやく本題に入りやがれ」
「ギア。お静かに」
「ホネルトン、俺はなんで呼ばれたんだ? 忙しいの分かってんだろ。使いを追い返しやがって」
「拙者も花壇の花に水をやらねばならないでござる」
「仕事しろブラギリオン。お前はいつから庭師になったんだ?」
「前々からやってみたかったんでござるよ! はっはっはっ!!」
「笑ってんじゃねぇ」
「静粛に」
魔王の横に立つアリス様が苛立ったように言った。
静かになってから魔王が思い口を開いた。
「ラーメンが死んだ」
ラーメン? ラーメンだと? この世界ではラーメンを生き物と見なしているのか?
「あのラーメンが!? まさかそんな・・・・・・!」
ホネルトンが驚きの声をあげる。
「なんだそのラーメンってのは」
「ギアは会ったことがありませんでしたね。ラーメンとはラーメン・コックアタック。食を司る九大天王の一人でした」
「なに? 九大天王が死んだのか」
「ですから驚いているのです」
なるほどな、九大天王、こいつらは強い。それが死んだとなればまあこういう会議ぐらいは開くわな。
「うむ。ではそのとき近くにいたセミリオンから詳しい話を聞くことにしよう」
玉座の間の扉が開く。虫型の魔人が部屋に入ってくる。また見慣れないヤツだな。
「誰だあれは」
「セミリオンです。ラーメンと作戦実行中だった夏を司る九大天王の一人です」
ふーん。あいつが失敗したのか。片腕で済むといいな。
「魔王様、此度はーー」
「よい。経緯を話せ。迅速な対応が必要な場合がある」
「はっ!!」
セミリオンは話し始めた。魔王城が着く前にあるていどの『地ならし』をする役目を与えられ。先行して王国を目指していたこと。現在地を確認するために島に出たところ。三騎士と遭遇。戦闘になったとのことだ。
アリスが相槌を打つ。
「なるほど、その三騎士に殺されたのですね」
「いえ、ラーメンさんはエルフの少女に殺されました」
ざわつく会場。何を狼狽えてやがる。
アリスが続けて質問する。
「その娘は誰なのです?」
「分かりません」
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