536 / 1,167
四章『トマト編』
第536話 魔王城の平凡な日常18
しおりを挟む「そうね。ありがと」
「説教くせぇこと言っちまったな」
「ほんとよ! なんで貴方に言われなきゃならないわけ!!」
「んだとコラ」
「まーまーポメ。そのくらいにするポメ」
机の下から出てきたポラニアは後ろ足で顔をかこうとして足が届かないのでやめた。間を置いてチャレンジしたがそれも失敗する。
「ポラニアいたの!?」
「ずっといたポメ」
「あー、恥ずかしいことを聞かれたわ」
「メアはもっと自分の弱さを認めて周りを頼るポメ」
「よわ・・・・・・嫌よ! だってカッコ悪いじゃない!」
「ツッパることもいいポメけど・・・・・・」
まぁ相談出来る相手が一人いるからいいポメね。とメアに聞こえないくらいの声で呟いた。
「なによ!」
「なんでもないポメよ。さ、ギア。小難しい話をしようポメ」
「おう簡潔に頼む」
「ちょっと! 待ちなさいよ!」
「うるせぇ。元気になったなら出てけ」
「あー! そうですかそうですか! わかりました! 出ていきますよ! お邪魔しましたね!」
メアが部屋から出ていった。入れ違いでレイが入ってくる。
「何かあったんですか?」
「痴話喧嘩ポメ」
「あぁまたですか」
「またとはなんだ。それに痴話でも喧嘩でもなかっただろうが、それでそれはどうなんだ」
いま俺とポラニアは大事な仕事をしていた。ポラニアが鼻を舐めてから改まった感じで言った。
「キラーキラーキラー、通称神殺(ゴッドキラー)しは理論上は作れるポメ」
「何が足りねぇ?」
「神クラスの素材ポメ。神を超えるには神の力が宿ったものを使うのが手っ取り早いポメ」
「神クラスの素材だァ? 『犬小屋』から採掘した鉱石の中にはねぇのか?」
「神力の宿ったものがそう易々とあるわけないポメ」
「ならどこにある?」
「神力はすなわち神の魔力ポメ。魔力自体が極小サイズの魔法陣の集合体のようになっているポメ。それによって荒唐無稽な魔法をーー」
「やめろ。理解できねぇ」
「ポメ。そうポメね簡潔にいえば神クラスがいたところには神力に触れた物質あるポメよね?」
「ああ」
「その触れていた物が神力を吸って極々稀に神クラスの素材にランクアップしている場合があるポメ」
「なるほどな。それを神殺(ゴッドキラー)しのボディに使おうとしているのか」
「そうポメ。それさえ手に入れば制作可能となるポメ」
「神のいた場所か。魔王はどうだ?」
「ダメポメ」
「どうしてだ?」
「魔王様は魔力を抑えているポメ。それでもすごい魔力であることに変わりはないんだけど神クラスの素材が生まれるほどじゃないポメ。たぶん魔王様もそれを意識して抑えていると思うポメ」
「なら頼んでちょっとの間だけ魔力を解放してもらったらどうだ?」
「それは現実的じゃないポメ。神力が宿るのに何年かかるか正直なところ分からないポメし。短時間ではまず無理ポメ」
「魔王は使えねぇってわけか」
「言い方が酷いポメよ。一つだけ可能性のある場所を知ってるポメ」
「それを先に言え。どこだ?」
「チョウホウ街だポメ」
「あの戦争地域だった所か」
「今は大きな球体に包まれているポメね。中もみっちりポメ。それの原因は覚えてるポメね?」
「ああ、創造神ビルディーだろ」
「そうポメ。そこまで分かれば話は早いポメ」
「そうか。ビルディーはいま建設期が終わってあの中にいるのか」
「あれから何年も立っているポメ!」
「神力を吸収するには十分ってことか」
「そうポメ。それに魔王城の航空ルートとチョウホウ街の位置が重なっているポメ」
「チャンスだな。さっそく魔王に話してみる。ポラニアついてこい。レイここは頼んだぞ」
「はい。行ってらっしゃい」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった
黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった!
辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。
一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。
追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる